熱機関

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱機関
科目番号 0038 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(機械・知能系) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:熱機関工学,著者:越智敏明・老固潔一・吉本隆光,発行:コロナ社
担当教員 若嶋 振一郎

到達目標

①熱機関の熱力学的サイクルを理解し、熱効率を求めることができる。  
②内燃機関の基本構造と動作原理を説明できる。 
③内燃機関のトルクと出力の関係、効率について計算ができる。 
④蒸気原動所のシステム構成を理解し動作の説明ができる。 
⑤蒸気の性質を理解し、蒸気表を用いた計算ができる。
⑥熱機関を用いた発電システムの原理を理解できる。

【教育目標】D

【キーワード】燃料、エンジン、ボイラ、タービン、熱効率、オットーサイクル、ディーゼルサイクル、ランキンサイクル、ブレイトンサイクル、原子力発電、核融合発電

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
蒸気サイクル・ボイラー・蒸気タービンに関する知識および理解熱機関の熱力学的サイクルを理解し、熱効率を求めることができる。 熱機関の熱力学的サイクルに関する知識を用いて、熱力学サイクルを理解できる。熱機関の熱力学的サイクルを理解できない。
内燃機関の概要および動作原理に関する知識および理解内燃機関の基本構造と動作原理を説明できる。 内燃機関の基本構造を説明できる。 内燃機関の基本構造を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱機関は産業革命以降、現代社会にいたるまで広く産業や民生で活用されていて、それ自体が一つの完成された総合的な機械であり、機械に関する全ての知識を結集して築きあげられた分野と言える。本講義では熱機関の代表とされている、内燃機関(オットーサイクルとディーゼルサイクル)および蒸気原動機(ランキンサイクル)・ボイラー、ガスタービンシステムを中心にとりあげて、動力発生の原理・方法・構造を学び、熱機関の機械工学専門分野における位置づけおよび重要性を理解する。
授業の進め方・方法:
授業は教科書を用いた講義を中心に行う。
補助資料として、パワーポイント印刷資料・補足資料等のプリント配布をおこなう。
注意点:
【事前学習】
本講義の基礎となるサイクルの部分は、熱力学・流体力学の基礎知識を必要とするので復習しておくことが望ましい。
さらに伝熱工学、流体工学の知識を活用することになるため、適宜、当該教科書、関数電卓等を持参すること。

【評価方法・評価基準】中間・期末試験結果(100%)で総合的に評価する。詳細は第1回目の授業で通知する。
サイクルと熱効率、出力とトルクの関係を把握し、熱機関の働きを理解すること、および熱機関の燃料と燃焼の関係、大気環境に与える影響などに関して理解の程度を評価する。
また、単元に応じて課題を課すので自学自習ノートを作成し提出すること。
必要な自学自習時間数相当分の課題等未提出が4分の1以上の場合は低点とし、総合評価で60点以上を単位修得とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンスおよび序論
熱機関の機械工学における位置づけを理解する
2週 燃料と燃焼 内燃機関の燃料の化学反応や種類について説明できる。
化学反応の式から、基本的な燃料消費解析等ができる。
3週 蒸気サイクル(ランキンサイクル) エントロピー、エンタルピー等の蒸気表から必要な数値を読み取れる。
蒸気の性質を理解し、蒸気表から値を求め、蒸気サイクルの熱効率を求めることができる
4週 ボイラ、蒸気タービン1 蒸気サイクルの構成要素である蒸気タービン、蒸気ボイラの構造を理解し、性能を評価できる
5週 ボイラ、蒸気タービン2 ランキンサイクルの計算演習、タービン関連の計算演習
6週 内燃機関の概要、構造、吸排気の仕組み等 内燃機関の構造や動作原理、吸気と排気の仕組みについて説明できる
7週 演習 これまでの内容に関する課題演習
8週 中間試験
4thQ
9週 ガソリン機関(オットーサイクル) オットーサイクル、ガソリン機関のシリンダ内燃焼や周辺装置等について説明できる
10週 ディーゼル機関(ディーゼルサイクル) ディーゼルサイクル、ディーゼル機関の燃焼形態と排気の説明ができる
11週 内燃機関の性能と計測 内燃機関の性能評価と計測方法について説明できる
12週 ガスタービン機関(ブレイトンサイクル) ガスタービンの動作原理について説明できる
13週 原子力発電・核融合発電 原子力発電の概要、核融合発電の原理について説明できる
14週 演習 これまでの内容に関する課題演習
15週 期末試験
16週 まとめ これまでの学習内容を振り返り,エネルギー利用の未来についても考察する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験合計
総合評価割合100100
熱機関の概要に関する知識2020
蒸気サイクルに関する知識2525
内燃機関に関する知識2525
ガスタービンに関する知識1515
原子力発電に関する知識1515