電気情報工学基礎実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気情報工学基礎実験Ⅰ
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(電気・電子系) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教材:電気情報工学基礎実験Ⅰ実験書 / 参考書:金原ほか,”専門基礎ライブラリー 電気回路 改訂版",実教出版
担当教員 秋田 敏宏,山下 将嗣

到達目標

① 直流回路における基礎事項に関する実験内容を理解できる.
② 実験装置の使用方法を理解し,共同実験者と協力しながら安全に実験を行うことができる.
③ レポートの作成方法を理解できる.

【教育目標】 C

【キーワード】 実験実習,計測技術,電気回路

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路における基礎事項に関する実験内容を理解できる.それぞれの実験の目的や原理を理解して実験に積極的に取り組みことができる.それぞれの実験の目的や原理を理解して実験に取り組みことができる.それぞれの実験の目的や原理が理解しできず,実験に取り組みことができない.
実験装置の使用方法を理解し,共同実験者と協力しながら安全に実験を行うことができる.実験装置の使用方法を十分に理解し,共同実験者と協力しながら安全に配慮して実験を行うことができる.実験装置の使用方法を理解し,安全に配慮して実験を行うことができる.実験装置の使用方法を理解できない.または,安全に配慮して実験を行うことができない.
レポートの作成方法を理解できる.実験データの整理をすることができ,そのデータから読み取れる内容と理論を関連付けて説明することができる.実験データの整理をすることができ,そのデータから読み取れる内容を説明することができる.実験データの整理をすることができず,そのデータから読み取れる内容を説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 電気情報工学の基礎である電気回路に関する基礎事項を実験を通して理解することが目的である.また,実験は安全に細心の注意を払うことが求められ,安全に関する意識を持ちながら実験を行い,実験により得られたデータの取り扱い方,レポートの書き方を習得することが目的である.
授業の進め方・方法:
・ 実験は,全8班編成となります.その班単位で各実験項目について実験を行います.
・ 5週目までは,全体共通で行います.この5週で計測に関する基礎や実験データの整理・レポートの作成法について習得します.6週目以降の4テーマについては,班ごとに順番に実験を行います.
・ 班別各実験テーマにおいては,1回目は予習レポートの確認および実験,2回目は実験レポート添削および次回実験の予習レポート作成となります.
※ ガイダンスおよび計測技術基礎の回のみ遠隔授業対応可能。ほか,面接授業での実施。
注意点:
・ 実験は,実験指導者からの指示に従い,安全に細心の注意を払いながら班メンバー全員で協力して行うこと.
・ 班別各実験テーマ(6週目以降)において,1回目の実験開始前までに予習レポートを作成し,担当教員に提出すること.
・ 班別各実験テーマ(6週目以降)において,2回目の実験開始前までに実験レポートを作成し,担当教員に提出すること. 

【事前学習】
・ 各実験の前に予習レポートの作成を通じて,実験内容の理解に努める.
・ 2回目の実験前までに実験データを整理して,レポートを作成する.

【評価方法・評価基準】
 予習レポート,実験レポートの内容および提出状況と実験に取り組む姿勢を評価する.実験レポートが一つでも未提出がある場合には,評価を60点未満とする.詳細は,第1回目の授業で告知する.レポートの内容に関する評価は,実験内容の理解の程度と実験結果の整理とその結果に関する理解の程度を評価する.総合成績60点以上を単位修得とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【ガイダンス①】授業概要
【計測技術基礎①】電子部品の値表示,関数電卓の使用法
シラバスの内容について理解できる。抵抗やコイルやコンデンサといった電子部品の値表示を理解できる.関数電卓の使用法を理解でき,基本的な計算をすることができる.
2週 【計測技術基礎②】測定値の取り扱い SI単位系,直接測定と間接測定,偏位法と零位法,誤差について理解できる
3週 【計測技術基礎③】有効数字
【ガイダンス②】実験概要および安全
有効数字と誤差の関係を理解できる。また,4週目以降の実験概要と実験実習の心得を理解できる.
4週 【直流回路①】オームの法則 実験データのとり方や直流電源の取扱い,実験の進め方について理解できる.
5週 【直流回路①】オームの法則 オームの法則を理解できる.また実験データの整理や考察の書き方を理解できる.
6週 【直流回路②】抵抗の直並列回路 抵抗の直並列回路における直流電圧および直流電流を測定できる.
7週 【直流回路②】抵抗の直並列回路 キルヒホッフの法則を理解できる.また,抵抗の直並列回路における電圧・電流の関係を理解できる.
8週 【直流回路③】分流器・倍率器 指示計器の使い方を理解でき,分流器・倍率器に関する直流電圧および直流電流の計測ができる.
2ndQ
9週 【直流回路③】分流器・倍率器 分圧の法則および分流の法則を理解できる.また,分流器・倍率器の役割と計測器での利用法を理解できる.
10週 レポート作成指導・予備実験日 指摘事項に基づいてレポートの修正ができる.
11週 【直流回路④】中抵抗測定法 ホイートストンブリッジ法や電圧降下法による中抵抗の測定方法を理解でき,未知抵抗を測定することができる.
12週 【直流回路④】中抵抗測定法 ホイートストンブリッジ回路を理解できる。また,未知抵抗の測定方法を理解できる.指示計器の内部抵抗の影響について理解することができる.
13週 【直流回路⑤】重ねの理とテブナンの定理 重ねの理やテブナンの定理に関する実験内容を理解できる.
14週 【直流回路⑤】重ねの理とテブナンの定理 重ねの理やテブナンの定理の考え方を理解できる.また,実験結果をもとにその関係を理解できる.
15週 レポート作成指導・予備実験日・まとめ 指摘事項に基づいてレポートの修正ができる.実験内容を確認し,電気回路の理論とのつながりを意識できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4

評価割合

課題予習レポート実験態度実験レポート提出状況合計
総合評価割合1510105015100
実験実習能力1510105015100