電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(電気・電子系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:金原粲監修,加藤政一ほか5名執筆,”専門基礎ライブラリー 電気回路 改訂版",実教出版 / 参考書:大熊康弘,”図解でわかるはじめての電気回路”,技術評論社
担当教員 藤田 実樹

到達目標

① 交流回路の基礎事項を理解し,数学の知識により回路計算ができる.
② 各種定理を用いた交流回路の解析ができる.
③ ループ電流法やノード電圧法を用いた交流回路の解析ができる.
④ 三相交流における結線を理解し,回路解析ができる.

【教育目標】 D

【キーワード】 交流電力,交流ブリッジ回路,共振回路,相互誘導回路,重ね合わせの原理,テブナンの定理,ノートンの定理,ループ電流法,ノード電圧法,三相交流,対称座標法

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
交流回路の基礎事項を理解し,数学の知識により回路計算ができる.交流電力,ブリッジ回路,共振回路,相互誘導回路について理解し,それらに関する基本問題および応用問題を解くことができる.交流電力,ブリッジ回路,共振回路,相互誘導回路について理解し,それらに関する基本問題を解くことができる.交流電力,ブリッジ回路,共振回路,相互誘導回路について理解できず,それらに関する基本問題を解くことができない.
各種定理を用いた交流回路の解析ができる.重ね合わせの原理,テブナンの定理,ノートンの定理を理解し,それらに関する基本問題および応用問題を解くことができる.重ね合わせの原理,テブナンの定理,ノートンの定理を理解し,それらに関する基本問題を解くことができる.重ね合わせの原理,テブナンの定理,ノートンの定理を理解できず,それらに関する基本問題を解くことができない.
ループ電流法やノード電圧法を用いた交流回路の解析ができる.ループ電流法およびノード電圧法による解法を理解し,それらを用いた基本問題および応用問題を解くことができる.ループ電流法およびノード電圧法による解法を理解し,それらを用いた基本問題を解くことができる.ループ電流法およびノード電圧法による解法を理解できず,それらを用いた基本問題を解くことができない.
三相交流における結線を理解し,回路解析ができる.三相交流の結線方法を理解し,対称三相回路および非対称三相回路に関する基本問題および応用問題を解くことができる.三相交流の結線方法を理解し,対称三相回路に関する基本問題を解くことができる.三相交流の結線方法を理解できない.または,理解できても対称三相回路に関する基本問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 電気工学の基本である交流回路の基本計算,定理の利用,回路解析,三相交流に関する知識を学習することで,電気が必要不可欠なものとなっている現代の社会基盤を支えるための要素を身につけることが目的です.本科目は,交流回路を中心に学習しますが,電気エネルギーを他のエネルギーに変換する基礎となっており,電気機器や電力システム,通信工学など応用範囲が多岐に渡ります.
授業の進め方・方法:
・ 基本的には,教科書に沿って板書またはパワーポイントにより授業を進めていきます。また,moodleにより,基本事項の確認をしながら進めていきます.
・ 自己学習課題により,授業内容の予習・復習および授業内容の補足による課題となります.
注意点:
【事前学習】
 授業内容を確認し,教科書を一読しておくこと.その際,教科書の太字で書かれている重要語句は和名・英語名・意味を含めて確認しておくこと.

【評価方法・評価基準】
 試験(100%)で評価する.詳細については,第1回目の授業で告知する.交流回路に関する知識および計算法の理解とその習熟の程度を評価する.以上に加えて,自学自習課題を課すので自己学習レポートとして提出すること.自己学習レポートの未提出が4分の1を超える場合には,評価を60点未満とする.総合成績60点以上を単位修得とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2年生の復習 電位・オームの法則・キルヒホッフの法則 電位・オームの法則・キルヒホッフの法則を電気回路に適用できる。
2週 2年生の復習 ループ電流法・ノード電圧法・ブランチ電流法 ループ電流法・ノード電圧法・ブランチ電流法を理解し,方程式を立式し,回路計算ができる.
3週 2年生の復習 ブリッジ回路、重ね合わせの原理 重ね合わせの原理を用いた回路計算ができる.
4週 2年生の復習 テブナンの定理、ノートンの定理 テブナンの定理やノートンの定理を用いた回路計算ができる.
5週 2年生の復習 演習問題 直列回路に関する演習問題を解くことができる。
6週 正弦波交流回路と回路素子 正弦波交流回路とそれを構成する回路素子の計算ができる。
7週 交流電源と回路素子 交流電圧を抵抗、コイル、キャパシタ、RL直列回路に印可したときの交流電流について計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 正弦波交流の複素数表示① 複素数の四則演算、オイラーの公式を用いた計算ができる。
10週 正弦波交流の複素数表示② 正弦波交流回路の諸量を複素数表示で計算することができる。
11週 フェーザ表示とインピーダンス フェーザ表示の計算ができる。
12週 交流電力 各種電力の計算ができる.最大有効電力の供給条件を理解できる.
13週 回路解析の具体例 RL、RCの直列・並列回路など、具体的な回路についての計算ができる。
14週 交流信号の諸量① 様々な信号の平均値,実効値,波形率,波高率を求めることができる.
15週 交流信号の諸量② 様々な信号の平均値,実効値,波形率,波高率を求めることができる.
16週
後期
3rdQ
1週 交流ブリッジ回路,共振回路① 交流ブリッジの平衡条件を用いた回路計算ができる.直列共振回路,並列共振回路における共振条件を理解し,回路計算ができる.
2週 交流ブリッジ回路,共振回路② 交流ブリッジの平衡条件を用いた回路計算ができる.直列共振回路,並列共振回路における共振条件を理解し,回路計算ができる.
3週 交流ブリッジ回路,共振回路③ 交流ブリッジの平衡条件を用いた回路計算ができる.直列共振回路,並列共振回路における共振条件を理解し,回路計算ができる.
4週 相互誘導回路① 相互誘導回路の等価回路を理解できる.理想変成器における電圧と電流について理解できる.
5週 相互誘導回路② 相互誘導回路の等価回路を理解できる.理想変成器における電圧と電流について理解できる.
6週 相互誘導回路③ 相互誘導回路の等価回路を理解できる.理想変成器における電圧と電流について理解できる.
7週 線形性と双対性 回路の線形性と双対性をもちいて回路計算ができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 回路解析① グラフ理論について理解できる。
10週 回路解析② グラフ理論について理解できる。
11週 Y結線とΔ結線,対称三相交流 Y結線とΔ結線の変換ができる.対称三相交流の性質を理解できる.
12週 対称三相回路 対称三相回路の計算ができる.
13週 非対称三相回路 対称座標法を用いた回路計算ができる.
14週 電気回路演習 これまで学んだ方法をもちいて電気回路の演習問題を解くことができる。
15週 まとめ 交流回路について確認し,他の科目(電気機器や電力応用コースの科目群)との関連性を考えることができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000