概要:
【分析化学実験】
定量しようとする試料溶液と化学反応する標準溶液の体積から目的成分を定量する各種滴定法、沈殿生成を利用した重量分析および光を利用する機器分析など、各種定量分析の原理および実験手法を身につける。
【無機化学実験】
授業の内容を実験で確認しながら無機物質の合成を行う。実験を通して,基本的な無機化学反応について理解を深め,実験で扱う無機物質および実験器具を安全に適切に扱えるようにする。
授業の進め方・方法:
【分析化学実験】
ガイダンスは教室で行う。それ以外の実験は分析化学実験室で実施する。ガイダンスおよび実験の内容は、テキストに従って行う。実験の場合、実験室の決められた席に着き、教員の指示に従って行うこと。
【無機化学実験】
初回の説明以外は,実験室で行う。実験は配布資料に従って,2人または3人一組で行う。テーマ1は全員で同時に行うが,テーマ2~6は4組ずつ異なるテーマに取り組み,順にローテーションしていく。下の授業計画は,その一例である。事前に十分な予習を行い,安全に気をつけて実験すること。実験室では白衣と保護メガネを常に着用し,靴は上履きに履き替えること。実験中は,教員および技術職員の指示に従うこと。
注意点:
【注意事項】
(分析化学実験)第1回目のガイダンスにおいて、本実験における注意点を説明する。器具や薬品の安全管理には特に気を付けること。危険を伴う実験もあるので、担当者の指示に従うこと。
(無機化学実験)授業の概要,注意事項,実験ノートの使い方,報告書の書き方について初回に説明する。テーマ毎に報告書の提出,および全テーマ終了後に実験ノートの提出を求める。
【事前学習】
テキストを配布するので、実験内容を必ず予習し、実験ノートに整理すること。
(分析化学実験)参考書を調べ、実験の基本操作、器具の使い方、安全に対する配慮などを予習しておくこと。
(無機化学実験)配布資料をよく読んで,実験ノートに予習をしてくること。実験の目的,反応の原理,薬品や実験器具の種類や取り扱い方法などを,初回の指示に従い,参考書等も活用して実験ノートにまとめておくこと。
【評価方法・評価基準】
分析化学実験と無機化学実験の評価点の平均を総合成績とする。総合成績60点以上を単位修得とする。
(分析化学実験)実験ノートおよび報告書(100%)で評価する。実験の原理や手法について予習を行い、実験ノートに実験結果として記録する。さらに、実験ごとに実験結果をまとめた報告書を作成する。
(無機化学実験)報告書と実験ノート(100%)で評価する。詳細については初回の授業で説明する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
(分析化学)定性実験説明・基本操作
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授業の概要を理解できる。定性実験の注意事項について理解できる。実験の基本操作を理解することができる。
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2週 |
(分析化学)陽イオンの系統分析・第1属 |
第1属の陽イオンについて、それぞれの確認反応を理解し、その分析操作を習得できる。
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3週 |
(分析化学)陽イオンの系統分析・第3属 |
第3属の陽イオンについて、それぞれの確認反応を理解し、その分析操作を習得できる。
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4週 |
(分析化学)陽イオンの系統分析・第5属 |
第5属の陽イオンについて、それぞれの確認反応を理解し、その分析操作を習得できる。
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5週 |
(分析化学)陽イオンの系統分析・第6属 |
第6属の陽イオンについて、それぞれの確認反応を理解し、その分析操作を習得できる。
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6週 |
(分析化学)未知試料中の陽イオンの検出1 |
陽イオンの分属分析法を駆使し、未知試料溶液中に存在する金属イオンを同定することができる。
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7週 |
(分析化学)未知試料中の陽イオンの検出2 |
陽イオンの分属分析法を駆使し、未知試料溶液中に存在する金属イオンを同定することができる。
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8週 |
(分析化学)未知試料中の陽イオンの検出3 |
陽イオンの分属分析法を駆使し、未知試料溶液中に存在する金属イオンを同定することができる。
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2ndQ |
9週 |
(分析化学)定量実験の全体説明 |
定量実験の概要を理解できる。実験の注意事項について理解できる。
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10週 |
(分析化学)中和滴定1 |
中和滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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11週 |
(分析化学)中和滴定2 |
中和滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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12週 |
(分析化学)酸化還元滴定1 |
酸化還元滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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13週 |
(分析化学)酸化還元滴定2 |
酸化還元滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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14週 |
(分析化学)沈殿滴定1 |
沈殿滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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15週 |
(分析化学)沈殿滴定2 |
沈殿滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
(分析化学)キレート滴定1 |
キレート滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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2週 |
(分析化学)キレート滴定2 |
キレート滴定の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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3週 |
(分析化学)重量分析・吸光光度分析1 |
重量分析・吸光光度分析の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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4週 |
(分析化学)重量分析・吸光光度分析2 |
重量分析・吸光光度分析の原理を理解し、基礎的な実験 操作および計算を行うことができる。
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5週 |
(無機化学)実験概要の説明,実験台と実験器具の確認 |
実験の概要が理解できる。実験に必要な器具が理解できる。実験ノートの使い方と報告書の書き方が理解できる。
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6週 |
(無機化学)アルミニウムミョウバンの製造 |
金属アルミニウムからアルミニウムミョウバンの製造法が理解できる。
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7週 |
(無機化学)アルミニウムミョウバンの製造 |
再結晶による固体の精製ができる。
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8週 |
(無機化学)炭酸ナトリウムの製造 |
アンモニアソーダ法による炭酸ナトリウムの製造法が理解できる。実験装置を組み立てることができる。
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4thQ |
9週 |
(無機化学)炭酸ナトリウムの製造 |
アンモニア水からのアンモニアの導入ができる。キップの装置を使って気体を発生させることができる。
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10週 |
(無機化学)硫酸銅の製造 |
金属銅から硫酸銅の製造法が理解できる。硫酸銅五水和物の再結晶ができる。
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11週 |
(無機化学)硫酸銅の製造 |
結晶水の定量ができる。銅イオンの性質がわかる。
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12週 |
(無機化学)酸化亜鉛の製造 |
金属亜鉛から酸化亜鉛の製造法が理解できる。イオン化傾向の差を利用して金属を析出させることができる。
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13週 |
(無機化学)酸化亜鉛の製造 |
イオン化傾向に基づくイオンの反応が理解できる。酸化亜鉛の性質がわかる。
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14週 |
(無機化学)鉄アンモニウムミョウバンの製造 |
金属鉄から鉄アンモニウムミョウバンの製造が理解できる。温時ろ過とアルコールを用いた無機物の結晶化ができる。
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15週 |
(無機化学)鉄アンモニウムミョウバンの製造 |
鉄イオンの酸化数の違いによる性質の違いが理解できる。
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16週 |
実験室の後片づけ,これまでのまとめ |
実験室の清掃と整理整頓ができる。分析無機化学実験の総括ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | 後8 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 4 | |
錯体の生成について説明できる。 | 4 | |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 4 | |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 3 | |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 4 | |
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。 | 4 | |
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 4 | |