無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(化学・バイオ系) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:基本無機化学(荻野博,飛田博実,岡崎雅明,東京化学同人),ウエスト固体化学 基礎と応用(A.R.ウエスト 著,後藤孝 他 訳,講談社)
担当教員 大嶋 江利子

到達目標

① 各元素とその化合物の性質を,電子配置を基に理解できる。
② 錯体の構造と性質が理解できる。
③ 固体の構造が理解できる。
④ X線回折による結晶構造解析が理解できる。

【教育目標】C,D  【学習・教育到達目標】C-1,D-1

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
各元素とその化合物の性質を,電子配置を基に理解できる。各元素とその化合物の性質を,電子配置を基に説明することができる。各元素とその化合物の性質を,電子配置を基に理解できる。各元素とその化合物の性質が理解できない。各元素の電子配置がわからない。
錯体の構造と性質が理解できる。錯体の構造と性質が理解でき,錯体の名称がわかる。また結晶場理論を基に錯体の性質を説明することができる。錯体の構造と性質が理解できる。錯体の名称がわかる。錯体の構造が理解できない。錯体の性質が理解できない。錯体の名称がわからない。
固体の構造が理解できる。固体の構造について,格子,結晶系,指数が理解でき,それらを用いた結晶の分類や結晶構造の説明ができる。固体の構造について,格子,結晶系,指数が理解できる。固体の構造が理解できない。
X線回折による結晶構造解析が理解できる。X線回折において,ブラッグの回折条件,粉末X線回折の仕組みが理解できる。さらにX回折の特徴や消滅則が理解でき,実際の結晶構造との関わりが理解できる。X線回折において,ブラッグの回折条件,粉末X線回折の仕組みが理解できる。X線回折による結晶構造解析が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機化学Iで学んだ無機化学の総論を理解したうえで,各元素の諸特性を電子配置を基に学ぶ。後半は固体物質の構造とX線回折法の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は教科書の内容を中心に行う。必要に応じて演習も行う。
注意点:
課題のプリントを配布するので,指示された日時までに提出すること。
未提出の課題が全課題の4分の1を超える場合は,単位を修得できない。

【事前学習】
無機化学Iで学んだ原子の構造や化学結合に関する知識が必要であるので、該当部
分を復習しておくこと。また,前の時間の授業内容を復習し授業に臨むこと。

【評価方法・評価基準】
試験(80 %)と演習(20%)で評価する。60点以上を単位修得とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 典型金属元素
s‐ブロック元素(アルカリ金属,アルカリ土類金属)
アルカリ金属,アルカリ土類金属の電子配置と性質を理解できる
2週 典型金属元素
p‐ブロック元素(12~15族の金属)
12~15族の金属の電子配置と性質を理解できる
3週 非金属元素
水素,13族
水素,13族の非金属元素の電子配置と性質を理解できる
4週 非金属元素
14族,15族
14族,15族の非金属元素の電子配置と性質を理解できる
5週 非金属元素
16族,17族,18族
16族,17族,18族の非金属元素の電子配置と性質を理解できる
6週 遷移金属元素
d‐ブロック 第一遷移系列元素
第一遷移系列元素の電子配置と性質を理解できる
7週 遷移金属元素
d‐ブロック 第二,第三遷移系列元素
第二,第三遷移系列元素の電子配置と性質を理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 金属錯体
錯体の構造と命名,対称性
金属錯体の構造と命名を理解できる,分子の対称性を理解できる
10週 金属錯体
錯体の性質(異性体,結晶場理論)
金属錯体の性質(異性体,結晶場理論)を理解できる
11週 金属錯体
錯体の性質(配位の種類,色,反応)
金属錯体の性質(配位の種類,色,反応)を理解できる
12週 結晶格子,ミラー指数,方位指数 結晶格子,ミラー指数,方位指数を理解できる
13週 X線回折法による結晶構造解析 X線回折法による結晶構造解析について理解できる
14週 期末試験 全体の内容について説明できる
15週 これまでのまとめ 無機化学IIの内容を総括できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4前3,前9
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
配位結合の形成について説明できる。4
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4前9
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前3,前9

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050