物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(化学・バイオ系) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 物理化学の基礎(柴田茂雄, 共立出版), PEL物理化学(福地賢治, 実教出版)
担当教員 滝渡 幸治

到達目標

様々な化学変化や物理現象を理解する上で、エネルギーの観点からの考察は必要不可欠である。この授業では、物理化学Ⅰの知識を深めるために、熱力学を中心に化学平衡や相平衡について学習し、エネルギーと関連づけて現象を理解するための基礎を身につける。
【教育目標】C, D

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
熱力学熱力学の第一法則、第二法則、第三法則を理解するとともに、応用しながら各状態量の計算と系の状態変化について説明ができる。熱力学の第一法則や第二法則、第三法則について説明し、内部エネルギー変化やエンタルピー変化などの状態量の計算ができる。熱力学の第一法則や第二法則、第三法則について説明できず、内部エネルギー変化やエンタルピー変化などの状態量の計算ができない。
熱化学吸熱反応や発熱反応と反応熱との関係、ヘスの法則やキルヒホッフの法則、反応熱の種類などを理解して、計算ができる。ヘスの法則やキルヒホッフの法則を利用して反応熱の計算ができる。ヘスの法則やキルヒホッフの法則を利用して反応熱の計算ができない。
化学平衡化学平衡におけるギブスの自由エネルギー変化と平衡定数との関係、圧力と温度変化に対する化学平衡の移動について理解し、計算ができる。化学平衡におけるギブスの自由エネルギー変化や平衡定数、各成分の分圧と組成を計算でき、化学平衡について説明できる。化学平衡におけるギブスの自由エネルギー変化や平衡定数、各成分の分圧と組成を計算できず、化学平衡について説明できない。
相平衡化学ポテンシャルに基づいて相平衡を理解し、液体および固体の蒸気圧と固体の融点の変化を計算できる。液体および固体の蒸気圧と固体の融点の変化について説明できる。液体および固体の蒸気圧と固体の融点の変化について説明できない。
溶液溶液の組成の表し方を理解し、計算ができる。溶液の組成の表し方について、説明できる。溶液の組成の表し方について、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、上学年の授業で必要となるエネルギーに関する内容を数多く学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学を中心とするが、演習問題を出すので各自取り組んで確実に力を付けること。
注意点:
【事前学習】
教科書の履修範囲を事前に熟読すること。
【評価方法・評価基準】
試験結果(100 %)で評価する。詳細は第1回目の授業で知らせる。総合成績60点以上を単位修得とする。
課題等を課すので自己学習レポートを提出すること。自己学習レポートの未提出が,4分の1を超える場合は不合格点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 気体:
理想気体の分子運動と実在気体の状態方程式
理想気体の分子運動から求められるエネルギーとvan deer Waalsの状態方程式について理解できる。
2週 熱力学①:
気体の体積変化に伴う仕事と等温および断熱変化
可逆過程と仕事について理解し、等温および断熱変化の仕事量を求められる。
3週 熱力学②:
状態量
内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、自由エネルギーについて理解できる。
4週 熱化学:
ヘスの法則とキルヒホッフの法則
ヘスの法則から反応熱や結合エネルギーなどを計算できる。キルヒホッフの法則から様々な温度の反応熱を計算できる。
5週 化学平衡①:
自由エネルギーと化学平衡
自由エネルギー変化と化学平衡との関係を理解できる。
6週 化学平衡②:
平衡定数
平衡定数を理解し、平衡状態の組成を計算できる。
7週 化学平衡③:
平衡の移動
状態の変化に伴う平衡の移動を理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 熱力学③:
熱力学第一法則
熱力学第一法則と内部エネルギー、エンタルピーの関係について理解できる。
10週 熱力学④:
熱力学第二法則その1
熱力学第二法則と熱機関について理解できる。
11週 熱力学⑤:
熱力学第二法則その2
熱力学第二法則とエントロピー、自由エネルギー、自然現象の関係について理解できる。
12週 相平衡①:
状態図と1成分系の相平衡
化学ポテンシャルに基づいて相平衡を理解できる。
13週 相平衡②:
液体および固体の蒸気圧と固体の融点
クラウジウス-クラペイロンの式に基づいて、液体および固体の蒸気圧と固体の融点の変化について理解し、計算ができる。
14週 相平衡③:
多成分系における相平衡と相律
相律と溶液の組成の表し方が理解できる。
15週 期末試験
16週 まとめ 勉強した内容を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
総合評価100100