生物反応工学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物反応工学
科目番号 0026 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 未来創造工学科(化学・バイオ系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:生物化学工学 第3版,著者:海野肇ら,発行:講談社
担当教員 佐藤 和久

到達目標

1. 生体触媒を用いた工業規模の物質生産の概要を理解できる。
2. バイオリアクターの設計に必要な種々の収率因子を理解できる。
3. 酵素を用いたバイオリアクターの性能を計算できる。
4. 細胞の増殖速度ならびにバイオリアクターの性能を計算できる。
5. 固定化生体触媒の性能について説明できる。

【教育目標】D
【学習・教育到達目標】D-1

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 生体触媒を用いた工業規模の物質生産の概要を理解できる。生体触媒を用いた工業規模の物質生産について、その原理および経済的背景を説明できる。生体触媒を用いた工業規模の物質生産について基本的な内容を説明できる。生体触媒を用いた工業規模の物質生産について説明できない。
2. バイオリアクターの設計に必要な種々の収率因子を理解できる。バイオリアクターの設計に必要な種々の収率因子を理解し、それらに関する基本問題、応用問題を解くことができる。バイオリアクターの設計に必要な種々の収率因子を理解し、それらに関する基本問題を解くことができる。バイオリアクターの設計に必要な種々の収率因子などの基本事項が理解できない。
3. 酵素を用いたバイオリアクターの性能を計算できる。酵素を用いたバイオリアクターの性能の計算法を理解し、それらに関する基本問題、応用問題を解くことができる。酵素を用いたバイオリアクターの性能の計算法を理解し、それらに関する基本問題を解くことができる。酵素を用いたバイオリアクターの性能の計算法などの基本事項が理解できない。
4. 細胞の増殖速度ならびにバイオリアクターの性能を計算できる。細胞の増殖速度ならびにバイオリアクターの性能の計算法を理解し、それらに関する基本問題、応用問題を解くことができる。細胞の増殖速度ならびにバイオリアクターの性能の計算法を理解し、それらに関する基本問題を解くことができる。細胞の増殖速度ならびにバイオリアクターの性能の計算法などの基本事項が理解できない。
5. 固定化生体触媒の性能について説明できる。固定化生体触媒の性能について、速度論的内容および基本的な内容を説明できる。固定化生体触媒の性能について基本的な内容を説明できる。固定化生体触媒の性能について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
酵素、微生物、植物細胞、動物細胞等の生体触媒を利用して物質生産を行う場合の、装置設計や操作条件の決定に必要な化学工学的知識を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を中心に授業を進める。バイオテクノロジーにおける化学工学関連の内容が大部分である。
注意点:
これまでに習ってきた物質収支、移動速度論、反応速度論、反応工学等の化学工学の知識が必要である。授業の進行が速く内容が多いので、教科書の履修範囲を事前に熟読しておくこと。

【評価方法・評価基準】
 試験結果(80%)、課題(20%)で評価する。詳細は1回目の授業で知らせる。総合成績60点以上を単位修得とする。試験は、授業で行った例題や課題に類似した計算問題および基本事項の説明問題を出題し評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. バイオプロセスと生物化学工学 バイオプロセスでの化学工学の必要性を学ぶ。
2週 1. バイオプロセスと生物化学工学 工業的に使われる生体触媒の種類を理解できる。
3週 2. 生物化学工学量論 細胞増殖における各種収率因子、代謝エネルギーの計算法を理解できる。
4週 2. 生物化学工学量論 細胞増殖における各種収率因子、代謝エネルギーの計算法を理解できる。
5週 2. 生物化学工学量論 細胞増殖における各種収率因子、代謝エネルギーの計算法を理解できる。
6週 3. 生物化学反応速度論
(1) 酵素反応の速度論
Michaelis-Menten 式に基づき、回分酵素反応の経時変化を計算できる。
7週 3. 生物化学反応速度論
(1) 酵素反応の速度論
Michaelis-Menten 式に基づき、回分酵素反応の経時変化を計算できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 3. 生物化学反応速度論
(2) 細胞の反応速度
増殖速度の計算法を理解できる。
10週 4. バイオリアクター
(1) バイオリアクタの形式
目的に応じた種々のバイオリアクタを知る。
11週 4. バイオリアクター
(2) バイオリアクタ設計の基礎
バイオリアクター内の物質収支について理解できる。
12週 4. バイオリアクター
(3) 回分および連続培養
回分培養における増殖曲線、連続培養におけるウォッシュアウト等を理解できる。
13週 4. バイオリアクター
(3) 回分および連続培養
回分培養における増殖曲線、連続培養におけるウォッシュアウト等を理解できる。
14週 4. バイオリアクター
(4) 固定化生体触媒
固定化法、性能に及ぼす諸因子について理解できる。
15週 後期末試験
16週 まとめ 学習内容を振り返る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4
生物工学微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

後期中間試験後期末試験課題合計
総合評価割合404020100
生物による工業的物質生産の概要100313
収率因子180725
酵素バイオリアクター120315
細胞バイオリアクター034741
固定化生体触媒0606