概要:
化学工学・生物工学等の授業で学ぶ内容について、実験を行って現象を観察し、より確かな知識とする。
化学工学系の研究室所属学生は主に化学工学実験、バイオ系の研究室所属学生は主にバイオ実験の実習を行う。
授業の進め方・方法:
最初の4単位時間でガイダンスを行う。その後は各自予め決められたスケジュールに従い、2~4人を1グループ,3週/1テーマとして、4つのテーマについて実験する。
各テーマのグループ割り振りについては、ガイダンス時に知らせる。授業計画には実験内容を示したため、割り振りによっては行わないものもある。
各テーマの実験時間は、6単位時間(2単位時間/日×3日) とする。
実験場所は6号棟2階生物工学実験室教室1および3である。実験指針、筆記用具、グラフ電卓、グラフ用紙、実験ノート、白衣、保護メガネを持参する。
各テーマの実験初日前半に実験ノート(目的、試薬調製の計算、測定事項等の箇条書き、および課題の解答など) を作成し、それ以降は直ちに実験に入る。
注意点:
実験中は必ず保護メガネ及び白衣を着用し、履物はサンダル及びヒールは不可とする。
実験レポートは、各テーマの最終日から1週間以内に提出する。単位習得のためには4テーマ全てのレポート提出が必要である。そのためには、計画的にレポート作成を進める能力が要求される。なお、各テーマの実験に入る前に、実験指針書の該当ページを熟読しておくこと。
レポート(100%) で評価する。詳細は第1 回目の授業で知らせる。総合成績60 点以上を単位修得とする。
レポートの評価は、期限、体裁、結果の整理法、グラフ、課題の達成度、考察等に基づいて行う。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 実験テーマに関して内容説明を行う。また、評価方法を知らせる。 |
各実験テーマについての進め方及び概要を理解できる。
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2週 |
ガイダンス 実験テーマに関して内容説明を行う。 |
各実験テーマについての進め方及び概要を理解できる。
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3週 |
バイオ 酵素機能解析と酵素反応速度論①~③ |
①実験ノートの作成・課題を解くことができる。実験に必要な試薬の調整ができる。 ②反応時間と酵素活性の関係が理解できる。酵素の最適温度の測定ができる。 ③酵素反応速度に特有の定数を求めることができる。阻害物質の影響について理解できる。
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4週 |
バイオ SDS-PAGEと動物細胞取り扱いの基礎①~③
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①SDSによるタンパク変性の仕組みを理解し、SDS-PAGEによるタンパクの分離ができる。 ②検量線を作成し、分子量を見積もることができる。動物細胞の継代の流れを理解できる。 ③線維芽細胞の継代、培養ができる。細胞播種量を算出できる。
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5週 |
バイオ 遺伝子工学実験の基礎①~③ |
①実験に必要な試薬の調整ができる。大腸菌の形質転換ができる。 ②形質転換体からの組換えDNA抽出方法の原理を理解できる。 ③DNAのゲル電気泳動ができ、検量線から分子量を見積もることができる。
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6週 |
バイオ PCR実験①~③ |
①DNA抽出の原理を理解し、自分の細胞からDNAを抽出できる。 ②PCRの原理を理解し、実際に反応を行うことができる。 ③DNAのゲル電気泳動ができ、遺伝子型を判別することができる。
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7週 |
プロセス テーマA:液位の非定常変化 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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8週 |
プロセス テーマC:連続撹拌槽の残余濃度 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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2ndQ |
9週 |
プロセス テーマD:二重管式熱交換器 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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10週 |
プロセス テーマG:シックナーによる汚濁水の分離 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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11週 |
プロセス テーマG:シックナーによる汚濁水の分離 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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12週 |
プロセス テーマH:自動制御付精留塔の運転および物質・熱収支 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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13週 |
プロセス テーマL:機器分析(ICP発光分析) |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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14週 |
プロセス テーマN:エステルの加水分解速度定数の測定 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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15週 |
プロセス テーマO:連続槽型反応器の温度制御 |
実験装置の原理、操作方法、データの整理方法を理解できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 4 | 前14 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 4 | 前14 |
化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 4 | |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 4 | 前7,前8,前10,前11,前15 |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 4 | 前7,前8,前15 |
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。 | 4 | |
流れの物質収支の計算ができる。 | 4 | 前8 |
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。 | 4 | |
流体輸送の動力の計算ができる。 | 4 | |
蒸留の原理について理解できる。 | 4 | 前12,前13 |
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。 | 4 | 前12,前13 |
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。 | 4 | 前12,前13 |
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。 | 4 | |
基礎生物 | 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前3 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 前5 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | 前5 |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 4 | 前5 |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | |
化学工学実験 | 流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。 | 4 | 前9,前13 |
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。 | 4 | 前11,前12 |
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。 | 4 | 前7,前8,前10,前11,前14,前15 |
生物工学実験 | 滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | 前5 |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | 前5 |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | |