化学プラント設計Ⅱ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学プラント設計Ⅱ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(化学・バイオ系) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:ベーシック化学工学,著者:橋本健治,発行:化学同人/配付プリント
担当教員 佐藤 和久

到達目標

1. 抽出操作の基礎的事項を理解し計算できる。
2. 気液平衡関係を理解できる。
3. 精留塔の原理を理解し、段数および塔径の設計の考え方を理解できる。
4. 塔頂蒸気を凝縮する熱交換器(全縮器)の設計法を理解する。

【教育目標】C
【学習教育到達目標】C-3

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 気液平衡関係気液平衡関係に係わる事項を理解し、それらに関する基本問題、応用問題を解くことができる。気液平衡関係に係わる事項を理解し、それらに関する基本問題を解くことができる。気液平衡関係に係わる基本事項を理解できない。
2. 精留塔の設計精留塔の原理を理解し、段数および塔径の求め方を熟知した上で、それらに関する問題を解くことができる。精留塔の原理を理解し、公式に当てはめながら段数および塔径を求めることができる。精留塔の設計に係わる基本事項を理解できない。
3. 熱交換器(全縮器)全縮器の設計に係わる基本事項を熟知し、それらの計算をすることができる。全縮器の設計に係わる基本事項を理解し、公式に当てはめながらそれらの計算をすることができる。全縮器の設計に係わる基本事項を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
精留プロセスの設計を中心に授業を行う。これまで学んできた化学工学の知識がプラント設計においてどのように活かされかを理解する。また、装置設計や運転条件の決定において、経済収支を含めた最適化を行うことが重要であることも理解する。
授業の進め方・方法:
学生ごとに異なる条件のもとで設計を行う。毎回、配付プリントと板書で説明した後、各自課題に取り組む。各自ノートを用意し、課題を書き込む。このノートは数回提出する。
注意点:
基礎化学工学ⅠおよびⅡ、単位操作、反応工学、化学プラント設計Ⅰ、化学工学・バイオ実験Ⅰで身に付けた化学工学に関する知識が必要である。課題への取り組みを通して確実に力を付けること。

【評価方法・評価基準】
 試験結果(50%)、課題(50%)で評価する。詳細は1回目の授業で知らせる。総合成績60点以上を単位修得とする。課題の取り組み状況が3/4未満の場合は59点以下とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. 気液平衡 蒸気圧、揮発度、比揮発度、ラウールの法則が理解できる。
2週 1. 気液平衡 x-y線図、温度-組成線図が理解できる。
3週 2. 精留塔の設計 (1) McCabe-Thiele法 精留塔の原理、還流、操作線の式、q線を理解できる。
4週 2. 精留塔の設計 (1) McCabe-Thiele法 階段作図により理論段数を求めることができる。還流比と理論段数の関係を説明できる。
5週 2. 精留塔の設計 (1) McCabe-Thiele法 階段作図により理論段数を求めることができる。還流比と理論段数の関係を説明できる。
6週 2. 精留塔の設計 (2) 許容蒸気速度と塔内径 飛沫同伴現象を理解し、蒸気速度に対して必要な塔内径を計算できる。
7週 2. 精留塔の設計 (2) 許容蒸気速度と塔内径 飛沫同伴現象を理解し、蒸気速度に対して必要な塔内径を計算できる。
8週 2. 精留塔の設計 (3) 最適還流比 スチームコストの計算ができ、運転費と固定費のトータルコストから最適還流比が決まることが理解できる。
4thQ
9週 2. 精留塔の設計 (3) 最適還流比 スチームコストの計算ができ、運転費と固定費のトータルコストから最適還流比が決まることが理解できる。
10週 2. 精留塔の設計 (3) 最適還流比 スチームコストの計算ができ、運転費と固定費のトータルコストから最適還流比が決まることが理解できる。
11週 3. 全縮器の設計 全縮器の構造を理解し、全縮器設計の流れがわかる。
12週 3. 全縮器の設計 全縮器の伝熱面積、伝熱管の本数の計算ができる。
13週 4. 精留プロセスの制御 プロセスフローシートを理解でき、精留塔の制御の概要がわかる。
14週 精留塔の設計のまとめ ここまで進めてきた精留塔設計の計算結果をまとめ、設計手順の全体像を理解する。
15週 後期末試験
16週 まとめ 学習内容を振り返る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4

評価割合

後期末試験課題合計
総合評価割合5050100
気液平衡関係151530
精留塔の設計151530
熱交換器151530
精留プロセスの制御5510