化学工学・バイオ実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学工学・バイオ実験Ⅰ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 未来創造工学科(化学・バイオ系) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:化学工学実験,著者:東畑平一郎ら,発行:産業図書/教材:各担当教員作成のプリント
担当教員 渡邊 崇,中川 裕子,滝渡 幸治,本間 俊将

到達目標

各実験テーマについて,
①目的・理論を把握し,実験計画を立てることができる。
②データを整理し,レポートにまとめることができる。
③結果の評価と考察ができる。
④実験装置等の原理・構造を理解し,正しく取り扱うことができる。
【教育目標】A,C,D,E
【学習・教育到達目標】A-2,C-3,D-2,E-2

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 ①目的・理論,実験計画について目的・理論の詳細をノートにわかりやすくまとめ,実験データシー トをきれいに作成することができ る目的・理論の概要をノートにまとめ,実験データシートを作成することができる目的・理論の概要をノートにまとめることができない,実験データシートを作成することができない
評価項目2 ②データの整理,レポートについ て実験で得られたデータを表やグラフ等きれいに整理し,他者がみて わかるレポートを作成できる実験で得られたデータを表やグラ フ等で整理し,レポートを作成で きる実験で得られたデータを表やグラフ等で整理できない
評価項目3 ③結果の評価と考察について得られた結果だけでなく、応用につながる評価、考察ができる得られた結果に基づいた評価と考 察ができる得られた結果に基づいた評価と考察ができない
評価項目4 ④実験装置等の原理・構造,取扱 いについて実験装置等の原理・構造の詳細を理解し,正しく取り扱うことができる実験装置等の原理・構造の概要を 理解し,正しく取り扱うことがで きる実験装置等の原理・構造の概要を理解できず,かつ正しく取り扱うことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまで学んできた単位操作,物理化学および生物工学をはじめとする化学工学の学問に含まれる理論と実際の現象との関係を生きた知識として体得し,各講義の理解をさらに深めるために行なう。また,生物工学の基礎的操作に慣れることを目的とする。
授業の進め方・方法:
4~5人を1グループ,3週/1テーマとし,以下の8テーマについて実験を行なう。
各テーマのグループ割り振りについては,ガイダンス最終日にお知らせする。
教室にて出欠確認後,筆記用具,グラフ電卓,実験ノート,グラフ用紙,保護メガネを持参して各テーマの実験場所へ移動する。
<実験テーマ>
1.管内の圧力損失と流量
2.熱放射率・放射伝熱量及び熱伝導度の測定
3.濡壁塔による水の蒸発
4.気液平衡蒸留と単蒸留
5.タンパク質の定量
6.微生物取扱いの基礎
7.微生物の利用-発酵産物の単離
8.酵素の精製
なお,実施場所はC科実習工場,6号棟1階プロセス工学実験室,6号棟2階生物工学実験室である。
注意点:
実験ノート(A4)に予習内容を記述しておくこと。レポートは提出期限を厳守して全レポートを提出すること。実験中は必ず保護メガネ及び作業着(または白衣)を着用し,履物はズックまたは革靴とする。

【評価方法・評価基準】
レポート(60%)及びノート(40%)で評価する。詳細は第1回目のガイダンスで告知する。レポートの詳細な評価基準は各テーマにより異なるが,目的,理論,方法,実験データの記述,結果の評価・考察内容を総合的に評価する。また ,ノートは課題等の取り組み(Aレポート),予習,実験データの記録とまとめ方を評価する。総合成績60点以上を単位修得とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1) 実験実習全体の概要,評価基準がわかる。 各実験テーマの概要がわかる。
2週 ガイダンス(2) 各実験テーマの概要がわかる。
3週 第1回目の実験(1週目) 各テーマについて,
①目的・理論を把握し,実験計画を立てることができる。
②IoT等の技術を用いてデータを取得・整理し,レポートにまとめることができる。
③結果の評価と考察ができる。
④実験装置等の原理・構造を理解し,正しく取り扱うことができる。
⑤共同作業ができる。
4週 第1回目の実験(2週目) 上記と同様。
5週 第1回目の実験(3週目) 上記と同様。
6週 第2回目の実験(1週目) 上記と同様。
7週 第2回目の実験(2週目) 上記と同様。
8週 第2回目の実験(3週目) 上記と同様。
2ndQ
9週 第3回目の実験(1週目) 上記と同様。
10週 第3回目の実験(2週目) 上記と同様。
11週 第3回目の実験(3週目) 上記と同様。
12週 第4回目の実験(1週目) 上記と同様。
13週 第4回目の実験(2週目) 上記と同様。
14週 第4回目の実験(3週目) 上記と同様。
15週 ノート整理
16週 ノート整理
後期
3rdQ
1週 第5回目の実験(1週目) 各テーマについて,
①目的・理論を把握し,実験計画を立てることができる。
②IoT等の技術を用いてデータを取得・整理し,レポートにまとめることができる。
③結果の評価と考察ができる。
④実験装置等の原理・構造を理解し,正しく取り扱うことができる。
⑤共同作業ができる。
2週 第5回目の実験(2週目) 上記と同様。
3週 第5回目の実験(3週目) 上記と同様。
4週 第6回目の実験(1週目) 上記と同様。
5週 第6回目の実験(2週目) 上記と同様。
6週 第6回目の実験(3週目) 上記と同様。
7週 第7回目の実験(1週目) 上記と同様。
8週 第7回目の実験(2週目) 上記と同様。
4thQ
9週 第7回目の実験(3週目) 上記と同様。
10週 第8回目の実験(1週目) 上記と同様。
11週 第8回目の実験(2週目) 上記と同様。
12週 第8回目の実験(3週目) 上記と同様。
13週 ノート整理
14週 ノート整理
15週 ノート整理
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。3
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。3
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。3

評価割合

レポート実験ノート合計
総合評価割合6040100
レポートとしての完成度(評価基準は各テーマにより異なる)60060
各テーマにおける課題等の取り組み02020
予習の取り組み,データの記録・まとめ02020