高分子化学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 高分子化学
科目番号 0066 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 未来創造工学科(化学・バイオ系) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:宮下徳治 コンパクト高分子化学 三共出版 教材:適宜プリントを配布
担当教員 岡本 健,本間 俊将

到達目標

1.生活の中で使われている高分子材料を化学の視点から見る(性質や特徴を学ぶ)ことができ、用途に応じてどのような高分子が使われているか、分類することができる
2.60年ほどの年月をかけ、自然化学の大きな部門となった高分子の歴史にふれるとともに、その発展に貢献した人物名と高分子の名前、特徴を挙げられる
3.さまざまな高分子合成の基本様式を、化学反応式を使いながら説明できる

【教育目標】D, 【学習・教育到達目標】D-1

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.産業と生活の高分子自ら進んで産業おける高分子について調べ、日本、海外問わずどのような企業が生産、販売しているか、市場規模の大きさと共に説明することができる生活の中で使われている高分子材料を化学の視点から見る(性質や特徴を学ぶ)ことができ、用途に応じてどのような高分子が使われているか、分類することができる生活の中で使われている高分子材料を化学の視点から見る(性質や特徴を学ぶ)ことができず、用途に応じてどのような高分子が使われているか、分類することができない
2.学問としての高分子とその実用的な貢献高分子化合物の力学的、熱的、電気的、光学的性質がどのような構造に由来するのかについて、適切な用語を使って説明することができる60年ほどの年月をかけ、自然化学の大きな部門となった高分子の歴史にふれ、その発展に貢献した人物名と高分子の名前、特徴を挙げられる高分子分野の発展に貢献した人物名と高分子の名前、特徴を挙げられない
3.さまざまな重合さまざまな重合方法の特徴を説明できるだけでなく、共重合に関しても説明できるさまざまな高分子合成の基本様式を、化学反応式を使いながら説明できるさまざまな高分子合成の基本様式を、化学反応式を使いながら説明できない
4.生体高分子多糖類、核酸、タンパク質の性質と分子構造を説明できるとともに、それらの高次構造に関しても予測できる多糖類、核酸、タンパク質の性質と分子構造を説明できる多糖類、核酸、タンパク質の性質と分子構造を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高分子は、電子工学、生命医療、応用物理、生活必需品に至るまで幅広い分野で使われている。高分子の性質や機能を理解するための高分子の物理、化学について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業内容に沿って、教科書と配布プリントで行う。
注意点:
【事前学習】
毎週、出される調査課題をやっておくこと。
ノートの前回の授業部分を復習しておくこと。
授業内容に対する教科書の内容を事前に読んでおくこと。
【評価方法】
試験結果(80%)、課題(20%)で評価する。詳細は第1回目の授業で告知する。
定期試験では、上記の高分子の物理的性質、および高分子の合成法などについての理解度を評価する。
総合成績60点以上を単位修得とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 身近な高分子の分類、構造と合成
各種合成繊維、合成樹脂
材質から身近な高分子を分類できる。
合成繊維や合成樹脂の名称を挙げ構造を書ける。
2週 粘性、弾性とゴムの性質 プラスチックとゴムの特徴的な性質を説明できる。
3週 高分子の歴史と詳しい分類 60年の高分子の歴史を学び,発展に貢献した人物を挙げられる。
4週 高分子の一次,二次,高次構造
高分子の溶液物性
高分子の構造から発現する性質について説明できる。
高分子溶液の性質を説明できる。
5週 ★遠隔の場合 1/4期 確認テスト 
高分子の基礎物理物性
高分子の力学的性質、熱的性質について説明できる。
6週 高分子合成の基本様式 合成高分子の多様な重合法を分類できる。
7週 重縮合,重付加,付加重合 重縮合,重付加,付加重合の反応が説明できる。
8週 ★遠隔の場合 2/4期 確認テスト 
☆対面の場合、中間試験 授業内容は次週に
ラジカル重合の反応速度論
逐次重合と連鎖重合で得られる高分子の名称をそれぞれ挙げられる。
4thQ
9週 ラジカル重合の反応速度論 ラジカル重合の素反応を説明できる。
10週 イオン重合(カチオン重合) カチオン重合の開始剤と重合過程を説明できる。
11週 アニオン重合、リビング重合 アニオン重合の開始剤と重合過程を説明できる。同様にリビング重合を説明できる。
12週 ★遠隔の場合 3/4期 確認テスト 
生体高分子-多糖類―
多糖類(セルロース、デンプンなど)の性質と構造が説明できる。
13週 生体高分子-核酸― 核酸の性質と構造が説明できる。
14週 生体高分子-タンパク質― タンパク質の性質と構造が説明できる。
15週 ★遠隔の場合 4/4期 確認テスト
☆対面の場合、期末試験の返却
16週 まとめ 学習内容を振り返る

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験調査課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4020000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000