生化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生化学Ⅰ
科目番号 0005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(分野展開・系発展) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:ヴォート 基礎生化学 第3版(D. VOETら、東京化学同人)
担当教員 戸谷 一英,渡邊 崇

到達目標

5年生の生物工学実験実習の基礎概念となる、
①遺伝子操作・分析技術、
②タンパク質の精製・分析法,機能、
③酵素触媒機構と反応動力学、
を重点的に理解する。
【教育目標 】C、D
【学習・教育到達目標 】C-1、D-1
【キーワード 】代謝熱力学、緩衝液、遺伝子操作・分析技術、酵素精製法、機器分析、タンパク質のフォールディング、免疫、複合糖質、膜輸送、酵素触媒機構、酵素反応速度論

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①遺伝子操作・分析技術遺伝子操作・分析技術の原理と事例を説明できる。遺伝子操作・分析技術の原理を説明できる。遺伝子操作・分析技術の原理が説明できない。
②タンパク質の精製・分析法,機能タンパク質の精製・分析・配列解析法の原理,および,免疫を例にタンパク質の機能が説明できる。タンパク質の精製・分析法の原理が説明できる。タンパク質の精製・分析法の原理が説明できない。
③酵素触媒機構と反応動力学酵素触媒機構と,ミカエリス・メンテン式,Km,Vmax,競合阻害など,反応動力学の詳細が説明できる。酵素触媒機構と,ミカエリス・メンテン式,Km,Vmaxの意味が説明できる。酵素触媒機構と,ミカエリス・メンテン式,Km,Vmaxの意味が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次で学習した基礎生物工学の続きであるが、5年生の生物工学実験実習の基礎概念となる、
①遺伝子操作・分析技術、
②タンパク質の取り扱い・精製法、
③酵素触媒機構と反応動力学、
などバイオテクノロジー(生物工学)の要素技術に関連するところを重点的に紹介する。その他、タンパク質の立体構造、免疫系、複合糖質、膜輸送などのトピックスについても紹介する。
授業の進め方・方法:
配付資料にて講義する。生化学を通して生体分子や生物資源を取り扱う技術者に必要な基礎知識を身につける。5年次に生物工学実験実習を行うときに役立つ知識や技術を身につける。自学自習ノートを作成し、復習や演習問題を自学自習の課題として学習し、必要に応じて提出すること。Teamsで課題を出すので必ず行うこと。
この分野で必要な機器分析としてHPLCやLC-MSなどを紹介する。Webに繋がった装置の講習などを行うことで情報セキュリティを意識する。
注意点:
【事前学習 】「授業項目」に対応する資料の内容を事前に読んでおくこと。また、ノートの前回授業部分を復習しておくこと。Teamsの「課題」は復習として必ず行うこと。Teamsでの課題提出を義務とする。再試験受験者は課題提出を受験の要件とする。
【評価方法・基準 】試験または課題試験(レポート)のどちらかで100%で評価する。自学自習ノート等が未提出の場合は低点とする。総成績60点以上を単位修得とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生 命 細胞と生体分子の関係が説明できる。
2週 水の性質 ヘンダーソン・ハッセルバルヒ式、緩衝液の原理を説明できる。
3週 遺伝子工学の基礎1 塩基配列決定法、PCR法など要素技術を説明できる。
4週 遺伝子工学の基礎2 遺伝子のクローニングと発現、遺伝子工学の基礎を説明できる。
5週 アミノ酸 立体構造式、一文字命名法、pK、pI の算出ができる。
6週 タンパク質の精製 タンパク質の取り扱いや精製法を説明できる。
7週 タンパク質の一次構造 アミノ酸配列(一次構造)決定法を説明できる。
8週 中間試験相当
2ndQ
9週 生化学、天然物化学、創薬のための機器分析の基礎
(HPLC・LC-MSの基礎セミナー)
HPLC・LC-MSの原理が理解できる(外部講師によるセミナー)。情報セキュリティの重要点を意識できる。
10週 タンパク質:三次元構造 超二次構造、ドメイン、フォールディングと安定性の説明可能
11週 タンパク質の機能(免疫系) 抗体(免疫系)と感染症などの関係について説明できる。
12週 複合糖質と生体膜 糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカンなどの複合糖質、膜タンパク質、シグナルペプチド、膜輸送について記述できる。
13週 酵素触媒 酵素反応座標、触媒機構(セリンプロテアーゼ)が説明できる。
14週 酵素の反応速度論、阻害、調節 阻害剤の形式、アロステリック調節、が説明できる。
15週 期末試験
16週 試験の解説
細胞工学と再生医療(時間があれば)
正解の理解
細胞培養、iPS細胞、再生医療、臓器チップ等が理解できる。(時間があれば)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験自学ノート合計
総合評価割合1000100
代謝熱力学・緩衝液10010
遺伝子操作・分析技術20020
アミノ酸,タンパク質精製法・一次配列・立体構造20020
免疫系・複合糖質20020
酵素触媒・速度論20020
機器分析10010