化学プロセス工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学プロセス工学Ⅲ
科目番号 0026 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 未来創造工学科(分野展開・系発展) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:Excelで気軽に化学工学(伊東章、丸善出版、定価2,200円)
担当教員 滝渡 幸治

到達目標

【教育目標】D
化学プロセスの設計、建設、運転、制御、挙動解析で必要とされる、数値解析に基づく意志決定法を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
基礎的な数値計算(二分法)二分法の原理を理解し、プログラ ムを作成して解の算出ができる。二分法のプログラムから解の算出 ができる。二分法を用いた解の計算ができな い。
基礎的な数値計算(掃き出し法)吐き出し法の原理を理解し、プロ グラムを作成して解の算出ができ る。吐き出し法のプログラムを作成し 、解の算出ができる。吐き出し法を用いた解の計算がで きない。
連続棚段式精留塔の理論設計(数値 解析による最適条件の決定)Excelのソルバー機能を用いて、非 線形の多元連立方程式を数値的に 解くことで、精留塔の最適操作条 件を決定できる。また、分離挙動 に及ぼす各種操作因子の影響につ いて説明ができる。 Excelのソルバー機能を用いて、非 線形の多元連立方程式を数値的に 解くことで、精留塔の最適操作条 件を決定できる。Excelのソルバー機能を用いて、精 留塔の最適操作条件を決定できな い。
連続棚段式精留塔の理論設計 (McCabe-Thile法を用いた理論段数の決定)McCabe-Thile法の計算法の原理を理解し、プログラムを作成して与えられた操作条件に合う精留塔の理論段数を算出することができる。McCabe-Thile法のプログラムを作成して与えられた操作条件に合う精留塔の理論段数を算出することができる。McCabe-Thile法のプログラムによる理論段数を計算ができない。
向流式ガス吸収塔の設計シンプソンの積分公式を用いて、 ガス境膜基準総括移動単位数を算 出することができる。また、ガス 吸収塔設計に必要となる物質移動 現象について説明できる。シンプソンの積分公式を用いて、 ガス境膜基準総括移動単位数を算 出することができる。ガス境膜基準総括移動単位数を算 出できない。
多重効用蒸発缶の設計Excelのソルバー機能を用いて物質 収支式と熱収支式を数値的に解き 、多重効用蒸発缶の操作条件を決 定することができる。また、多重 効用缶の原理を適切に説明するこ とができる。Excelのソルバー機能を用いて物質 収支式と熱収支式を数値的に解き 、多重効用蒸発缶の操作条件を決 定することができる。多重効用蒸発缶に関する計算ができない。
粒度分布に関する取り扱い粒度分布解析等を理解できる。ま た、累積粒度分布を用いる意味に ついて適切に説明ができる。粒度分布解析等を理解できる。粒度分布解析ができない。
3次スプライン関数を用いた離散データの円滑補間3次スプラインに関するプログラムを作成し、離散データに適用することができる。また、3次スプライ ンを用いることのメリットを説明 できる。3次スプラインに関するプログラムを作成し、離散データに適用することができる。3次スプラインを用いた補間計算ができない。
連立微分方程式の数値解法ルンゲクッタ法を用いて連立微分 方程式を数値的に解くことができ る。また、ルンゲクッタ法の原理 を説明することができる。ルンゲクッタ法を用いて連立微分 方程式を数値的に解くことができ る。ルンゲクッタ法を用いて連立微分 方程式を数値的に解くことができ ない。
定常熱伝導問題の数値解法Excelの循環参照機能を用いて反復 数値計算を行い、2次元熱伝導の特性が理解できる。また、微分方程 式の差分ができる。Excelの循環参照機能を用いて反復 数値計算を行い、2次元熱伝導の特性が理解できる。2次元熱伝導の特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学プロセス(精留塔、ガス吸収塔、多重効用蒸発缶、非等温回分反応器)に関する非線形型の連立方程式や連立微分方程式をパソコンを用いて数値的に解き、装置設計や操作条件決定のための数値シミュレーションの重要性を理解する。
授業の進め方・方法:
電算室などを利用してプログラミングや数値計算を行い、化学プロセスの設計・運転に関する演習問題に取り組む。
注意点:
【事前学習】
下欄「授業計画」に対応する教科書の内容を事前に読んでおくこと。
【評価方法・評価基準】
この学問はプロセスに計算機を利用し最良のシステム構築を目指すものであり、化学現象および物理現象の理解と合わせて数学および計算機の利用が欠かせない。
・評価は試験100%で行い、総合成績60点以上を単位修得とする。詳細は第1回目の授業で告知する。化学プロセスに現れる様々な問題を数理的構造の側面から理解して、解決する手法が身についたかどうかを評価する。
自学自習をして自己学習レポートを提出すること。自己学習レポートの未提出が、4分の1を超える場合は不合格点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数値計算の必要性 プロセスの予測、設計等に必要となる数値計算の重要性が理解できる。
2週 基礎的な数値計算(二分法) 二分法の数値解析ができる。
3週 基礎的な数値計算(掃き出し法) 掃き出し法を用いた数値計算ができる。
4週 連続棚段式精留塔の理論設計(数値解析による最適条件の決定) Excelのソルバー機能を用いて、非線形の多元連立方程式を数値的に解くことで、精留塔の最適操作条件を決定できる。
5週 連続棚段式精留塔の理論設計(McCabe-Thile法を用いた理論段数の決定) McCabe-Thiele法の計算プログラムを作成し、理論段数を算出することができる。
6週 同上 同上
7週 向流式ガス吸収塔の設計 シンプソンの積分公式を用いて、ガス境膜基準総括移動単位数を算出することができる。
8週 多重効用蒸発缶の設計 Excelのソルバー機能を用いて物質収支式と熱収支式を数値的に解き、多重効用蒸発缶の操作条件を決定することができる。
2ndQ
9週 粒度分布に関する取り扱い 粒度分布解析等を理解できる。
10週 3次スプライン関数を用いた離散データの円滑補間 次スプライン関数を用いた離散データの円滑補間 3次スプラインに関するプログラムを作成し、離散データに適用することができる。
11週 同上 同上
12週 ルンゲクッタ法を用いた連立微分方程式の数値解法(Lotka-Volterraモデル) ルンゲクッタ法の数値計算法について理解し、Lotka-Volterraモデルを数値的に解くことができる。
13週 ルンゲクッタ法を用いた連立微分方程式の数値解法(非等温回分反応器の挙動解析) ルンゲクッタ法を用いて非等温回分反応器に関する連立微分方程式(物質収支と熱収支)を数値的に解き、各種条件における反応挙動を予測することができる。
14週 定常熱伝導問題の数値解法 Excelの循環参照機能を用いて反復数値計算を行い、2次元熱伝導の特性が理解できる。
15週 期末試験
16週 まとめ 期末試験をふまえて、これまでの学習の内容を振り返る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050