バイオマス応用工学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 バイオマス応用工学
科目番号 0011 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配付資料
担当教員 戸谷 一英

到達目標

①バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化
②多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能、病気との関係
③糖鎖構造解析法
を学び、その基礎、応用について理解する。
【教育目標 】D
【学習・教育到達目標 】Dー1
【キーワド 】バイオマス、多糖、オリゴ糖、単糖、エネルギー利用、ナノファイバー、複合糖質、生理的機能、糖鎖構造解析、質量分析、核磁気共鳴法(NMR)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化木質バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化の事例と原理,要素技術が説明できる。木質バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化の事例を示せる。木質バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化の事例が示せない。
②多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能、病気との関係多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能、病気との関係を説明できる。多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能の例を示せる。多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能の例を示せせない。
③糖鎖構造解析法糖鎖構造解析法の手法,原理を記述し,構造解析が行える。糖鎖構造解析法の手法,原理を記述できる。糖鎖構造解析法の手法,原理を記述できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
バイオマスには森林資源、甲殻廃棄物等などが含まれその中心は多糖体であることが多い。本授業では糖のイロハから始め、バイオマス多糖のエネルギー転用、高付加価値化等について学ぶ。一方、病気と関わる糖はしばしば糖鎖や複合糖質と呼ばれ生理活性を有する。後半では糖鎖工学・糖鎖生物学の観点から、糖鎖と病態、ウイルス感染を取り上げ、続いて、糖鎖の構造解析方法を紹介する。
授業の進め方・方法:
・資料を配付しながらPowerPointで講議を行う。
・配付資料の空欄を埋めて、自学自習ノートと一緒に提出すること。
・糖鎖と病気の関係は複雑である。集中力を切らさないように。
・構造解析における強力なツールであるNMRの実習を行う。
注意点:
【事前学習 】「授業項目」に対応する資料の内容を事前に読んでおくこと。また、ノートの前回授業部分を復習しておくこと。
【評価方法・基準 】試験結果(期末試験+課題試験)100%で評価する。詳細は第1回目の授業で告知する。必要な自学自習ノート等の1/4以上が未提出の場合は低点とする。総成績60点以上を単位修得とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 単糖、多糖、複合糖質の基礎 単糖、多糖、複合糖質(糖タンパク質等)を理解できる。
2週 バイオマスの有効利用1 木質系バイオマス多糖の前処理技術を中心にバイオマスの酵素分解、発酵を理解できる。
3週 バイオマスの有効利用2 木質系バイオマス多糖の前処理技術を中心にバイオマスの酵素分解、発酵を理解できる。
4週 バイオマスの有効利用3 バイオマスの高付加価値化など有効利用例を理解できる。
5週 バイオマスの有効利用4 キチンの酵素分解、高付加価値化をできる。
6週 糖鎖工学1:糖鎖(複合糖質)の多様な働き 糖鎖の多様な種類と働きが理解できる。
7週 糖鎖工学2:糖タンパク質 糖タンパク質糖鎖の種類、生合成、機能が理解できる。
8週 糖鎖工学3:糖脂質、プロテオグリカン 糖脂質やプロテオグリカンの種類と病態との関係が理解できる
4thQ
9週 糖鎖工学4:糖結合タンパク質 糖結合タンパク質の種類と機能が理解できる。
10週 糖鎖工学5:糖鎖合成法 人為的な糖鎖合成法を理解できる(有機合成法、酵素法)。
11週 糖鎖の構造解析1 糖鎖の構造解析方法(PA化法、NMR、質量分析法)が理解できる。
12週 糖鎖の構造解析2 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定(背景と実際)
13週 糖鎖の構造解析3 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定(実習)
14週 糖鎖工学6:微生物と糖鎖 インフルエンザウイルスと糖鎖との関係を理解できる。
15週 前期末試験
16週 達成度の点検 試験の講評

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末試験課題試験合計
総合評価割合9010100
バイオマス40040
糖鎖工学30030
糖鎖構造解析20020
各磁気共鳴法01010