バイオマス応用工学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 バイオマス応用工学
科目番号 0011 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配付資料
担当教員 戸谷 一英

到達目標

①バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化
②糖鎖生物学: 多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能、病気との関係
③糖鎖構造解析法
を学び、その基礎、応用について理解する。
【教育目標 】C、D
【学習・教育到達目標 】C-1、D-1
【キーワード 】バイオマス、多糖、オリゴ糖、単糖、エネルギー利用、ナノセルロース、ナノファイバー、糖鎖工学、糖鎖生物学、複合糖質、生理的機能、糖鎖構造解析、質量分析、核磁気共鳴法(NMR)、インフルエンザウイルス、パンデミック

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化木質バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化の事例と原理,要素技術が説明できる。木質バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化の事例を示せる。木質バイオマスのエネルギー利用と高付加価値化の事例が示せない。
②多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能、病気との関係多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能、病気との関係を説明できる。多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能の例を示せる。多糖・オリゴ糖・複合糖質の構造、利用法、機能の例を示せせない。
③糖鎖構造解析法糖鎖構造解析法の手法,原理を記述し,構造解析が行える。糖鎖構造解析法の手法,原理を記述できる。糖鎖構造解析法の手法,原理を記述できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
バイオマスには森林資源、甲殻廃棄物等などが含まれその中心は多糖体であることが多い。本授業では糖のイロハから始め、バイオマス多糖のエネルギー転用、高付加価値化等について学ぶ。一方、糖鎖は病気と深くかかわっており複合糖質と呼ばれ生理機能を有する。後半では糖鎖生物学・糖鎖工学の観点から、糖鎖の生理的機能、病態との関係を取り上げ、続いて、糖鎖の構造解析方法を紹介する。最後にインフルエンザや新型コロナウイルスのパンデミックと感染メカニズム、阻害剤の設計を紹介し、現在拡大している新型コロナウイルスについても考察する。
授業の進め方・方法:
・資料を配付しながらPowerPointで講議を行う。
・配付資料の空欄を埋めて、自学自習ノートと一緒に提出すること。
・糖鎖と病気の関係は複雑である。集中力を切らさないように。
・構造解析における強力なツールであるNMRの実習を行う。Webに繋がった装置の解析などを行うことで情報セキュリティを意識させる。
注意点:
【事前学習 】「授業項目」に対応する資料の内容を事前に読んでおくこと。また、ノートの前回授業部分を復習しておくこと。
【評価方法・基準 】試験結果(期末試験+課題試験)あるいは、課題レポート100%で評価する。必要な自学自習ノート等の1/4以上が未提出の場合は低点とする。総成績60点以上を単位修得とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 単糖、多糖、複合糖質の基礎 単糖、多糖、複合糖質(糖タンパク質等)を理解できる。
2週 バイオマスの有効利用1 木質系バイオマス多糖の前処理技術を中心にバイオマスの酵素分解、発酵を理解できる。
3週 バイオマスの有効利用2 木質系バイオマス多糖の前処理技術を中心にバイオマスの酵素分解、発酵を理解できる。
4週 バイオマスの有効利用3 セルロースナノファイバーの製造方法と物性を理解できる。
5週 バイオマスの有効利用4 ナノファイバーの有効利用の例を理解できる。
6週 糖鎖生物学1:糖鎖(複合糖質)の多様な働き 糖鎖の多様な種類と働きが理解できる。
7週 糖鎖生物学2:糖タンパク質 糖タンパク質糖鎖の種類、生合成、機能が理解できる。
8週 糖鎖生物学3:糖脂質、プロテオグリカン 糖脂質やプロテオグリカンの種類と病態との関係が理解できる
4thQ
9週 糖鎖生物学4:糖結合タンパク質 糖結合タンパク質の種類と機能が理解できる。
10週 糖鎖の構造解析1 糖鎖の構造解析方法(PA化法、NMR、質量分析法)が理解できる。
11週 糖鎖の構造解析2 糖鎖の構造解析方法(PA化法、NMR、質量分析法)が理解できる。
12週 糖鎖の構造解析3 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定(背景と実際)
13週 糖鎖の構造解析4 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定(Webに繋がった装置の解析などを行うことで情報セキュリティを意識する)
14週 ウイルスとパンデミック インフルエンザウイルスと糖鎖との関係、新型コロナウイルスの感染の仕組みを理解できる。
15週 前期末試験
16週 試験の解説 正解の理解

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末試験課題試験合計
総合評価割合1000100
バイオマス50050
糖鎖生物学30030
糖鎖構造解析10010
各磁気共鳴法10010