到達目標
酵素工学は、有用物質生産のために微生物などの酵素を有効に利用する方法であり、遺伝子工学やタンパク質工学と結びついて急速に発展している。本講義では、工業用酵素利用の実態を紹介しながら、糖質関連酵素を中心に酵素工学の基礎と応用を述べる。バイオテクノロジーの要素技術である遺伝子工学に関連するところを重点的に扱う。
【教育目標】D
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
酵素工学基礎 | 酵素工学の目的を説明でき、実用酵素の例を挙げてその性質を記述することができる。また、精製法を記述できる。 | 酵素工学の目的を理解しており、実用酵素の例を挙げることができる。また、精製法の例を挙げることができる。 | 酵素工学の目的を理解していない。実用酵素の例を挙げることができない。また、精製法を挙げることができない。 |
評価項目2
遺伝子工学を利用した酵素改変 | 遺伝子工学の要素技術を説明できる。要素技術を使った酵素の作製の一連の工程をを記述できる。 | 遺伝子工学の要素技術を理解している。要素技術を使った酵素の作製を例示できる。 | 遺伝子工学の要素技術を理解していない。要素技術を使った酵素の作製技術を例示することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
前半で酵素工学を学ぶために必要な基礎知識を、後半で遺伝子工学の基礎を中心にタンパク質工学を講義する。
授業の進め方・方法:
配付資料と教科書にて講義する。教科書は一人一冊貸し出すので購入の必要はない。
注意点:
主にバイオ系出身の学生を対象とする。
【事前学習】
「授業項目」に対応する教科書の内容を事前に読んでおくこと。
【評価方法・評価基準】
試験結果(100%)で評価する。詳細は第1回目の授業で告知する。
酵素学の基礎知識,工業的利用,遺伝子工学を利用した酵素工学の理解の程度を評価する。自学自習を課題として提出すること。課題の未提出が4分の1を越える場合は評価を60点未満とする。60点以上を修得単位とする。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
酵素工学とバイオテクノロジー |
酵素工学の目的を学ぶ
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2週 |
酵素の構造と機能 |
酵素の構造・物性(分子量・等電点)、基質特異性、反応条件、酵素反応の動力学を図・式を交えて記述できる。
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3週 |
酵素の構造と機能 |
酵素の構造・物性(分子量・等電点)、基質特異性、反応条件、酵素反応の動力学を図・式を交えて記述できる。
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4週 |
酵素の製造法 |
酵素の精製法(塩析、溶媒沈殿、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティクロマト)、電気泳動法、を記述できる。
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5週 |
酵素の製造法 |
酵素の精製法(塩析、溶媒沈殿、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティクロマト)、電気泳動法、を記述できる。
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6週 |
固定化酵素とバイオリアクター |
固定化酵素とバイオリアクターの工業利用を記述できる。
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7週 |
工業用酵素の市場と展望 |
酵素の市場、タンパク質工学の概念を図示できる。
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8週 |
遺伝子工学の基礎 |
遺伝子工学の基礎、要素技術を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
酵素のタンパク質工学的改変 |
部位特異的変異を利用した酵素工学を説明できる。
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10週 |
酵素のタンパク質工学的改変 |
進化分子工学を利用した酵素工学を説明できる。
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11週 |
糖加水分解酵素の酵素工学1 |
糖質加水分解酵素の加水分解や糖転移反応の機構を理解できる。
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12週 |
糖加水分解酵素の酵素工学2 |
糖加水分解酵素を例にとり、実例を紹介して理解を深める。
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13週 |
工業利用されている酵素の紹介 |
タンパク質工学の実例研究を説明できる。
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14週 |
ラップトップを用いたデータベース検索 |
データベースを活用し、酵素工学に重要な情報を収集できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
まとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
酵素工学基礎 | 70 | 70 |
遺伝子工学を利用した酵素改変 | 30 | 30 |