デジタル信号処理

科目基礎情報

学校	一関工業高等専門学校	開講年度	平成29年度 (2017年度)
授業科目	デジタル信号処理
科目番号	0002	科目区分	専門 / 選択
授業形態	講義	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	電気情報工学科	対象学年	5
開設期	後期	週時間数	2
教科書/教材	教科書：貴家仁志，”ディジタル信号処理", オーム社　/　教材：オリジナルテキスト（当該科目moodle上に掲載）
担当教員	秋田 敏宏

到達目標

①　アナログ信号からディジタル信号への変換手順を理解できる．
②　システムの伝達関数を求め，システムの安定性を評価できる．
③　周波数解析の原理を理解できる．
④　ディジタルフィルタについて理解し，構成することができる．

【教育目標】　D
【学習・教育到達目標】　D-1

【キーワード】　ディジタル信号，伝達関数，周波数解析，ディジタルフィルタ

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
アナログ信号からディジタル信号への変換手順を理解できる．	標本化・量子化・符号化について理解でき，量子化数に応じた演算をすることができる．	標本化・量子化・符号化について基本事項を理解できる．	標本化・量子化・符号化について基本事項を理解できない．
システムの伝達関数を求め，システムの安定性を評価できる．	z変換により，システムの伝達関数を求めることができ，伝達関数から極と零点を求め，安定性を評価できる．	z変換により，基本的なシステムの伝達関数を求めることができ，伝達関数から極と零点を求めることができる．	z変換により，基本的なシステムの伝達関数を求めることができない．または，伝達関数から極や零点を求める方法を理解できていない．
周波数解析の原理を理解できる．	DFT，FFTの原理を理解でき，サンプリングとエイリアシングの関係性について数学的に理解できている．	DFT，FFTの原理を理解でき，その基本問題を解くことができる．	DFT，FFTの原理を理解できていない．
ディジタルフィルタについて理解し，構成することができる．	FIRフィルタ，IIRフィルタの特徴を理解でき，フィルタを加算器・乗算器・遅延器で構成することができる．	FIRフィルタ，IIRフィルタの特徴を理解できる．	FIRフィルタ，IIRフィルタの特徴を理解できていない．

教育方法等

概要:

　ディジタル信号処理は，音声や画像，各種センサ入力に対する解析など，幅広く利用されている．これらの基本となる考え方を習得するとともに，演習を通じて具体的な信号処理の実現方法を理解することが目的です．

授業の進め方・方法:

・　授業資料はmoodle上の本科目のサイトよりダウンロードして事前にその内容を読んでおくこと．その授業資料を中心に授業を進めます．
・　ディジタル信号処理の実例として，基本的な画像処理についての課題を与える．
・　授業開始時までに各自PCを起動しておくこと．

注意点:

　画像処理の課題は，C言語によるプログラミングがあります．C言語のプログラミングについては十分に復習しておくこと．なお，課題点として評価します．

【事前学習】
・　教科書と事前公開している授業資料の内容を確認し，教科書の太字で書かれている重要語句は和名・英語名・意味を含めて確認しておくこと．
・　フーリエ級数やラプラス変換などの数学的知識が必要となるため，十分に予習しておくこと．

【評価方法・評価基準】
　試験（80％），課題（20%）で評価する．詳細については，第1回目の授業で告知する．ディジタル信号処理において必要不可欠な数学的知識を活用した信号処理に関する内容の理解とその習熟の程度を評価する．以上に加えて，自学自習課題を課すので自己学習レポートとして提出すること．自己学習レポートの未提出が4分の1を超える場合には，評価を60点未満とする．総合成績60点以上を単位修得とする．

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	ディジタル信号処理とは	標本化について理解できる．
		2週	ディジタル信号処理とは	量子化について理解できる．離散時間信号表現について理解できる．
		3週	信号処理システム	たたみ込みについて理解できる．
		4週	z変換とシステムの伝達関数	システムの伝達関数を求めることができ，システムを加算器・乗算器・遅延器で構成することができる．
		5週	z変換とシステムの伝達関数	伝達関数から極，零点を求めることができる．
		6週	z変換とシステムの伝達関数	システムの安定性について理解し，安定性を判断できる．
		7週	【課題演習】画像処理	ディジタル信号処理の一例として，簡単な画像処理のアルゴリズムを実装し，その結果について考察することができる．
		8週	中間試験
	4thQ
		9週	信号の周波数解析	離散時間フーリエ変換について理解できる．
		10週	信号の周波数解析	サンプリング定理について理解できる．
		11週	高速フーリエ変換と窓関数	高速フーリエ変換のアルゴリズムを理解できる．
		12週	高速フーリエ変換と窓関数	窓関数について理解できる．
		13週	ディジタルフィルタ	FIRフィルタについて理解できる．
		14週	ディジタルフィルタ	IIRフィルタについて理解できる．
		15週	期末試験
		16週	まとめ	ディジタル信号処理について振り返る．

評価割合

	試験	課題	合計
総合評価割合	80	20	100
基礎的能力	0	0	0
専門的能力	80	20	100
分野横断的能力	0	0	0