無機化学実験

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機化学実験
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:配布資料,参考書:化学(竹内 敬人他,東京書籍),フォトサイエンス化学図録(数研出版),はじめての化学実験(西山隆造他、オーム社)
担当教員 大嶋 江利子,木村 寛恵

到達目標

① 基本的な無機化合物の合成手法と一連の化学反応について,実験を通して理解することができる。
② 実験で用いる器具の取り扱い,実験装置の組み立て方法を理解し,実際にできるようになる。
③ 実験で用いた金属および無機化合物の性質を理解し,安全で適切な取り扱いができるようになる。
④ 実験ノートを使って予習,実験の記録,収率の計算および結果のまとめと考察を行い,それを基に適切な報告書を作成できる。

【教育目標】C,D,E

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
① 基本的な無機化合物の合成手法と一連の化学反応について,実験を通して理解することができる。実験で取り扱った無機化合物の合成手法において,そのれを構成する化学反応について化学反応式と化学反応の種類を説明でき,構成元素や性質のよく似た他の化合物の合成方法を予想することができる。実験で取り扱った無機化合物の合成手法において,そのれを構成する化学反応について化学反応式と化学反応の種類を説明できる。実験で取り扱った無機化合物の合成手法において,そのれを構成する化学反応について化学反応式と化学反応の種類を理解できない。
② 実験で用いる器具の取り扱い,実験装置の組み立て方法を理解し,実際にできるようになる。実験で用いる器具の取り扱い,実験装置の組み立て方法を理解し,組み立てることができ,組み立て方を説明できて,似たような他の装置の使い方も予想できる。実験で用いる器具の取り扱い,実験装置の組み立て方法を理解し,組み立てることができ,組み立て方を説明できる。実験で用いる器具の取り扱い,実験装置の組み立て方法を理解できず,組み立てられない。
③ 実験で用いた金属および無機化合物の性質を理解し,安全で適切な取り扱いができるようになる。実験で用いた金属および無機化合物の性質を理解し,安全で適切な取り扱いがでいができ,それらを説明できる。さらに,性質のよく似た他の化合物の取り扱いについても理解できる。実験で用いた金属および無機化合物の性質を理解し,安全で適切な取り扱いができ,それらを説明できる。実験で用いた金属および無機化合物の性質が理解できず,安全で適切な取り扱いができない。
④ 実験ノートを使って予習,実験の記録,収率の計算および結果のまとめと考察を行い,それを基に適切な報告書を作成できる。実験ノートを使って予習,実験の記録,収率の計算および結果のまとめと考察を行い,それを基に適切な報告書を作成でき,指定の期日までに提出できる。さらに応用的な実験を考えることができる。実験ノートを使って予習,実験の記録,収率の計算および結果のまとめと考察を行い,それを基に適切な報告書を作成でき,指定の期日までに提出できる。実験ノートを使って予習,実験の記録,収率の計算および結果のまとめと考察を行い,それを基に適切な報告書を作成することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年の定性分析,2年前期の定量分析実験を土台にし,授業の内容を実験で確認しながら無機物質の合成を行う。実験を通して,基本的な無機化学反応について理解を深め,実験で扱う無機物質および実験器具を安全に適切に扱えるようにする。
授業の進め方・方法:
初回の説明以外は,実験室で行う。実験は配布資料に従って,2人または3人一組で行う。テーマ1は全員で同時に行うが,テーマ2~6は4組ずつ異なるテーマに取り組み,順にローテーションしていく。下の授業計画は,その一例である。
事前に十分な予習を行い,安全に気をつけて実験すること。実験室では白衣と保護メガネを常に着用し,靴は上履きに履き替えること。実験中は,教員および技術職員の指示に従うこと。
注意点:
授業の概要,注意事項,実験ノートの使い方,報告書の書き方について初回に説明する。テーマ毎に報告書の提出,および全テーマ終了後に実験ノートの提出を求める。

【事前学習】
配布資料をよく読んで,実験ノートに予習をしてくること。実験の目的,反応の原理,薬品や実験器具の種類や取り扱い方法などを,初回の指示に従い,参考書等も活用して実験ノートにまとめておくこと。

【評価方法・評価基準】
報告書と実験ノート(80%),態度(20%)で評価する。詳細については初回の授業で説明する。総合成績60点以上を単位修得とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験概要の説明,実験台と実験器具の確認 実験の概要が理解できる。実験に必要な器具が理解できる。実験ノートの使い方と報告書の書き方が理解できる。
2週 テーマ1 アルミニウムミョウバンの製造 金属アルミニウムからアルミニウムミョウバンの製造法が理解できる。
3週 テーマ1 アルミニウムミョウバンの製造 再結晶による固体の精製ができる。
4週 テーマ2 炭酸ナトリウムの製造 アンモニアソーダ法による炭酸ナトリウムの製造法が理解できる。実験装置を組み立てることができる。
5週 テーマ2 炭酸ナトリウムの製造 アンモニア水からのアンモニアの導入ができる。キップの装置を使って気体を発生させることができる。
6週 テーマ2 炭酸ナトリウムの製造 炭酸塩と炭酸水素塩の性質の違いが理解できる。
7週 テーマ3 硫酸銅の製造 金属銅から硫酸銅の製造法が理解できる。硫酸銅五水和物の再結晶ができる。
8週 テーマ3 硫酸銅の製造 結晶水の定量ができる。銅イオンの性質がわかる。
4thQ
9週 テーマ4 酸化亜鉛の製造 金属亜鉛から酸化亜鉛の製造法が理解できる。イオン化傾向の差を利用して金属を析出させることができる。
10週 テーマ4 酸化亜鉛の製造 イオン化傾向に基づくイオンの反応が理解できる。酸化亜鉛の性質がわかる。
11週 テーマ5 クロム酸カリウムと二クロム酸カリウムの製造 英語のテキストを基に実験できる。クロムの酸化数の変化と反応が理解できる。
12週 テーマ5 クロム酸カリウムと二クロム酸カリウムの製造 クロム酸カリウムと二クロム酸カリウムの性質の違いを理解できる。
13週 テーマ6 鉄アンモニウムミョウバンの製造 金属鉄から鉄アンモニウムミョウバンの製造が理解できる。温時ろ過とアルコールを用いた無機物の結晶化ができる。
14週 テーマ6 鉄アンモニウムミョウバンの製造 鉄の酸化数の変化の反応が理解できる。鉄の酸化数の違いによる性質の違いが理解できる。
15週 実験室の後片づけ,達成度の点検 実験室の清掃と整理整頓ができる。無機化学実験の総括ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

報告書・実験ノート態度合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030