化学プラント設計

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 化学プラント設計
科目番号 0005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配付のプリント資料
担当教員 梁川 甲午

到達目標

1.蒸留に関する基礎的な事項を理解し、計算できる。
2.精留の原理の概要を理解し、精留塔の段数と塔径の設計の考え方を理解する。
3.熱交換器(全縮器)の設計の考え方を理解する。
4.精留プロセスの制御の基本を理解する。"

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラウールの法則、レイリーの式など蒸留の基礎的計算ができ、関連する用語を適切に説明できる。 左記の事柄について説明と計算がある程度できる。 左記のことがあまりできない。
評価項目2再蒸留と分縮を含む精留塔の一段で起こる変化など精留塔の原理、操作線の式、q線の物質収支、平衡関係と操作線に基づく階段作図を説明できるなど、精留塔の理論段数が適切に設計できる。 左記の事柄について説明と計算がある程度できる。 左記のことがあまりできない。
評価項目3精留塔の許容蒸気速度、運転費と固定費、最適還流比の概念を説明、仮定に基づく計算ができるなど、精留塔の塔径が適切に設計できる。 左記の事柄について説明と計算がある程度できる。 左記のことがあまりできない。
評価項目4トレイ構造、溢流部の積の面積など、溢流部の基本的設計が適切にでき、泡鐘塔の異常現象が説明できる。 左記の事柄について説明と計算がある程度できる。 左記のことがあまりできない。
評価項目5塔頂蒸気を凝縮する全縮器の設計に必要な基本的な事柄を理解し、適切に説明、計算ができる。 左記の事柄について説明と計算がある程度できる。 左記のことがあまりできない。
評価項目6精留プロセスの流れが分かり、その制御に必要な基本的な事柄を理解し、適切に説明できる。 左記の事柄について説明と計算がある程度できる。 左記のことがあまりできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
大規模な精留塔を中心とする精留プロセスの設計を行う。学んだ化学工学の知識がどのように活かされるか、設計の鍵となる事項が存在すること、経済収支の考え方などを理解する。5年の精留プラントの実習実験と相俟って化学プラントの理解を深める。
授業の進め方・方法:
3年生の単位操作で学習した蒸留と伝熱をベースとする。学生個々に異なる条件で設計を行う。見やすい設計ノート(B5版の綴じたもの)を作成し、提出する。確実に計算を積み上げること、
そのために結果の妥当性を常にチェックすることが重要である。電卓を持参すること。
注意点:
毎回、事前に配付プリントに目を通しておくこと。
評価は、試験成績50%、設計課題50%で行い、総合評価60点以上を合格とする。専用ノートを設計書として完成する。課題評価は年数回、ノートの提出を求めて行う。提出期限の順守状況、設計の達成・進捗状況・見やすさ・体裁・正確さ、工夫点などを評価対象とする。設計ノートや作図などの課題提出は単位認定の必須要件である。設計ノートを完成提出しない場合は総合評価を60点未満とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目の概要、精留プロセスの設計条件と物質収支 科目の概要と自分の設計条件を説明でき、精留塔全体の物質収支が計算できる
2週 ギブスの相律、ラウールの法則、気液平衡関係 気液平衡関係の重要な規則を説明でき、計算ができる。
3週 単蒸留とレイリー式 単蒸留が説明でき、留出率と留出液の平均組成の関係を計算できる。
4週 再蒸留と分縮、精留の原理 精留の原理の概要を説明できる。
5週 精留塔の濃縮部と回収部の操作線の式とq線 操作線の式とq線の意味を説明できる。
6週 McCabe-Thieleの階段作図法と理論段数 気液平衡関係を描き、階段作図により理論段数を求められることを説明できる。
7週 McCabe-Thieleの階段作図、理論段数と還流比の関係 最小還流比を求め、還流比毎に階段作図を行い、理論段数と還流比の関係を求めることができる。
8週 許容蒸気速度の計算と塔内径の計算 許容蒸気速度の意味が解って計算ができ、塔内径の設計との結びつきを説明できる。
4thQ
9週 スチームコストから運転費の計算と固定費の計算 運転費と固定費の計算の根拠を説明でき、計算ができる。
10週 最適還流比の決定と精留塔のまとめ 最適還流比の意味が分かり、精留塔のまとめができる。
11週 溢流部とトレイ構造、脈動のチェック 溢流部の設計ができ、トレイダイナミックスの一つとして脈動のチェックができる。
12週 全縮器の設計の流れ 全縮器設計に必要な流れが説明できる。
13週 全縮器の設計の収束計算 全縮器の設計の意味が解って収束計算ができ、全縮器のまとめができる。
14週 精留塔の計測制御とプロセスフローシート 精留塔の圧力、流量、温度、流量などの計測制御とプロセスフローシートが説明できる。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力2000020040
専門的能力3000030060
分野横断的能力0000000