生化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生化学Ⅰ
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:ヴォート 基礎生化学 第3版(D. VOETら、東京化学同人)
担当教員 戸谷 一英,渡邊 崇

到達目標

5年生の生物工学実験実習の基礎概念となる、
①遺伝子操作・分析技術、
②タンパク質の精製・分析法,機能、
③酵素触媒機構と反応動力学、
を重点的に理解する。
【教育目標 】D
【学習・教育到達目標 】Dー1
【キーワド 】代謝熱力学、緩衝液、遺伝子操作・分析技術、酵素精製法、タンパク質のフォールディング、免疫、複合糖質、膜輸送、酵素触媒機構、酵素反応速度論

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①遺伝子操作・分析技術遺伝子操作・分析技術の原理と事例を説明できる。遺伝子操作・分析技術の原理を説明できる。遺伝子操作・分析技術の原理が説明できない。
②タンパク質の精製・分析法,機能タンパク質の精製・分析・配列解析法の原理,および,免疫を例にタンパク質の機能が説明できる。タンパク質の精製・分析法の原理が説明できる。タンパク質の精製・分析法の原理が説明できない。
③酵素触媒機構と反応動力学酵素触媒機構と,ミカエリス・メンテン式,Km,Vmax,競合阻害など,反応動力学の詳細が説明できる。酵素触媒機構と,ミカエリス・メンテン式,Km,Vmaxの意味が説明できる。酵素触媒機構と,ミカエリス・メンテン式,Km,Vmaxの意味が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次で学習した生物工学概論の続きであるが、5年生の生物工学実験実習の基礎概念となる、
①遺伝子操作・分析技術、
②タンパク質の取り扱い・精製法、
③酵素触媒機構と反応動力学、
などバイオテクノロジー(生物工学)の要素技術に関連するところを重点的に紹介する。その他、タンパク質の立体構造、免疫系、複合糖質、膜輸送などのトピックスについても紹介する。
授業の進め方・方法:
配付資料にて講義する。生化学を通して生体分子や生物資源を取り扱う技術者に必要な基礎知識を身につける。5年次に生物工学実験実習を行うときに役立つ知識や技術を身につける。自学自習ノートを作成し、復習や演習問題を自学自習の課題として学習し、必要に応じて提出すること。
注意点:
【事前学習 】「授業項目」に対応する資料の内容を事前に読んでおくこと。また、ノートの前回授業部分を復習しておくこと。
【評価方法・基準 】試験結果で100%で評価する。詳細は第1回目の授業で告知する。自学自習ノート等が未提出の場合は低点とする。総成績60点以上を単位修得とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生 命 細胞と生体分子の関係が説明できる。
2週 水の性質 ヘンダーソン・ハッセルバルヒ式、緩衝液の原理を説明できる。
3週 遺伝子工学の基礎1 塩基配列決定法、PCR法など要素技術を説明できる。
4週 遺伝子工学の基礎2 遺伝子のクローニングと発現、遺伝子工学の基礎を説明できる。
5週 アミノ酸 立体構造式、一文字命名法、pK、pI の算出ができる。
6週 タンパク質の精製 タンパク質の取り扱いや精製法を説明できる。
7週 タンパク質の一次構造 アミノ酸配列(一次構造)決定法を説明できる。
8週 タンパク質:三次元構造 超二次構造、ドメイン、フォールディングと安定性の説明可能
2ndQ
9週 タンパク質の機能(免疫系) 抗体(免疫系)について説明できる。
10週 複合糖質 糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカンなどの複合糖質について記述できる。
11週 生体膜 膜タンパク質、膜の不均一性、シグナルペプチド仮説、膜輸送説明可能
12週 酵素触媒 酵素反応座標、触媒機構(セリンプロテアーゼ)が説明できる。
13週 酵素の反応速度論、阻害、調節 阻害剤の形式、アロステリック調節、が説明できる。
14週 総合学習 これまでの復習と演習
15週 期末試験
16週 達成度の点検 試験の講評

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験自学ノート合計
総合評価割合1000100
代謝熱力学・緩衝液10010
遺伝子操作・分析技術30030
アミノ酸,タンパク質精製法・一次配列・立体構造20020
免疫系・複合糖質20020
酵素触媒・速度論20020