生物工学実験実習

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 生物工学実験実習
科目番号 0010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 生物工学実験実習指針書 一関工業高等専門学校物質化学工学科
担当教員 渡邊 崇,中川 裕子

到達目標

各実験テーマについて,
①目的・理論を理解できる。
②データを整理し,結果の評価と考察をレポートにまとめることができる。
③実験装置等の原理・構造を理解し,正しく取り扱うことができる。
④共同作業ができる。
【教育目標】 A, C, D, E
【学習・教育到達目標】 A-2, C-3, D-2, E-2

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 酵素機能解析と酵素反応速度論反応時間と酵素活性の関係を理解し、自身で調整した試薬を用いて酵素反応速度に特有の定数を求めることができる。また、阻害物質の影響について理解できる。自身で調整した試薬を用いて酵素反応速度に特有の定数を求めることができる。また、阻害物質の影響について理解できる。自身で試薬の調整ができない。酵素反応速度に特有の定数を求めることができない。また、阻害物質の影響について理解していない。
評価項目2 遺伝子工学実験の基礎大腸菌の形質転換を行い、得られた形質転換体から組換えDNA抽出する原理を理解できる。電気泳動を行い、検量線から分子量を見積もることができる。形質転換体から組換えDNAを抽出することができる。電気泳動を行い、検量線を作成することができる。形質転換体から組換えDNAを抽出する原理を理解していない。電気泳動の結果から検量線を作成することができない。
評価項目3 酵素の精製自身で調整した試薬を用いて塩析によるタンパク精製を行い、定量することができる。酵素の比活性の計算及び精製表の作成ができる。塩析によるタンパク精製を行うことができる。酵素の比活性の計算もしくは精製表の作成ができる。塩析によるタンパク精製ができない。酵素の比活性の計算・精製表の作成ができない。
評価項目4 PCR実験 DNA抽出の原理を理解し、実際に抽出することができる。PCRの原理を理解し、反応を行って、遺伝子型を判別することができる。DNA抽出を行うことができる。PCR反応を行い、電気泳動の結果から、遺伝子型を判別することができる。DNA抽出の原理がわからない。PCR反応を行うことができず、遺伝子型に関しても理解していない。
評価項目 SDS-PAGEと動物細胞取り扱いの基礎SDSによるタンパク変性の仕組みを理解し、泳動の結果から検量線を作成して分子量を見積もることができる。動物線維芽細胞の継代、培養を行って細胞播種量を算出できる。SDSによるタンパク泳動の結果から検量線を作成して分子量を見積もることができる。動物線維芽細胞の継代、培養を行うことができる。SDSによるタンパク泳動の結果から検量線を作成することができない。動物細胞の継代について理解しておらず、培養ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物工学等の授業で学ぶ内容について、実験を行って現象を観察し、より確かな知識とする。
授業の進め方・方法:
最初の2単位時間でガイダンスを行う。その後は各自予め決められたスケジュールに従い、2~4人を1グループ,3週/1テーマとして、5つのテーマについて実験する。
各テーマのグループ割り振りについては、ガイダンス時に知らせる。授業計画にはスケジュールの一例を示した。各テーマの実験時間は、6単位時間(2単位時間/日×3日) とする。
実験場所はC新棟2階生物工学実験室教室である。実験指針、筆記用具、グラフ電卓、グラフ用紙、実験ノート、白衣、保護メガネを持参する。
各テーマの実験初日前半に実験ノート(目的、試薬調製の計算、測定事項等の箇条書き、および課題の解答など) を作成し、それ以降は直ちに実験に入る。
注意点:
実験中は必ず保護メガネ及び白衣を着用し、履物はサンダル及びヒールは不可とする。
実験レポートは、各テーマの最終日から1週間以内に提出する。単位習得のためには5テーマ全てのレポート提出が必要である。そのためには、計画的にレポート作成を進める能力が要求される。なお、各テーマの実験に入る前に、実験指針書の該当ページを熟読しておくこと。
レポート(100%) で評価する。詳細は第1 回目の授業で知らせる。総合成績60 点以上を単位修得とする。
レポートの評価は、期限、体裁、結果の整理法、グラフ、課題の達成度、考察等に基づいて行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
全実験テーマに関して内容説明を行う。また、評価方法を知らせる。
全実験テーマについての進め方及び概要を理解できる。
2週 酵素機能解析と酵素反応速度論① 実験ノートの作成・課題を解くことができる。実験に必要な試薬の調整ができる。
3週 酵素機能解析と酵素反応速度論② 反応時間と酵素活性の関係が理解できる。酵素の最適温度の測定ができる。
4週 酵素機能解析と酵素反応速度論③ 酵素反応速度に特有の定数を求めることができる。阻害物質の影響について理解できる。
5週 遺伝子工学実験の基礎① 実験に必要な試薬の調整ができる。大腸菌の形質転換ができる。
6週 遺伝子工学実験の基礎② 形質転換体からの組換えDNA抽出方法の原理を理解できる。
7週 遺伝子工学実験の基礎③ DNAのゲル電気泳動ができ、検量線から分子量を見積もることができる。
8週 酵素の精製① 実験に必要な試薬の調整ができる。抽出液の調整ができる。
2ndQ
9週 酵素の精製② 塩析による精製と、色素結合法によるタンパク定量ができる。
10週 酵素の精製③ 酵素の活性測定ができる。比活性の計算と精製表の作成ができる。
11週 PCR実験① DNA抽出の原理を理解し、自分の細胞からDNAを抽出できる。
12週 PCR実験② PCRの原理を理解し、実際に反応を行うことができる。
13週 PCR実験③ DNAのゲル電気泳動ができ、遺伝子型を判別することができる。
14週 SDS-PAGEと動物細胞取り扱いの基礎① SDSによるタンパク変性の仕組みを理解し、SDS-PAGEによるタンパクの分離ができる。
15週 SDS-PAGEと動物細胞取り扱いの基礎② 検量線を作成し、分子量を見積もることができる。動物細胞の継代の流れを理解できる。
16週 SDS-PAGEと動物細胞取り扱いの基礎③ 線維芽細胞の継代、培養ができる。細胞播種量を算出できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
レポート内容100100