反応工学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 反応工学
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:反応工学(草壁克己ら、三共出版、定価2,700円)、参考書:反応工学(橋本健治、培風館、定価3,132円)
担当教員 福村 卓也

到達目標

教育目標:D、学習・教育到達目標:D-1
・反応速度論の基礎を理解し、管型反応器やCSTRの設計および操作に関する種々の計算を行うことができる。
・反応に応じて管型反応器やCSTRを用いた最適反応システムを構築できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
反応工学と反応速度閉じた系の物質収支式を立て、そこから反応速度式を導出できる。閉じた系の物質収支式を立てることができる。閉じた系の物質収支式を立てることができない。
不可逆反応の反応速度1次反応や2次反応を反応速度式で表し、反応速度定数や反応次数の効果を理解できる。1次反応や2次反応を反応速度式で表すことができる。1次反応や2次反応を反応速度式で表すことができない。
不可逆反応の各種定数の決定反応速度定数および反応次数の推算法である積分法、微分法、半減期法などの原理および特徴を適切に説明することができる。反応速度定数および反応次数の推算法である積分法、微分法、半減期法などの原理を説明することができる。反応速度定数および反応次数の推算法である積分法、微分法、半減期法などの原理を説明することができない。
複合反応の反応速度(併発反応)併発反応の反応速度式を立てその反応挙動の特徴を適切に説明できる。また、活性化エネルギーにより適切な温度操作条件があることを理解できる。併発反応の反応速度式を立てその反応挙動の特徴を適切に説明できる。併発反応の反応速度式を立てその反応挙動の特徴を説明できない。
複合反応の反応速度(逐次反応)逐次反応の反応速度式を立てその反応挙動の特徴を適切に説明でき、各素反応過程の反応速度定数ならびに中間生成物の最大濃度を達成する時間を算出できる。逐次反応の反応速度式を立てその反応挙動の特徴を適切に説明できる。逐次反応の反応速度式を立てその反応挙動の特徴を適切に説明できない。
体積変化反応と可逆反応の反応速度定圧条件における閉じた系について、反応体積の変化する反応について物質収支式を立て、反応に関与する成分の濃度を導出できる。定圧条件における閉じた系について、反応体積の変化する反応について物質収支式を立てことができる。定圧条件における閉じた系について、反応体積の変化する反応について物質収支式を立てことができない。
管型流通式反応器と槽型流通式反応器の設計管型流通式反応器と槽型流通式反応器(CSTR)に関する物質収支式を立てることができ、設計方程式から各種計算ができる。また、管型反応器とCSTRの特徴を図を描いた上で説明することができる。管型流通式反応器と槽型流通式反応器(CSTR)に関する物質収支式を立てることができる。管型流通式反応器と槽型流通式反応器(CSTR)に関する物質収支式を立てることができない。
管型反応器と槽型反応器を連結した反応システム自己触媒反応の最適反応システムについて、その理由を反応率と反応速度の逆数の曲線を用いて適切に説明ができる。自己触媒反応の最適反応システムについて、その理由を反応率と反応速度の逆数の曲線を用いて説明ができる。自己触媒反応の最適反応システムの特徴を説明することができない。
リサイクル型反応器リサイクル反応器が2つの直列のプロセスからなることを理解し、その特徴と反応器体積の算出方法について適切に説明ができる。リサイクル反応器が2つの直列のプロセスからなることを理解し、その特徴を説明することができる。リサイクル反応器の特徴を説明することができない。
多段の反応器を連結した反応システム自触媒反応について、小型のCSTRを複数用いた反応システムを図を用いて説明することができる。また、直列に繋ぐ場合が管型反応器に相当しと並列に並べる場合は大型のCSTRと同等の効果があることを理解し説明することができる。自触媒反応について、小型のCSTRを複数用いた反応システムを図を用いて説明することができる。自触媒反応について、小型のCSTRを複数用いた反応システムを模式図を描くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
反応装置の設計を目的に、初歩的な反応速度論から速度定数、反応次数の求め方、モデル化した各種反応器の基本的な設計方法を学習する。
授業の進め方・方法:
板書中心の授業で進める。定期的に課題を出すので、正規の授業時間外に課題に取り組むことが求められる。
注意点:
事前学習
・下欄「授業項目」に対する教科書の内容を事前に読んでおくこと。
・物質収支式として微分方程式を多用し、またその積分計算が必要となるので、微分積分学を十分復習する必要がある。

評価方法
・評価は試験100%で行い、総合成績60点以上を単位修得とする。詳細は第1回目の授業で告知する。各種反応の反応機構(反応速度定数、反応次数)の解析、モデル化した各種反応器の基本設計に関する理解の程度を評価する。課題を与えるので自己学習をしてレポートを提出すること。提出を求めた課題等に対して未提出が4分の1を超える場合は評価を60点未満とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 反応工学と反応速度 反応工学の概要と使用される用語の定義、反応速度、反応次数の定義が理解できる。
2週 不可逆反応の反応速度 単一不可逆反応の微分型速度式、および積分型速度式の導出と与えられたデータから各種定数の算出ができる。
3週 不可逆反応の各種定数の決定 与えられたデータから反応速度定数、活性化エネルギー、反応次数等の算出ができる。
4週 複合反応の反応速度(併発反応) 併発反応の速度式から積分形を導出できると共に、与えられたデータから各種定数の算出ができる。
5週 複合反応の反応速度(逐次反応) 逐次反応の速度式から積分形を導出できると共に、与えられたデータから各種定数の算出ができる。
6週 同上 同上
7週 体積変化反応と可逆反応の反応速度 体積変化を伴う反応と可逆反応に関する速度式を構築して積分形を導出できると共に、与えられたデータから各種定数の算出ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 管型流通式反応器と槽型流通式反応器の設計 管型反応器、槽型流通式反応器における物質収支式から基礎設計方程式の導出、および与えられたデータから反応器の必要体積、空間時間を算出できる。また、多段槽型流通式反応器の特徴が理解できる。
10週 同上 同上
11週 管型反応器と槽型反応器を連結した反応システム 自触媒反応について、連続反応器を組み合わせた最適反応システムの構築ができる。
12週 同上 同上
13週 リサイクル型反応器 管型反応器に循環流れを導入したリサイクル型反応器の特徴が理解できる。
14週 多段の反応器を連結した反応システム 多段の槽型反応器を連結した反応システムの特徴を理解できる。
15週 達成度の点検
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験100合計
総合評価割合100100
基礎的能力6060
専門的能力4040