概要:
これまで学んできた単位操作,物理化学および生物工学をはじめとする化学工学の学問に含まれる理論と実際の現象との関係を生きた知識として体得し,各講義の理解をさらに深めるために行なう。また,生物工学の基礎的操作に慣れることを目的とする。
授業の進め方・方法:
2~4人を1グループ,3週/1テーマとし,以下の14テーマ中8テーマについて実験を行なう。
各テーマのグループ割り振りについては,ガイダンス最終日にお知らせする。
教室にて出欠確認後,筆記用具,グラフ電卓,実験ノート,グラフ用紙,保護メガネを持参して各テーマの実験場所へ移動する。
<実験テーマ>
1.管内の圧力損失と流量
2.フィルタープレス
3.ガス流量検定と気系流動層
4.ボールミルによる粉砕
5.円管内の境膜伝熱係数の測定
6.熱放射率・放射伝熱量及び熱伝導度の測定
7.濡壁塔による水の蒸発
8.かくはんと溶解
9.分配率
10.気液平衡蒸留と単蒸留
11.電子技術の基礎と放射線の測定
12.タンパク質の定量
13.微生物取扱いの基礎
14.微生物の利用‐発酵産物の単離‐
なお,実施場所はC科実習工場,6号棟1階プロセス工学実験室,6号棟2階生物工学実験室である。
注意点:
実験ノート(A4)に予習内容を記述しておくこと。レポートは提出期限を厳守して全レポートを提出すること。実験中は必ず保護メガネ及び作業着(または白衣)を着用し,履物はズックまたは革靴とする。
【評価方法・評価基準】
レポート(60%)及びノート(40%)で評価する。詳細は第1回目のガイダンスで告知する。レポートの詳細な評価基準は各テーマにより異なるが,目的,理論,方法,実験データの記述,結果の評価・考察内容を総合的に評価する。また,ノートは課題等の取り組み(Aレポート),予習,実験データの記録とまとめ方を評価する。総合成績60点以上を単位修得とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | 後13 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 後13 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | 後13 |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | 後13 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 4 | |
微生物の育種方法について説明できる。 | 4 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 4 | |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | |