到達目標
・結晶の理想強度に対し,実際の金属の強度は非常に小さいことを定量的に説明することができる。
・塑性変形と転位の関係を理解し,応力と転位に働く力,転位の運動に対する抵抗を説明することができる。
・金属における拡散現象を理解し,金属材料の諸性質に対する拡散の役割を説明することができる。
【教育目標】D
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 実際の金属材料の変形機構をミクロの視点から理解し説明することができる。 | 実際の金属材料の変形機構を定性的に理解し説明することができる。 | 実際の金属材料の変形機構を説明することができない。 |
評価項目2 | マクロ的な塑性変形と,ミクロ的な転位運動を関連付けて説明することができる。 | 転位の諸性質を説明することができる。 | 塑性変形と転位運動を関連付けて考えることができない。 |
評価項目3 | 金属における拡散現象を理解し,アレニウスの式で説明することができる。 | 金属における拡散現象が関係している例を挙げることができる。 | 金属における拡散現象を説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
構造物を構成する材料を選定する場合は,以下の二点が重要となる。
①その材料が要求される性能を満たしているかどうかをできるだけ的確に判定し,定量的な評価を加えて設計に反映させること。
②その材料が発現する特性が,どのような微視的な機構に基づいているかを組織や結晶構造にたちいって理解すること。
この授業では,力学的立場から材料の性能を的確に評価するために知らなければならないことを総合的に解説するとともに,材料の強さについて原子およびそれの規則的配列をした結晶構造のような微視的な世界にたちいって基礎的理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
パワーポイントを用いた座学形式の授業とする。
注意点:
【事前学習】
できるだけ授業前に資料をTeams等にアップロードするので,一読してから授業を聴くのが望ましい。
【評価方法・評価基準】
材料強度についての基礎的な知識の理解度を評価する。
試験100%で評価する。
60点以上で単位修得とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
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2週 |
結晶の理想強度 |
原子間に働く力を説明できる。 結晶の理想強度について説明できる。
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3週 |
応力集中とクラック |
クラックと塑性変形の関係について説明できる。
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4週 |
結晶の塑性変形1 |
塑性変形機構について説明できる。
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5週 |
結晶の塑性変形2 |
すべり変形の転位論について説明できる。
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6週 |
金属における拡散現象1 |
結晶格子中における原子の拡散機構について説明できる。
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7週 |
金属における拡散現象2 |
拡散形態と温度依存性について説明できる。
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8週 |
合金の相変態と組織1 |
相律と平衡状態図について説明できる。
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4thQ |
9週 |
合金の相変態と組織2 |
時効およびマルテンサイト変態について説明できる。
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10週 |
金属材料の強化法1 |
加工硬化,粒界による強化,固溶体硬化について説明できる。
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11週 |
金属材料の強化法2 |
析出硬化および分散強化,繊維強化について説明できる。
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12週 |
鋼の熱処理1 |
Fe-C系平衡状態図を説明できる。 等温変態線図を説明できる。
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13週 |
鋼の熱処理2 |
鋼の各種熱処理について説明できる。
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14週 |
環境と強度 |
クリープ,疲労,水素ぜい化,応力腐食割れについて説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の解説 まとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 20 |
専門的能力 | 80 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 |