固体電子物性学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 固体電子物性学
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム創造工学専攻(専門科目) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 初歩から学ぶ固体物理学(矢口裕之,講談社)
担当教員 谷林 慧

到達目標

(1)自由電子論の基礎概念について理解できる。
(2)バンド理論と自由電子論の違いについて理解できる。
(3)ボルツマン方程式による電気伝導率の求め方,および金属の電気抵抗率の温度依存性について理解できる。

【教育目標】C

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
自由電子論自由電子論の基礎概念について理解できる。自由電子論の基礎概念についてほぼ理解できる。自由電子論の基礎概念について理解できない。
バンド理論バンド理論と自由電子論の違いについて理解できる。バンド理論と自由電子論の違いについてほぼ理解できる。バンド理論と自由電子論の違いについて理解できない。
固体中の電気伝導ボルツマン方程式による電気伝導率の求め方,および金属の電気抵抗率の温度依存性について理解できる。ボルツマン方程式による電気伝導率の求め方,および金属の電気抵抗率の温度依存性についてほぼ理解できる。ボルツマン方程式による電気伝導率の求め方,および金属の電気抵抗率の温度依存性について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,固体の電子状態や電気伝導に関する概念や知識を扱う。
学習内容を大きく分けると,次の3つに分類される:(1)自由電子論(9章),(2)バンド理論(10章),(3)固体中の電気伝導(11章)。
第一原理計算の実習も実施する。
授業の進め方・方法:
教室での座学授業。
第9週と第10週で第一原理計算の実習も実施する。
注意点:
【事前学習】
授業内容を確認し,授業項目に該当する教科書や授業資料を一読しておくこと。
【評価方法・評価基準】
演習問題レポート(75%)と第一原理計算実習レポート(25%)で評価する。総合成績60点以上を単位取得とする。
詳細については,第1回目の講義で告知する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
11.3オームの法則
11.4電気伝導度の古典的な扱い
電気伝導度の古典的な扱いについて理解できる。
2週 9.1自由電子モデル
9.1.13次元自由電子モデル
9.1.2周期的境界条件の適用
3次元自由電子モデルについて理解できる。
3週 9.1.3絶対零度におけるフェルミ統計
絶対零度におけるフェルミ統計について理解できる。
4週 11.5ボルツマン方程式による電気伝導度の扱い
11.5.1ボルツマン方程式
11.5.2ボルツマン方程式から導かれる電気伝導率
ボルツマン方程式による電気伝導度の扱いについて理解できる。
5週 11.6格子振動による散乱
11.7不純物による散乱
11.8金属の電気抵抗率の温度依存性
金属の電気抵抗率の温度依存性について理解できる。
6週 11.9ホール効果 ホール効果について理解できる。
7週 9.2状態密度,電子のエネルギー分布
9.2.1状態密度
9.2.2T>0Kにおける自由電子のエネルギー分布
電子状態密度について理解でききる。
フェルミ分布の温度依存性について理解できる。
8週 9.2.3次元数と状態密度の関係
9.2.4電子比熱
電子状態密度の関数形の次元による違いについて理解できる。
電子比熱が古典的な理想気体の比熱とは異なることを理解できる。
4thQ
9週 第一原理計算実習1 第一原理計算コードを用いた電子バンド(状態密度,分散曲線)の求め方について理解できる。
10週 第一原理計算実習2 第一原理計算コードを用いたフォノンバンド(状態密度,分散曲線)の求め方について理解できる。
11週 10.1バンドについての概説
10.1.1導体・絶縁体・半導体の違い
導体・絶縁体・半導体の違いについて理解できる。
12週 10.3ブロッホの定理 ブロッホの定理について理解できる。
13週 10.5強結合近似によるバンド理論の導出 強結合近似によるバンド理論の導出について理解できる。
14週 11.1結晶中での電子の運動 電子バンドの分散曲線からの電子速度や有効質量の求め方について理解できる。
15週 11.2正孔 正孔という概念について理解できる。
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

演習問題レポート(9章,10章,11章)第一原理計算実習レポート合計
総合評価割合7525100
基礎的能力401050
専門的能力351550