遺伝子工学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 遺伝子工学
科目番号 0034 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム創造工学専攻(専門科目) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (参考資料)遺伝子工学の原理 三協出版 藤原伸介(編著)
担当教員 中川 裕子,冨永 陽子

到達目標

遺伝子工学の基本単位操作を理解し、活用方法を説明できる。
各種生物への遺伝子操作法を説明でき、応用へとつなげることができる。
遺伝子発現の検出、解析方法を説明できる。
バイオインフォマティクスを駆使して遺伝子の検索、解析ができる。
【教育目標】D

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 遺伝子工学の基本単位操作・活用方法について核酸・タンパク質の検出・精製方法,DNAの加工技術を説明できる。クロマトグラフィーによる精製技術を例を挙げて説明できる。核酸・タンパク質の検出・精製方法,DNAの加工技術を理解できる。クロマトグラフィーによる精製技術例を挙げられる。核酸・タンパク質の検出・精製方法,DNAの加工技術を理解できない。クロマトグラフィーによる精製技術例を知らない。
評価項目2 各種生物への遺伝子操作法について細菌及び真菌を利用した遺伝子操作技術を説明できる。植物に遺伝子導入する際の主な方法が分かる。動物細胞への遺伝子導入法と、多能性幹細胞を説明できる。細菌及び真菌を利用した遺伝子操作技術を理解できる。植物に遺伝子導入する際の主な方法、および動物細胞への遺伝子導入法について知っている。多能性幹細胞を理解できる。細菌及び真菌を利用した遺伝子操作技術を理解できない。植物に遺伝子導入する際の主な方法、および動物細胞への遺伝子導入法について知らない。多能性幹細胞を理解できない。
評価項目3 遺伝子発現の検出、解析方法についてトランスクリプトーム、プロテオームについて説明できる。遺伝子発現の解析技術、および標識技術を利用した細胞内での分子観察法について説明できる。遺伝子のノックダウン技術が分かる。微生物を利用する方法、昆虫の培養細胞、無細胞発現法について説明できる。トランスクリプトーム、プロテオームについて理解できる。遺伝子発現の解析技術、および標識技術を利用した細胞内での分子観察法について理解できる。遺伝子のノックダウン技術が分かる。遺伝子の発現法について例をあげ、説明できる。トランスクリプトーム、プロテオームについて理解できない。遺伝子発現の解析技術、および標識技術を利用した細胞内での分子観察法について理解できない。遺伝子のノックダウン技術が分からない。遺伝子の発現法について知らない。
評価項目4 バイオインフォマティクスについてバイオインフォマティクスの定義,配列比較の基礎を説明できる。実際にデータベースを駆使して解析を行うことができる。バイオインフォマティクスの定義,配列比較の基礎を理解できる。教員の助言を得ながら実際にデータベースを駆使して解析を行うことができる。バイオインフォマティクスの定義,配列比較の基礎を理解できない。教員の助言を得てもデータベースを駆使して解析を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
遺伝子(DNA・RNA)を細胞から抽出し、それを人為的に増幅させて解析したり、遺伝子産物(タンパク質)を作らせたりする技術を遺伝子工学という。
本講義では遺伝子工学を学ぶ上で必要な生体成分の基礎をおさらいし、①遺伝子工学の基本単位操作②各種生物への遺伝子操作法③遺伝子発現の検出、解析方法を学び、応用展開として④バイオインフォマティクスについて学習する。
授業の進め方・方法:
主にパワーポイントで作成した資料を用いて授業を進める。実習の部分ではweb上のデータベースを活用するため、PCの持参を指示することがある。
注意点:
評価方法・評価基準
試験結果(100%)で評価する。詳細は第一回目の授業で告知する。
遺伝子操作、遺伝子発現解析、バイオインフォマティクスの理解の程度を評価する。60点以上を履修単位とする。
課題がある場合、未提出が1/4を超える場合には、評価を60点未満とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生体成分の基礎 DNA, RNA, タンパク質に関して説明できる。膜の構造と物性、代謝における低分子物質の関与について説明できる。
2週 基本単位操作(1) 核酸・タンパク質の検出・精製方法,DNAの加工技術がわかる。プラスミドDNAの調製方法がわかる。
3週 基本単位操作(2) 核酸・タンパク質のハイブリダイゼーションによる検出法、クロマトグラフィーによる精製技術が分かる。
4週 微生物の遺伝子操作技術 細菌及び真菌を利用した遺伝子操作技術が分かる。
5週 動植物の遺伝子操作技術 植物に遺伝子導入する際の主な方法が分かる。動物細胞と多能性幹細胞の利用 動物細胞への遺伝子導入法と、多能性幹細胞を説明できる。
6週 遺伝子発現の網羅的解析技術 トランスクリプトーム、プロテオームについて説明できる。
7週 遺伝子発現の解析技術 遺伝子発現の解析技術、およびタンパク質・遺伝子間、タンパク質同士の相互作用について理解できる。
8週 遺伝子発現の解析技術と遺伝子のノックダウン技術 標識技術を利用した細胞内での分子観察法について説明できる。遺伝子のノックダウン技術が分かる。
4thQ
9週 遺伝子産物の高発現 微生物を利用する方法、昆虫の培養細胞、無細胞発現法について説明できる。
10週 バイオインフォマティクス(1) バイオインフォマティクスの定義,ゲノムシークエンシング支援,ホモロジー検索,マルチプルアライメント等を利用した配列比較の基礎がわかる。
11週 バイオインフォマティクス(2) 配列解析ツールや,分子生物学データベースの利用方法が分かる。
12週 バイオインフォマティクス(3) データベースを利用した生体高分子の構造解析について説明できる。
13週 バイオインフォマティクス(4) データベースを利用した遺伝子発現の網羅的解析について説明できる。
14週 バイオインフォマティクス(5) 実習を通して実際に配列解析ツールを使用することができる。
15週 期末試験 下記の配点で期末試験を行う。
16週 期末試験のおさらいとまとめ 期末試験の解答例を説明し、まとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末試験合計
総合評価割合100100
遺伝子操作3535
遺伝子発現解析3030
バイオインフォマティクス3535