日本語Ⅵ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本語Ⅵ
科目番号 0166 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 『日本語を学ぶ人のためのアカデミック・ライティング講座』(アスク出版、2020年)、『改訂版大学・大学院留学生の日本語 論文作成編』(2015年)、『新訂版留学生のための論理的な文章の書き方』(スリーエーネットワーク、2020年)、『日本語で考えたくなる科学の問い〈下〉〔心と身体篇〕』(凡人社、2022年)
担当教員 閻 秋君,犬飼 亜有美

到達目標

 専門授業が増えていくことに応じて、本授業では、自然科学・社会科学・人文科学など、広範なアカデミックな場面で必要とされる日本語の語彙や文型を幅広く習得する。その上で、様々な世界的な科学の問いに対して、自分の考え・意見を日本語で論理的に発表する力を向上させる。また、アカデミック・スタイルの文章を書く練習を行うことにより、レポートや学術論文などを書く力を付けることを最終目的とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
読む広範なアカデミックな文章に対して全体の論理を組み立てて理解することができる。広範なアカデミックな文章の構造・主旨を理解することができる。広範なアカデミックな文章を読むのに大きな手助けを必要とする。
聞く幅広い分野からのまとまりのあるテキストを聞いて、未習語や聞き取り難い部分があっても全体から類推して情報を得ることができる。繰り返せば、幅広い分野からのまとまりのあるテキストを聞いて、未習語や聞き取り難い部分があっても全体から類推して情報を得ることができる。繰り返しても、まとまりのあるテキストを聞いて全体から類推して情報を得ることが難しい。
話す幅広いテーマとトピックで知識を深め、様々な話題について、自分の考え・意見を論理的に述べることができる。こちらの手助けがあれば、様々な話題について、自分の考え・意見を論理的に述べることができる。様々な話題について、自分の考え・意見を論理的に述べることが難しい。
書くレポートや論文の中で見られる文型や表現を把握したうえで、独自性のある学術的文章を書くことができる。レポートや論文の中で見られる文型や表現を把握したうえで、こちらの手助けがあれば、学術的文章を書くことができる。レポートや論文の中で見られる文型や表現を習得することは難しく、また独自性のある学術的文章を書くには大きな手助けを必要とする。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C1  日本語 により、記述・ 発表・討論する能

教育方法等

概要:
 教科書では、自然科学・社会科学・人文科学など、幅広い学問領域の多彩な話題を扱っている。本授業では、「調べ・考え・伝える」という三つの活動を通じて、アカデミックな場面で必要とされる日本語の語彙や文型を幅広く習得し、様々な世界的な科学の問いに対して自分の意見を日本語で論理的に述べる能力を身につける。また、アカデミック・スタイルの文章を書く練習を行うことにより、レポートや学術論文などを書く力を付けること。こうした探求・活動型の学びを通じて、アカデミックな日本語能力の向上を目指す。
授業の進め方・方法:
 幅広い学問領域の文章を読んでから自分の意見を述べる活動、そして実例(専門のレポート、論文など)から考え、アカデミック・スタイルの文章を書いたり直したりする練習が授業の中心となる。そのほか、授業中のプレゼンテーション、ディスカッション、ワークショップの活動も求められている。
注意点:
 開講後、学生の日本語能力を判断した上で、授業内容や教科書を変更することがある。また、授業項目に加え日本語能力試験N1に向けた課題にも取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
○メールの書き方
○場面に応じて適切にメールが書ける
2週 ・「論理的に読むとは?」
○文末、文中のスタイル
・論理的に読むスキルについて理解できる
○学術的な文章にふさわしい言葉遣いが選択できる
3週 ・「論証の妥当性と推測性」
○指示表現、接続表現の基礎
・論理的に読むスキルについて理解できる
○文脈に合った指示表現、接続表現が選択できる
4週 ・テキスト第9課「日本語は曖昧で非論理的な言語なのか?」
○指示、接続、副詞表現のスタイル
・文章から語彙を習得し、表現文型の理解と正確な運用力の定着(文法コラム9) 
○学術的な文章にふさわしい指示、接続、副詞表現を文脈に合わせて選択できる
5週 ・テキスト第9課「日本語は曖昧で非論理的な言語なのか?」
○主張の表現、文末のバリエーション
・文章全体の主張を理解し要約する
○学術的な文章にふさわしい主張の表現、文末表現を適切に選択できる
6週 ・テキスト第9課「日本語は曖昧で非論理的な言語なのか?」
○説得力のある論理展開
・日本語や日本社会についての理解を深めて、自分の主張を述べる
○立場の明示、根拠の整理、反対意見への反論の方法を身につけ、説得力のある文章を書くことができる
7週 ・授業中の発表会①
○学術的な文章で用いる語彙
・興味を持つ話題について、自分の考え方を論理的に述べる
○学術的な文章で用いる語彙を増やす
8週 ・授業中の発表会②
○名詞、動詞、形容詞のスタイル
・興味を持つ話題について、自分の考え方を論理的に述べる
○書き言葉と話し言葉の語彙の違いを理解し、学術的な文章にふさわしい語彙を選択できる
2ndQ
9週 ・第10課「失語症の症例から我々は人や社会について何を学べるのか?」
○視点、呼応
・語彙を習得し、表現文型の理解と正確な運用力の定着。(文法コラム10)
○自動詞・他動詞・呼応表現を学び、視点の揃った文章が書ける
10週 ・第10課「失語症の症例から我々は人や社会について何を学べるのか?」
○助詞、引用のスタイル
・文章全体の主張を理解し要約する
○学術的な文章にふさわしい助詞・複合助詞を適切に選択できる
11週 ・第10課「失語症の症例から我々は人や社会について何を学べるのか?」
○引用の表現
・日本語や日本社会についての理解を深めて、自分の主張を述べる。
○自分の意見と引用文の書き方の違いを学び、適切に使い分けられる
12週 ・授業中の発表会③
○数値、程度のスタイル
・興味を持つ話題について、自分の考え方を論理的に述べる
○数値の程度、変化を表す表現を学び、文脈に合わせて適切な表現を選択できる
13週 ・小さい弁論会①
○図表、データの表現
・自分の主張をまとめて、分かりやすく相手に伝える
○図表・データの数値を客観的に説明できる、データに基づいて意見を述べられる
14週 ・小さい弁論会②
○図表・データの利用
・相手の話につなげて質問し議論する
○自分の意見を補強するためのデータの使い方を学び、適切に利用できる
15週 前期期末レポートの作成、プレゼンテーション
16週 フィードバック
後期
3rdQ
1週 ・第11課「社会の『絆』は人々の心を救うことができるのか?」
○論文の構成
・語彙を習得し、表現文型の理解と正確な運用力の定着(文法コラム11)
○自己の研究分野に関連する論文を参考に、研究論文の構成を知る
2週 ・第11課「社会の『絆』は人々の心を救うことができるのか?」
○課題の提示
・文章全体の主張を理解し要約する
○現状の問題点を指摘し、論点を提示する方法を身につける
3週 ・第11課「社会の『絆』は人々の心を救うことができるのか?」
○目的の提示
・日本語や日本社会についての理解を深めて、自分の主張を述べる
○研究テーマおよび研究目的を簡潔に示す方法を身につける
4週 ・授業中の発表会④
○定義と分類
・興味を持つ話題について、自分の考え方を論理的に述べる
○研究方法の説明の仕方、主要概念の定義の仕方、分類の示し方を身につける
5週 ・第12課「紙の本、手書きのノート、対面での会話は時代遅れなのか?」
○図表の提示
・語彙を習得し、表現文型の理解と正確な運用力の定着(文法コラム12)
○図表を示す際の表現、図表データの説明の仕方を身につける
6週 ・第12課「紙の本、手書きのノート、対面での会話は時代遅れなのか?」
○変化の形容
・文章全体の主張を理解し要約する
○図表データに示される変化の様子を適切に説明する方法を身につける
7週 ・第12課「紙の本、手書きのノート、対面での会話は時代遅れなのか?」
○対比と比較
・日本語や日本社会についての理解を深めて、自分の主張を述べる
○複数の事象を対比し、それぞれの特徴や関係性を述べる表現を身につける
8週 ・研究発表①
○原因の考察
・先行研究について発表
○ある事象の原因を考察する際に用いる表現を身につけ、適切に使用できるようになる
4thQ
9週 ・研究発表②
○列挙
・研究課題の内容と目的について発表
○複数の事象・項目を列挙する際の表現を身につける
10週 ・第13課「頭脳明晰な人々も大きな失敗をするのはなぜか?」
○引用
・語彙を習得し、表現文型の理解と正確な運用力の定着(文法コラム13)
○正しい引用の仕方を身につける
11週 ・第13課「頭脳明晰な人々も大きな失敗をするのはなぜか?」
○同意と反論
・文章全体の主張を理解し要約する
○先行研究と自己の研究の関連を考え、同意および反論する表現を身につける
12週 ・第13課「頭脳明晰な人々も大きな失敗をするのはなぜか?」
○帰結
・日本語や日本社会についての理解を深めて、自分の主張を述べる
○調査、実験等の結果から判明したことに基づき、自らの判断を示す方法を身につける
13週 ・研究発表③
○結論の提示
・今までの研究進捗状況について発表する
○論文全体をまとめ、結論を簡潔に記す方法や今後の課題を述べる方法を身につける
14週 ・研究発表④
○学術的な文章で用いる語彙
・研究課題の独自性や今後の研究計画について発表
○学術的な文章で用いる語彙を増やす
15週 後期期末レポートの作成、プレゼンテーション
16週 フィードバック

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末レポート宿題授業発表研究計画発表合計
総合評価割合25252525100
基礎的能力1515151560
総合的能力1010101040