科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 地理
科目番号 0006 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『地理A』(東京書籍)/『地歴高等地図』(帝国書院)
担当教員 徳竹 亜紀子

到達目標

世界のさまざまな自然環境や社会環境のなかで、人びとはどのような生活を営み、文化を育んできたのか、また、それは地球環境にどのような影響を及ぼしているかを理解し、説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1緯度・経度の仕組みを理解し、地図の図法的特徴を踏まえた読み取りができ、説明できる。緯度・経度の仕組みを理解し、地図の図法的特徴を踏まえた読み取りができる。緯度・経度の仕組みへの理解や地図の図法的特徴を踏まえた読み取りが不十分である。
評価項目2現代世界における国家の要件と、諸国家の独立や領域をめぐる問題について理解し、説明できる。現代世界における国家の要件と、諸国家の独立や領域をめぐる問題について理解している。現代世界における国家の要件と、諸国家の独立や領域をめぐる問題についての理解が不十分である。
評価項目3グローバル化がすすむ世界の国家間連携や貿易・通信・交通について理解し、説明できる。グローバル化がすすむ世界の国家間連携や貿易・通信・交通について理解している。グローバル化がすすむ世界の国家間連携や貿易・通信・交通についての理解が不十分である。
評価項目4地球上のさまざまな地形について、特徴・形成過程・そこに暮らす人々の生活を理解し、説明できる。地球上のさまざまな地形について、特徴・形成過程・そこに暮らす人々の生活を理解している。地球上のさまざまな地形について、特徴・形成過程・そこに暮らす人々の生活への理解が不十分である。
評価項目5地球上のさまざまな気候や気象的現象について、特徴・発生要因・そこに暮らす人々の生活を理解し、説明できる。地球上のさまざまな気候や気象的現象について、特徴・発生要因・そこに暮らす人々の生活を理解している。地球上のさまざまな気候や気象的現象について、特徴・発生要因・そこに暮らす人々の生活への理解が不十分である。
評価項目6現代世界が抱えるさまざまな地球的課題について理解し、説明できる。現代世界が抱えるさまざまな地球的課題について理解している。現代世界が抱えるさまざまな地球的課題についての理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
中学校地理で学んだことを基礎としながら,世界と日本における生活・文化に関する地域的特色と共通の課題,自然環境及び社会環境の関連,諸地域相互の関連について学習する。地球上に展開されているさまざまな事象を統合的に見る目を養う。国際社会に生きる一員として,多様な生活・文化の存在を認識し,他者や自然環境と共生する意識を養う。
授業の進め方・方法:
教科書に基づきながら,地図帳や資料を用いた作業や発表,映像資料の視聴やグループワークも適宜行う。
/事前学習:教科書の該当ページを読み、講義を受ける準備をしておくこと。/事後学習:授業ノートの内容を理解した上で、もう一度教科書の記述を読み直し、理解を深めること。わからない点などがあれば、次回の授業で質問し、早期に解決すること。
注意点:
日頃から新聞やニュースなどに触れ,現在世の中で起こっている事象に関心を持つことが重要である。
主要な地名や用語は教養的知識として身につけることが必要となる。その際,単なる個々の単語として暗記するのではなく,他の地名との位置関係や用語の関連性に目を向けて,地理的事象について理解を深めるように心掛けること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入・授業進行の説明
中学校基礎の確認
1年間の授業進行について確認・理解できる。
2週 地球儀と世界地図からとらえる地球 地球が球体であることを確認し、球面を平面の地図に表すとさまざまなひずみが生じることを理解し、用途に応じて地図を使い分けられるようになる。地球の公転や自転によって季節や時差が生じることを理解する。
3週 日本の位置と領域 国家領域の概念を理解し、世界の様々な国境の様子や、日本の領域の位置と広がりを学んで、領域に関する諸問題を理解する。
4週 世界の国家群 第二次世界大戦後の国家間の結合を大観し、東西冷戦体制解消後の世界の様相を理解する。
5週 貿易で結びつく世界 世界の貿易額増大にともない、国際分業に変化が生じている現状を理解する。日本の貿易構造の変化を概観し、輸出・輸入の変化を理解する。
6週 交通・通信の発達と世界の一体化 交通の発達により時間距離が短縮し、世界が小さくひとつになりつつあることを理解する。通信手段の発達により、世界がネットワークで結ばれ、大きくひとつになりつつあることを理解する。
7週 観光を軸とした国際的な人々の移動 国家間の観光移動が活発化していることを理解する。日本における余暇活動の変化とその背景を理解する。
8週 生活の舞台としての地形(1)変動帯と安定大陸の地形と生活 地表面が場所によって異なることを地球的な視野でとらえ、地形の形成には地球内部からの力が大きく働いていることを理解する。
2ndQ
9週 生活の舞台としての地形(2)河川・海岸の地形と生活 河川の営力による堆積地形は河川の位置によって形態が異なることを理解する。
10週 生活の舞台としての気候(1)大気の大循環と地域による気候の違い 気候はその場所における大気現象の総合的状態であり、一年を通じて毎年ほぼ同じ季節変化が繰り返されていることを理解する。
11週 生活の舞台としての気候(2)世界の気候と植生 ケッペンの気候区分が植生を指標に、気温と降水量という気候要素によって区分したものであること、植生による気候帯分布に土壌もほぼ対応していることを理解する。
12週 生活の舞台としての気候(3)熱帯の特徴と人々の生活,乾燥帯の特徴と人々の生活,温帯の特徴と人々の生活 熱帯・乾燥帯・温帯の気候的特徴と、それぞれの気候に暮らす人々の生活を理解する。
13週 生活の舞台としての気候(4)冷帯・寒帯の特徴と人々の生活,高山気候の特徴と人々の生活 冷帯・寒帯・高山気候の気候的特徴と、それぞれの気候に暮らす人々の生活を理解する。
14週 生活の舞台としての気候(5)雨温図とハイサーグラフ 気候の特徴である気温と降水量を表すグラフである雨温図とハイサーグラフの読み取りや、データからのグラフ作成方法を理解し、実際に作成する。
15週 前期期末試験 前期期末試験の実施
16週 前期期末試験の返却・解説
前期のまとめ
前期の内容について,総合的に理解できているか確認できる。
後期
3rdQ
1週 身近にあるさまざまな地図(1)身近な地図とその特色 身のまわりには,さまざまな一般図と主題図があることを理解できる。
一般図と主題図の違いについて理解できる。
2週 身近にあるさまざまな地図(2)目的に合わせた地図の作成(1) 情報を地図化する方法を習得し,自分で地図を作成できる。
グループごとに作成する主題図について話し合い、現地調査を行う。
3週 身近にあるさまざまな地図(3)目的に合わせた地図の作成(2) 情報を地図化する方法を習得し,自分で地図を作成できる。
グループごとに現地調査結果に基づいて主題図を作成する。
4週 身近にあるさまざまな地図(4)発表 作成した地図の発表を行う。他グループ作成の地図を鑑賞し、批評しあう。
5週 生活の様式としての文化 文化の定義を理解し、世界の文化の多様性について考察し、異文化理解の必要性を学。民族・言語・宗教の多様性や文化との関わりについて理解する。
6週 生活の基盤としての産業 我々の生活を支える農業や工業の様相と産業構造について理解する。
7週 さまざまな地球的課題(1)世界の資源・エネルギー問題 資源・エネルギー問題が全地球的な問題であるとともに地域性をもって発現することを理解する。地球環境のために省エネルギー化や自然エネルギーへの転換が重要なことを理解する。
8週 さまざまな地球的課題(2)世界の人口問題 世界の人口分布には地域的な偏りがあり、人口動態や人口構成には時期的なずれがあることを地図や図表から理解する。発展途上国では人口の急激な増加が、先進国では人口の少子高齢化の進行が問題であることを理解し、解決策を考察する。
4thQ
9週 さまざまな地球的課題(3)世界の食料問題 先進地域と発展途上地域では食糧供給量に格差があり、世界に飽食と飢餓の状態が見られることを理解し、世界の食料供給の不均衡についての解決策を考察する。
10週 さまざまな地球的課題(4)世界の都市問題 人口や諸機能が都市に集中することに伴ってさまざまな問題が発生することを学び、その対策を考察する。発展途上国の都市問題と先進国の都市問題の違いを理解し、解決策を考察する。
11週 さまざまな地球的課題(5)世界の環境問題 地球的規模の環境破壊として地球温暖化、オゾン層破壊、熱帯雨林破壊の要因・実態を学び、世界の資源エネルギー・人口・食料・都市などの諸問題が相互に関連していることを理解する。循環型社会の構築の方法を考察する。
12週 持続可能な社会の実現をめざして(1)地球的課題をめぐる国際協力 深刻化する地球的課題の解決にあたり、国連を中心にさまざまな国際協力がなされ、問題解決に取り組まれていることを理解する。
13週 持続可能な社会の実現をめざして(2)地球的解決へ向けての日本の取り組み 地球的課題の解決に向けて、日本がおこなっている具体的取り組みとその課題を理解する。
14週 持続可能な社会の実現をめざして(3)持続可能な社会の実現へ向けて これまで学んだ地球的課題と、持続可能な社会に向けた取り組みの具体例を踏まえ、地球的課題を解決し、持続可能な社会を構築するために今後必要となる取り組みについて考察する。
15週 後期期末試験 後期期末試験の実施
16週 後期期末試験の返却・解説
まとめ
1年間の内容について,総合的に理解できているか確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。2
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力8080
専門的能力2020