物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 検定教科書:総合物理(発行所:数研出版)、著者:國友正和 他9名、参考書&問題集:リードα物理 数研出版社
担当教員 鈴木 勝彦,小野 慎司

到達目標

速さと速度の違い、質量と加速度と力と加速度の関係、運動の三法則、仕事とエネルギーについて理解し、身の回りで起きている力学的な現象について簡単化し、計算して予測できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
運動の表し方落体の運動に関する応用問題が解ける。落体の運動に関する基礎問題が解ける。公式の当てはめる問題しか解けない。
運動の法則斜面にある物体、摩擦のある面での物体の運動方程式に関する応用問題が解ける。斜面にある物体、摩擦のある面での物体の運動方程式に関する基礎問題が解ける。公式の当てはめる問題しか解けない。
仕事と力学的エネルギー力学的エネルギーが保存する場合、保存力以外の力が仕事をする場合の応用問題が解ける。力学的エネルギーが保存する場合、保存力以外の力が仕事をする場合の基礎問題が解ける。公式の当てはめる問題しか解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
力学分野の基本となる速さ、速度、加速度、力と運動の概念や法則について質点系を中心に学ぶ。学習した内容について実験を通じて理解を深め、工学系で重要な実験の基礎技術(有効数字の扱い、グラフの書き方等)を習得する。  
授業の進め方・方法:
● 授業の進め方:座学に法則・公式などの確認実験を取り入れ、関連の演習問題を通じて理解を深める。更に理解を深めるためeラーニング(LMSとしてBlackboardを使用)などを活用し、アクティブラーニング手法も取り入れて行う。
● 授業内容:文科省検定教科書に準拠し、所属専門学科の内容も一部加味した内容。
● 評価方法:上記の到達目標を達成したかを下記の方法で評価する。
100点満点中、4回の定期テスト(約60%)、実験レポート等(約40%)とする。合格点は上記の割合で計算し60点以上。実験レポートが不完全だったり未提出の場合は不合格。
注意点:
授業の前後で予習・復習をしっかりすること。実験の時も、事前に内容を予習してくること。その際、本校独自に編集した「2015年度版 基礎物理実験書レポートブック 1学年用」(生協で購入すること。)を持参すること。実験終了後、レポートブックの提出期限は原則1週間とする。再提出と評価されたら速やかに訂正あるいは再実験を行うこと。本校では実験を重視しているので、未提出や不完全なレポートのまま放置してはならない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1章 運動の表し方 1. 速度(速さと等速直線運動、速度、変位) 速さと速度、等速直線運動が理解できる。
2週 速度(平均の速度、瞬間の速度、速度の合成、相対速度)
*確認テスト
変位、相対速度が理解できる。
3週 2. 加速度(加速度、等加速度直線運動) 加速度について理解し、等加速度直線運動について理解できる。
4週 加速度(加速度が負の場合)
*確認テスト
加速度の負の場合について理解できる。
5週 3.落体の運動(自由落下、鉛直投射、) 自由落下運動、鉛直投射運動について理解できる。
6週 落体の運動(水平投射、斜方投射)
*確認テスト
水平投射運動、斜方投射運動について理解できる。
7週 演習 力学分野の運動の表し方で学習した内容の演習問題を解ける。
8週 演習+前期中間試験 力学分野の運動の表し方の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
2ndQ
9週 (実験1)等加速度直線運動の実験
*実験結果のまとめ
自由落下現象の実験を通じて等加速度直線運動について理解する。また、実験データをまとめて考察を加えることができる。
10週 第2章 運動の法則 1. 力とそのはたらき(力、いろいろな力) 力の一般について理解し、いろいろな力(重力、張力、垂直抗力、摩擦力)について理解できる。
11週 2. 力のつりあい(力の合成・分解、力のつりあい、作用と反作用)
*確認テスト
力の合成、分解、つり合いと作用・反作用との違いについて理解できる。
12週 3. 運動の法則(慣性の法則、運度の法則) 慣性の法則、運動の法則(第1法則、第3法則)について理解できる。
13週 運動の法則(運動方程式)、重さと質量
*確認テスト
運動の第2法則運動の第2法則(ニュートンの運動方程式)、重さと質量が理解できる。
14週 運動の法則(運動方程式の応用) 運動の第2法則を使い具体的な加速度運動が理解できる
15週 演習 運動の3法則の内容の演習問題を解ける。
16週 前期期末試験、返却と解答の解説 運動の3法則の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 演習 種々の運動方程式に関する応用問題について、計算できる。
2週 4. 摩擦を受ける運動(静止摩擦力) 静止摩擦力について理解できる。
3週 摩擦を受ける運動(動摩擦力)
*確認テスト
動摩擦力について理解できる。
4週 5. 液体や気体から受ける力(圧力、浮力) 圧力、浮力について理解できる。
5週 液体や気体から受ける力(空気の抵抗)
*確認テスト
空気抵抗について理解できる。
6週 (実験2)運動の第2法則の実験
*実験結果のまとめ
運動の第2法則をPCによる計測システムを使い、実験で検証できる。
7週 演習 第1章、第2章の内容の演習を解ける。
8週 演習+後期中間試験 第1章、第2章の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
4thQ
9週 第3章 仕事と力学的エネルギー 1. 仕事(仕事、仕事の原理、仕事率) 仕事について理解できる。
10週 2. 運動エネルギー(エネルギー、運動エネルギー、運動エネルギーと仕事の関係)
*確認テスト
運動エネルギーについて理解し、仕事との関係も理解できる。
11週 3. 位置エネルギー(重力による位置エネルギー、弾性力による位置エネルギー、保存力とエネルギー) 重力によるもの及び弾性力による位置エネルギーが理解でき、保存力との関係も理解できる。
12週 4. 力学的エネルギーの保存(力学的エネルギー保存則、保存力以外の力が仕事をする場合)
*確認テスト
力学的エネルギー保存の法則について理解し、簡単な計算ができる。
13週 (実験3)力学的エネルギー保存の法則の実験
*実験結果のまとめ
弾性力による位置エネルギーと運動エネルギーの和は力学的エネルギーとなり一定に保たれることが実験で実証できる。
14週 演習 第3章の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
15週 前期期末試験、返却と解答の解説 第1章、第2章、第3章の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
16週 補習 学習到達度のレベルにあった問題で補修を行い1年物理の内容が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力700010020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000