微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0017 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 書名;新 微分積分Ⅰ   著者;新井一道他   出版社;大日本図書
担当教員 井海 寿俊

到達目標

(1) 導関数を求められる。とくに、合成関数の微分法を正しく適用できる。 (2) 微分係数の意味を理解し、接線や極値の問題に応用できる。
(3) 定積分・不定積分を求められる。 (4) 定積分の意味を理解し、計量問題や物理の問題に応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 微分法練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、到達目標に関連する教科書の問レベルの問題が解けない。
評価項目2 微分法の応用練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、到達目標に関連する教科書の問レベルの問題が解けない。
評価項目3 積分法練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、到達目標に関連する教科書の問レベルの問題が解けない。
評価項目4 積分法の応用練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、到達目標に関連する教科書の問レベルの問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分学は理工系の数学の基幹科目である。まず、分数式の計算や三角関数、指数関数など基礎数学の復習をしつつ、微分計算ができるようになることを最初 の目標とする (前期中間試験)。次いで、接線、グラフ、極値などの応用問題を通じて、微分法の理解を深める (前期期末試験)。 積分法については、まず微分法の関係を理解し、積分計算ができるようになることを最初の目標とする (後期中間試験)。さらに、面積・体積等の計量問題や物理的な問題への応用を通じて、積分の発想法に慣れることを目指す (後期期末試験)。
授業の進め方・方法:
各授業では重要事項や記憶すべき公式等を精選して提示する。 「合成関数の微分法」、「置換積分・部分積分」といった基本的かつ初学者が間違い易い公式の使用法については、できるだけ丁寧に説明する。
授業そのものは予習なしで理解できるものを目指す。 その反面、授業の中で教科書を網羅的に説明し尽くすことは追求しない。
事前学習としては、基礎数学の復習だけで十分である (授業でも復習する)。事後学習については、その回の授業で新しく学んだことを改めて自分の言葉で整理することを勧める。授業で扱わなかった問題を解いてみると一層よい。
注意点:
微分積分は、多少の努力を仮定すれば、学生が数学の面白さを最も味わい易い科目であると思われる。仮定される「努力」としては「質より量」の側面が確かにあり、一定の困難を伴う問題をできるだけたくさん解くことは、理解を深め意欲を高める上で極めて有効である。授業では最低ラインとしてごく少数の問題しか扱わないが、余力のある人は教科書や問題集等からたくさんの問題を解いてみて欲しい。授業で扱わなかった問題に関する質問は歓迎である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 今後必要となる基礎数学の知識を確認する。
2週 導関数の計算 公式を利用して導関数を求められる。
積・商の導関数の公式を正しく適用できる。
対数について復習し、自然対数を理解する。
3週 導関数の計算 三角関数について復習し、導関数を求められる。
逆三角関数を理解し、導関数を求められる。
4週 導関数の計算 合成関数の微分法を正しく適用できる。
5週 まとめと補足 いろいろな関数の極限を求められる。
導関数の定義、微分係数の意味を理解する。
6週 まとめと復習 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
7週 前期中間試験 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
8週 関数の変動 微分係数の意味を復習する。
接線・法線の方程式が求められる。
2ndQ
9週 関数の変動 関数の増減・極値を調べてグラフを描ける。
10週 関数の変動 関数の最大値・最小値が求められる。
11週 いろいろな応用 2階以上の導関数(高階導関数)が求められる。
速度・加速度と微分の関係を理解する。
12週 いろいろな応用 関数の媒介変数表示を理解する。
媒介変数表示での微分計算ができる。
13週 まとめと復習 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
14週 まとめと復習 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
15週 前期期末試験 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
16週 答案返却 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
後期
3rdQ
1週 不定積分と定積分 不定積分の意味を理解し、計算できる。
定積分の意味 (区分求積法) を理解する。
2週 積分の計算 微分積分法の基本定理を理解する。
定積分の計算ができる。
3週 積分の計算 置換積分法・部分積分法を正しく適用できる。
4週 積分の計算 置換積分法・部分積分法を正しく適用できる。
5週 積分の計算 色々な関数 (分数関数・無理関数、三角関数や指数・対数関数を含む関数) の定積分・不定積分を計算できる。
6週 積分の計算 色々な関数 (分数関数・無理関数、三角関数や指数・対数関数を含む関数) の定積分・不定積分を計算できる。
7週 まとめと復習 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
8週 後期中間試験 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
4thQ
9週 面積・曲線の長さ・体積 曲線が囲む図形の面積を計算できる。
弧長 (曲線の長さ) を計算できる。
立体の体積を計算できる。
10週 面積・曲線の長さ・体積 曲線が囲む図形の面積を計算できる。
弧長 (曲線の長さ) を計算できる。
立体の体積を計算できる。
11週 いろいろな応用 媒介変数表示による計量計算ができる。
極座標を理解する。
12週 いろいろな応用 極座標を理解し、計量問題に応用できる。
物理的問題と積分の関係を理解する。
13週 いろいろな応用 物理的問題と積分の関係を理解する。
広義積分を理解し、計算できる。
14週 まとめと復習 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
15週 後期期末試験 学習内容をまとめ、盲点を確認する。
16週 答案返却 学習内容をまとめ、盲点を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト・課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000