国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 国語Ⅱ
科目番号 0017 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 精選国語総合(東京書籍)/課題学習ノート
担当教員 千葉 幸一郎

到達目標

1学年での学習を踏まえ、より高度な国語力の涵養に努める。
現代文では、一言一句の意味や文章の展開などを正確に読み取りながら、随筆および詩歌では筆者や作者の独自なものの見方・感じ方について、評論文では論じられている問題について、小説では作中人物の心情や思想について、自分なりの捉え方や考え方を持てるようになる。
古文・漢文では、より高度な知識を習得するとともに、作品が生まれた時代状況や文学史的な流れを理解することにより、現代に至るまでの日本文化の背景を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1詩歌・小説の文意や作者の表現しようとするところを理解し、それについての自分なりの感想を持つことができる。文意を理解し、文芸作品に対する興味を持つことができる。文意の理解が十分でなく、文芸作品に対する興味を持つことができない。
評価項目2評論文や随筆を読み、文意を正しく理解した上で、論理の展開や考え方の独自性を味わい、それについての自分なりの意見をまとめることができる。論旨を把握し、文意を正確に理解することができる。文意を理解できず、論旨を把握することができない。
評価項目3古文・漢文の高度な知識を理解した上で、古典に親しみ、古典の意義を理解することができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1学年での国語学習を踏まえながら、文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについての考えを深め広げることができるような、より高度な「読む・聞く・話す・書く」国語力を総合的に養う。
また演習を通じて、国語表現の基礎(仮名遣い、送り仮名、句読点、表記符号、同音異義語、同訓異字、待遇表現、文体の統一等)を身につけ、さらに随時百人一首のカルタ取りを行うことにより、古典和歌に親しみ、日本文化の一端に触れる。
授業の進め方・方法:
通常の授業では教科書に従い、前後期それぞれ中間試験前には現代文、中間試験以降期末試験までは古文・漢文の授業を行う。現代語の語句や熟語、基本的な古語を事前に調べた上で、問題集なども用いながら教科書掲載の文章を正確に読み取り論点を明らかにし、さらにペアワークなどによってより理解を深めて行くようにする。
また、演習問題を通じて国語表現の基礎(仮名遣い、送り仮名、句読点、表記符号、同音異義語、同訓異字、待遇表現、文体の統一等)を身につけ、正しい日本語表現ができるようにする。
注意点:
授業の前に教科書を一読し、分からない語句等があれば事前に調べておくこと。また、教科書や読書の時間を通して触れた作者や筆者に関心が湧いたら、著書に当たり積極的に読書範囲を広げるよう努めること。
定期試験での成績80%、その他(日本語表現の演習、カルタへの参加状況など)20%で評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習目標や方法・評価などについて理解できる。
2週 評論「欲望と科学」(1)
論の展開に注意して、論旨を把握する。
「科学」に対する筆者の考えに注意しながら本文を通読し、大意を把握できる。
3週 評論「欲望と科学」(2)
論の展開に注意して、論旨を把握する。
段落ごと内容を詳細に読み取り、文脈を把握できる。
4週 評論「欲望と科学」(3)
論の展開に注意して、論旨を把握する。
筆者の主張を正確に読み取り、要旨をまとめ、それに対する自分の意見を示すことができる。
5週 小説「城の崎にて」(1)
小説に描かれた出来事や登場人物の心情などを、表現に即して読み取る。
本文を通読し、時間のまとまりにしたがって、全体を六つの部分に分けることができる。
6週 小説「城の崎にて」(2)
小説に描かれた出来事や登場人物の心情などを、表現に即して読み取る。
「自分」の置かれた状況や心境の変化を読み取ることができる。
7週 小説「城の崎にて」(3)
小説に描かれた出来事や登場人物の心情などを、表現に即して読み取る。
「自分」の生と死に対する思いを読み取り、感想を示すことができる。
8週 小説「城の崎にて」(4)
小説に描かれた出来事や登場人物の心情などを、表現に即して読み取る。
プリントや映像などによって、宮城県生まれの作者について深く知る。
2ndQ
9週 古文『徒然草』(1)
作者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
本文を流暢に読み、正確な口語訳を作成できる。
10週 古文『徒然草』(2)
作者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
本文を流暢に読み、正確な口語訳を作成できる。
11週 古文『徒然草』(3)
作者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
本文を流暢に読み、正確な口語訳を作成できる。
12週 漢文「寓話」(1)「借虎威」
話の構成や展開を確かめ、寓話の内容や表現の仕方について理解する。
本文を流暢に読み下し、正確な書き下し文や口語訳を作ることができる。
13週 漢文「寓話」(2)「漁父之利」
話の構成や展開を確かめ、寓話の内容や表現の仕方について理解する。
本文を流暢に読み下し、正確な書き下し文や口語訳を作ることができる。
14週 漢文「寓話」(3)「塞翁馬」
話の構成や展開を確かめ、寓話の内容や表現の仕方について理解する。
本文を流暢に読み下し、正確な書き下し文や口語訳を作ることができる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、正しい解答を理解できる。
後期
3rdQ
1週 評論「真の自立とは」(1)
文章の構成や表現の工夫を確かめて評論を読み、ものの見方、考え方を豊かにする。
語句に注意しながら全文を通読し、全体の構成を把握する。
2週 評論「真の自立とは」(2)
文章の構成や表現の工夫を確かめて評論を読み、ものの見方、考え方を豊かにする。
段落ごと内容を詳細に読み取り、文脈を把握できる。
3週 小説「富嶽百景」(1)
小説に描かれた登場人物の感じ方や生き方などを、話の展開に注意して読み取る。
本文を通読し、あらすじと大まかな構成を把握できる。
4週 小説「富嶽百景」(2)
小説に描かれた登場人物の感じ方や生き方などを、話の展開に注意して読み取る。
段落ごとに文脈を理解し、文意を正しく捉えることができる。
5週 小説「富嶽百景」(3)
小説に描かれた登場人物の感じ方や生き方などを、話の展開に注意して読み取る。
作品に描かれた「富士」について考え、主題について説明できる。
6週 古文「おくのほそ道」(1)
構成や展開を確かめながら文章を読み取り、作品に込められた作者の思いを感じ取る。
「おくのほそ道」の中で、現在の宮城県について記された箇所を読み、内容を正確に把握できる。
7週 古文「おくのほそ道」(2)
構成や展開を確かめながら文章を読み取り、作品に込められた作者の思いを感じ取る。
「おくのほそ道」の中で、現在の宮城県について記された箇所を読み、内容を正確に把握できる。
8週 古文「おくのほそ道」(3)
構成や展開を確かめながら文章を読み取り、作品に込められた作者の思いを感じ取る。
「おくのほそ道」の中で、現在の宮城県について記された箇所を読み、内容を正確に把握できる。
4thQ
9週 評論「生物の多様性とは何か」(1)文章の構成や表現の工夫を確かめて評論を読み、ものの見方、考え方を豊かにする。 語句に注意しながら全文を通読し、全体の構成を把握する。
10週 評論「生物の多様性とは何か」(2)文章の構成や表現の工夫を確かめて評論を読み、ものの見方、考え方を豊かにする。 段落ごと内容を詳細に読み取り、文脈を把握できる。
11週 評論「生物の多様性とは何か」(3)文章の構成や表現の工夫を確かめて評論を読み、ものの見方、考え方を豊かにする。 筆者の主張を正確に読み取り、それに対して自分なりの意見を適切に示すことができる。
12週 新春かるた大会 百人一首の実践。少なくとも1枚は取り札を取ることができる。
13週 十五の心ー短歌抄
近現代を代表する歌人の代表作を二首ずつ味読する。
それぞれの歌を正確に音読し、解釈できる。
14週 論語
『論語』から代表的な章段を数編読む。
それぞれを訓点に従って正確に音読し、書き下し文や口語訳を作成できる。
15週 後期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、正しい解答を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。2
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。2
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。2
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。2
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。2
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。2
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。2
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。2
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。2
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。2
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。2
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000