世界史

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 世界史
科目番号 0017 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『現代の歴史総合 みる・読みとく・考える』(山川出版社)/『歴史総合問題集』(山川出版社)
担当教員 徳竹 亜紀子

到達目標

現代世界が形成されてきた過程を知ることによって、現代世界が抱える諸問題の淵源に触れる。一国史の集合としての世界の歴史ではなく、諸国・諸地域の関係のなかで動かされてきた歴史をとらえられるようになる。
世界の文化や価値観の多様性を認識し、自己中心的にならず、相手の立場に立って考えることが、よりいっそうできるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現代世界の成立過程を正しく理解し、説明できる。現代世界の成立過程を正しく理解している。現代世界の成立過程への理解が不十分である。
評価項目2諸国家・諸勢力がどのように結びついて世界に影響を与えたかを理解し、説明できる。諸国家・諸勢力がどのように結びついて世界に影響を与えたかを理解している。諸国家・諸勢力がどのように結びついて世界に影響を与えたかということへの理解が不十分である。
評価項目3現代世界が抱える諸問題の歴史的淵源について理解し、説明できる。現代世界が抱える諸問題の歴史的淵源について理解している。現代世界が抱える諸問題の歴史的淵源についての理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代は「海図のない時代」といわれ、未来の不透明な時代である。このような時代であるからこそ、未来を切り開くために、過去を知り、過去から学ぶ必要がある。講義を通して、過去から現在に至る道筋を整理し、現在のもつ意味や引き継ぐべき人類の遺産を再確認する。学習者が、世界の文化や価値観の多様性を認識し、双方の立場を理解することができるようになることを目標とする。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式で授業を進める。試験は期末試験のみ、年間2回実施する。
事前学習/次回の授業で学習する教科書のページを一読して、概要や疑問点を整理しておく。
事後学習/授業のあと、もう一度教科書とノートを読み直し、理解を定着させる。学習した単元の問題集に取り組み、自分の理解度を確認する。
注意点:
日頃から、情報源に留意しつつ新聞やニュースなどのさまざまなことから情報を得て、最新の世界情勢の把握に努めること。
講義形式の授業であるため、授業の妨げとなる行為は控えること。場合によっては、退室を命じることがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 結びつく世界と日本の開国 (1)産業革命と世界の貿易構造 世界の貿易関係と、産業革命による世界構造の変質を理解する。
2週 結びつく世界と日本の開国 (2)日本 18世紀までの日本の貿易体制と、「開国」による外交・貿易の変化、およびそれが国内にもたらした影響を理解する。
3週 市民革命 フランス革命によってもたらされた新しい秩序を、旧来のヨーロッパ社会の秩序と比較して理解する。
4週 国民国家とナショナリズム フランス革命後のフランスの動向や、19世紀後半に成立するドイツやイタリアなどの新しい国家と「国民」の成立について理解する。
5週 明治維新 19世紀に日本でおこった政治体制の転換と近代国家の成立について理解する。
6週 日本の産業革命 「日本の産業革命」とよばれる明治期の産業構造の変化について、その要因と、もたらされた結果を理解する。
7週 帝国主義 世界を巻き込んでいく帝国主義の思想と、植民地支配の展開について理解する。
8週 変容する東アジアの国際秩序 欧米列強の東アジアへの進出による、東アジアの国際秩序の変貌について理解する。
2ndQ
9週 日露戦争と東アジアの変動 日露戦争が起こった経緯と要因、また日露戦争の結果がアジアに与えた影響について理解する。
10週 まとめ学習 近代化と現代的な諸課題 ここまで学習した内容を踏まえて、近代化によって生じた諸問題や、それが現代にまで影響をおよぼしている事例を学び、解決方法を模索する。
11週 第一次世界大戦の展開 第一次世界大戦に至るヨーロッパ列強の国際対立の激化と、第一次世界大戦の概要を理解する。
12週 ソヴィエト連邦の成立 第一次世界大戦のさなかに起こったロシア革命とソヴィエト連邦成立の国際的意義について理解する。
13週 アメリカ合衆国の台頭 第一次世界大戦でアメリカが果たした役割と、その後の世界におけるアメリカの急速な成長について理解する。
14週 ヴェルサイユ体制とワシントン体制 第一次世界大戦後の世界を定義づけたヴェルサイユ体制と、ワシントン体制について理解する。
15週 前期期末試験 前期期末試験を行う。
16週 前期期末試験返却 前期期末試験を返却し、前期の学習内容に対する自己の理解度を確認する。
後期
3rdQ
1週 世界経済の変容と日本 戦間期における日本の国際的な動向について理解する。
2週 アジアのナショナリズム 植民地支配を受けたアジア諸地域における独立運動について理解する。
3週 大衆の政治参加 近代化の進展による、政治を動かす社会階層の変化について理解する。
4週 消費社会と大衆文化 「狂乱の20年代」とよばれた好景気にわく1920年代のアメリカ合衆国の社会と文化について理解する。
5週 世界恐慌の時代 1929年にはじまる世界恐慌と、その時代の各国の対策や動向について理解する。
6週 ファシズムの伸長と共産主義 世界恐慌の中で勢力を増していくファシズムや、恐慌の影響をほとんど受けずに成長したソヴィエト連邦を通じた共産主義の伸長について理解する。
7週 日中戦争への道 不況のなか、帝国主義を推し進める日本が戦争へと進んでいく過程について理解する。
8週 第二次世界大戦の展開 第二次世界大戦のはじまりと展開について理解する。
4thQ
9週 第二次世界大戦下の社会 第二次世界大戦が進行する時代の、一般民衆の社会生活について理解する。
10週 国際連合と国際経済体制 第二次世界大戦後の国際連合の成立と意義、世界経済の動向について理解する。
11週 占領と戦後改革 第二次世界大戦後の占領期の日本について理解する。
12週 冷戦の始まりと東アジア諸国の動向 アメリカ合衆国とソヴィエト連邦を東西の盟主に据えた国際対立の様相と、その中での東アジア諸国の動向について理解する。
13週 日本の独立と日米安全保障条約 戦後日本の国際社会への復帰と、新たな国家体制について理解する。
14週 東西両陣営の動向と1960年代の社会 1968年に焦点を充てて、固着化した冷戦体制を背景に全世界的に勃発した学生運動について理解する。
15週 後期期末試験 後期期末試験を行う。
16週 後期期末試験の返却 後期期末試験を返却し、後期の学習内容に対する自己の理解度を確認するとともに、一年間の学習内容を振り返る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力602080
専門的能力20020