物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:物理基礎&物理(発行所:数研出版)、参考書&問題集:リードα物理 数研出版社
担当教員 村島 隆浩

到達目標

①1年で学習した内容を踏まえ、力学分野の剛体、運動量を学習し、熱との関わりを深め、特融な波動現象を学習し、生活と関わりの深い電気と磁気を学習し、放射線の学習を通じて平和利用とその障害を学び、学んだ内容の基本問題の演習を通じて理解を深め、これらの基本的な概念が理解できる。さらに基礎的な応用問題も理解できる。
②実験を通じて現象の理解と各種法則を確認でき、その結果について、有効数字、誤差率を理解し、データを整理し、検討を加えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力学分野(剛体、運動量) 熱分野(熱とエネルギー)教科書の章末の演習問題が自力で解ける。教科書の類題が自力で解ける。公式に当てはめるだけの問題しか解けない。
波動分野(波動一般、音、光)教科書の章末の演習問題が自力で解ける。教科書の類題が自力で解ける。公式に当てはめるだけの問題しか解けない。
電気分野() 原子分野(放射線)教科書の章末の演習問題が自力で解ける。教科書の類題が自力で解ける。公式に当てはめるだけの問題しか解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年で学んだ力と運動の内容を更に発展させ、熱について学ぶ。更に、波動、電気と磁気、放射線について演習も加えて学ぶ。学んだ内容について、実験、演習を行い、学習内容の理解を深めと共に、学術的なレポートや製品の特性試験結果の報告書を書くときの基本について、1年より高度な視点で学ぶ。
授業の進め方・方法:
● 授業の進め方:座学に法則・公式などの確認実験を取り入れ、関連の演習問題を通じて理解を深める。更に理解を深めるためeラーニング(LMSとしてBlackboardを使用)などを活用し、アクティブラーニング手法も取り入れて行う。
● 授業内容:文科省検定教科書に準拠し、所属専門学科の内容も一部加味した内容。
● 評価方法:上記の到達目標を達成したかを下記の方法で評価する。
100点満点中、4回の定期テスト(約60%)、実験レポート等(約40%)とする。合格点は上記の割合で計算し60点以上。実験レポートが不完全だったり未提出の場合は不合格。
注意点:
1年の時と同じく、授業の前後で予習・復習をしっかりすること。実験の時も、事前に内容を予習してくること。その際、本校独自に編集した「2015年度版 基礎物理実験書レポートブック 2学年用」(生協で購入すること。)を持参すること。実験終了後、レポートブックの提出期限は原則1週間とする。再提出と評価されたら速やかに訂正あるいは再実験を行うこと。本校では実験を重視しているので、未提出や不完全なレポートのまま放置してはならない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【熱分野】
1 熱と熱量
*確認テスト(1年次の内容(運動の表し方)も含む)
熱運動、温度と内部エネルギー、物質の三態と状態変化、熱平衡が理解できる。
2週 2.熱と物質の状態
*確認テスト(1年次の内容(運動の表し方)も含む)
物質の三態と状態変化、熱平衡が理解できる。
3週 3.熱と仕事
*確認テスト(1年次の内容(運動のあらまし方)も含む)
熱と仕事、熱機関について理解できる。
4週 4.不可逆変化と熱機関
*確認テスト(1年次の内容(運動の法則)も含む)
熱現象の不可逆性について理解できる。
5週 演習 熱分野で学習した内容の演習問題を解ける。
6週
前期中間試験
熱分野の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
7週 (実験1)比熱の実験
*実験結果のまとめ
(実験1)銅、鉄、アルミニウムの比熱の実験を通じて、熱と温度の変化について理解できる。
8週 【波動分野】
1.波の性質1
*確認テスト(1年次の内容(運動の法則)も含む)
一般の波、媒質と波の関係、縦波と横波、波の重ね合わせ、定常波、自由端反射と固定端反射について理解できる。
2ndQ
9週 2.波の伝わり方
*確認テスト(1年次の内容(運動の法則)も含む)
ホイへンスの原理、反射の法則、屈折の法則、波の回折、波の干渉について理解できる。
10週 3.音
*確認テスト(1年次の内容(仕事と力学的エネルギー)も含む)
音と波の関係、音の性質、うなり、固有振動(物体、弦、気柱)が理解できる。
11週 4.音のドップラー効果
*確認テスト(1年次の内容(仕事と力学的エネルギー)も含む)
音のドップラー効果について理解できる。
12週 (実験2)気柱共鳴の実験
*実験結果のまとめ
(実験2)気柱共鳴実験を通じてスピーカーからの音による気柱の固有振動と共鳴現象を理解できる。
13週 5.光
*確認テスト(1年次の内容(仕事と力学的エネルギー)も含む)
光の速さ、反射、屈折、分散、偏光が深く理解できる。
14週 6.光の干渉と回折
**確認テスト(1年次の全体の内容も含む)
回折、干渉(ヤングの実験、回折格子、薄膜による干渉)が理解できる。
15週 演習 波動分野で学習した内容の演習問題を解ける。
16週 前期期末試験、返却と解答の解説 波動分野の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 (実験3)回折格子による分光器の製作とスペクトル観察
*実験結果のまとめ

簡易分光器を各自に作製し、スペクトル観察を行い、種々の色の光の波長を計算できる。
2週 【力学分野】
1.剛体
力のモーメント、つり合い、剛体にはたらく力のつり合い、
平行な2力の合成、偶力、重心が理解できる。
3週 2.運動量と力積 運動量、力積、運動量と力積について理解できる。
4週 3.運動量保存則
直線上、平面上での運動量保存の法則が理解できる。
(実験3)簡易分光器を各自に作製し、スペクトル観察を行い、種々の色の光の波長を計算できる。
5週 4.反発係数 床や壁との衝突、直線上の2物体の衝突、運動量と力学的エネルギーについて理解できる。
6週 (実験4)運動量保存則の実験
*実験結果のまとめ
2台の台車の弾性衝突、非弾性衝突の実験を通じて運動量保存則の実験を通じて保存則を理解できる。
7週 演習 剛体、力積について、学習した内容の演習問題を解ける。
8週 演習
  +
後期中間試験、返却と解答の解説
運動量保存則、反発係数について、学習した内容の演習問題を解ける。
  +
学習した力学分野の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
4thQ
9週 【電気分野】
1.物質と電気抵抗
電流と電圧の関係、オームの法則が理解できる。
抵抗(抵抗率、接続による値の変化、電気エネルギー)について理解できる。
10週 2.交流と電磁波 交流と電磁波(電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線)について理解できる。
11週 3.電流と磁場 磁界と磁力線、電流による磁界、電流が受ける力、モーターの仕組み、電磁誘導、発電機の原理が理解できる。
12週 【原子核分野】
1.放射線
原子核、同位体、原子核の崩壊、半減期、放射線の利用
13週 (実験5)放射線測定実験
*実験結果のまとめ
身の周りの環境の放射線の測定をして自然放射線の量を理解する。
14週 演習 電気分野、原子核分野の学習した内容の演習問題を解ける。
15週 後期期末試験、返却と解答の解説 学習した電気、原子核分野の内容の基礎問題と基礎的応用問題が解ける。
16週 補習 2学年で学習した内容全般について、更に理解を深め、その内容の問題を解ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力60001002090
専門的能力100000010
分野横断的能力0000000