国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 国語Ⅱ
科目番号 0021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書「新編現代文B」(教育出版)、「国語総合」(教育出版)/教材「新編現代文B学習課題ノート」
担当教員 油座 圭祐,渡邉 美希

到達目標

1学年での学習を踏まえ、より高度な国語力の涵養に努める。
現代文では、一言一句の意味や文章の展開などを正確に読み取りながら、随筆および詩歌では筆者や作者の独自なものの見方・感じ方について、評論文では論じられている問題について、小説では作中人物の心情や思想について、自分なりの捉え方や考え方を持てるようになる。
古文・漢文では、より高度な知識を習得するとともに、作品が生まれた時代状況や文学史的な流れを理解することにより、現代に至るまでの日本文化の背景を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1詩歌・小説の文意や作者の表現しようとするところを理解し、それについての自分なりの感想を持つことができる。文意を理解し、文芸作品に対する興味を持つことができる。文意の理解が十分でなく、文芸作品に対する興味を持つことができない。
評価項目2評論文や随筆を読み、文意を正しく理解した上で、論理の展開や考え方の独自性を味わい、それについての自分なりの意見をまとめることができる。論旨を把握し、文意を正確に理解することができる。文意を理解できず、論旨を把握することができない。
評価項目3古文・漢文の高度な知識を理解した上で、古典に親しみ、古典の意義を理解することができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1学年での国語学習を踏まえながら、文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについての考えを深め広げることができるような、より高度な「読む・聞く・話す・書く」国語力を総合的に養う。
また演習を通じて、国語表現の基礎(仮名遣い、送り仮名、句読点、表記符号、同音異義語、同訓異字、待遇表現、文体の統一等)を身につけ、さらに随時百人一首のカルタ取りを行うことにより、古典和歌に親しみ、日本文化の一端に触れる。
授業の進め方・方法:
通常の授業では教科書に従い、前後期それぞれ中間試験前には現代文、中間試験以降期末試験までは古文・漢文の授業を行う。現代語の語句や熟語、基本的な古語を事前に調べた上で、問題集なども用いながら教科書掲載の文章を正確に読み取り論点を明らかにし、さらにペアワークなどによってより理解を深めて行くようにする。
また、演習問題を通じて国語表現の基礎(仮名遣い、送り仮名、句読点、表記符号、同音異義語、同訓異字、待遇表現、文体の統一等)を身につけ、正しい日本語表現ができるようにする。
注意点:
授業の前に教科書を一読し、分からない語句等があれば事前に調べておくこと。また、教科書や読書の時間を通して触れた作者や筆者に関心が湧いたら、著書に当たり積極的に読書範囲を広げるよう努めること。
定期試験での成績80%、その他(日本語表現の演習、カルタへの参加状況など)20%で評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
学習目標や方法・評価などについて理解できるようになる。
2週 小説「山月記」
寓意をとおして、人間存在や心の実相への理解を深める。
ストーリの展開に即して、小説全体の構成を理解することができるようになる。
3週 小説「山月記」
寓意をとおして、人間存在や心の実相への理解を深める。
具体的な表現に即しながら、主人公の心理の移り変わりを読み取ることができるようになる。
4週 小説「山月記」
寓意をとおして、人間存在や心の実相への理解を深める。
具体的な表現に即しながら、主人公の心理の移り変わりを読み取ることができるようになる。
5週 小説「山月記」
寓意をとおして、人間存在や心の実相への理解を深める。
小説の表現効果に注意しながら、作品の主題をまとめ、自分の意見や感想をまとめることができるようになる。
6週 小説「山月記」
寓意をとおして、人間存在や心の実相への理解を深める。
小説の表現効果に注意しながら、作品の主題をまとめ、自分の意見や感想をまとめることができるようになる。
7週 漢文入門「訓読の基礎」「名言」
漢文が日本の古典であり、訓点が先人の知恵であることを理解する。
漢文の定義、および漢文学習の意義を理解している。
8週 漢文入門「訓読の知識」
訓読の基本を理解し、訓点に従って漢文を読んだり、書き下し文に改めたりする。
漢文学習において必要な用語を覚え、各種の返り点の機能・用法を理解している。
2ndQ
9週 故事『戦国策』「借虎威」
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解する。
本文を正しく訓読している。
10週 故事『列子』「朝三暮四」
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解する。
本文を正しく訓読し、また書き下し文に改めている。
11週 故事『列子』「朝三暮四」
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解する。
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解している。
12週 故事『准南子』「塞翁馬」
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解する。
本文を正しく訓読し、また書き下し文に改めている。
13週 故事『准南子』「塞翁馬」
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解する。
文章の内容を的確に読み取りながら、故事成語の意味を理解している。
14週 故事成語まとめ 各故事を文章表現において正しく使用し、また現代語に残る故事成語について理解している。
15週 前期末試験
16週 答案返却と補講
後期
3rdQ
1週 評論「教養はなんのために」
「教養」とは何か、根源的に問い考える、評論の方法を学ぶ。
各段落のキーワードを押さえながら要旨をまとめ、対比的な構成を取りながら論を展開して行く方法を理解できるようになる。
2週 評論「教養はなんのために」
「教養」とは何か、根源的に問い考える、評論の方法を学ぶ。
文脈に沿った言葉の意味を理解し、さらに接続詞の働きや指示語の内容の把握、比喩や言い換えの読み取りが出来るようになる。
3週 評論「教養はなんのために」
「教養」とは何か、根源的に問い考える、評論の方法を学ぶ。
「教養」の今日的意義を理解している。
4週 DVD鑑賞 映画に表された「教養」の意義を、本文に即して理解することが出来る。
5週 小説「こころ」
日本近代文学の代表的な作品を読み、その現代に通じる問題意識を読み取る。
作品の全体像を把握し、また夏目漱石についての基本的な知識を身につけている。
6週 小説「こころ」
日本近代文学の代表的な作品を読み、その現代に通じる問題意識を読み取る。
登場人物の心理変化を正確に読み取っている。
7週 小説「こころ」
日本近代文学の代表的な作品を読み、その現代に通じる問題意識を読み取る。
人間の生き方について考え、感想文を書いている。
8週 評論「であることとすること」
近代社会における権利や自由のあり方を考え、現代日本の問題点を具体的に考察する。
全文を通して筆者の問題提起を理解できている。
4thQ
9週 評論「であることとすること」
近代社会における権利や自由のあり方を考え、現代日本の問題点を具体的に考察する。
各段落を正しく簡潔に要約できている。
10週 評論「であることとすること」
近代社会における権利や自由のあり方を考え、現代日本の問題点を具体的に考察する。
「である」ことと「する」ことによって現代日本がどのように分析できるか理解できている。
11週 『伊勢物語』「芥川」
物語を精読し、王朝人の感性を学ぶとともに和歌に託された心情や和歌の修辞技法について学ぶ。
明快な表現を心がける。
物語内容を正しく把握し、王朝人の感性を理解できるようになる。また、和歌の修辞技法について理解できるようになる。
12週 『伊勢物語』「東下り」
物語を精読し、王朝人の感性を学ぶとともに和歌に託された心情や和歌の修辞技法について学ぶ。
文体を統一する。
内容を理解し、平安時代の物語文芸に対する興味が持てるようになる。
13週 史伝「晏子之御」
漢文の音読のリズムを掴むとともに、基本的な句型を学び、正確に内容を理解する。
文体を統一する。
漢文を正確に音読できるようになるとともに、句型を理解し、書かれている内容を正しく把握できるようになる。
14週 思想「論語」
儒家の書や思想の日本文化への影響と現代的意義について考える。
孔子と論語について、総合的に理解している。
15週 後期末試験
16週 答案返却と補講

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000