化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新編化学(東京書籍)
担当教員 佐藤 徹雄

到達目標

化学と人間生活、物質の構成、物質の変化について理解し、他人に説明できるようになる。安全に化学実験が行えるよう基本的な物質の取り扱い、器具の取り扱いを理解する。目的に応じて化学的な実験を行いレポートを作成するための基礎を学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
酸化還元反応酸化と還元の定義を理解し、酸化 剤と還元剤の半反応式から化学反 応式を導くことができるとともに 、酸化還元反応を応用した電池と 電気分解について理解できる。酸化と還元の定義を理解し、酸化 剤と還元剤の半反応式から化学反 応式を導くことができるが、電池 と電気分解について理解は不十分 な点がある。酸化と還元の定義を理解し、酸化 剤と還元剤の半反応式から化学反 応式を導くことができない。
気体の性質ボイル・シャルルの法則と理想気 体の状態方程式を理解し、これら を応用した混合気体の分圧の法則 を説明できる。ボイル・シャルルの法則と理想気 体の状態方程式を理解できるが、 これらを応用した混合気体の分圧 の法則の理解は不十分な点がある 。ボイル・シャルルの法則と理想気 体の状態方程式を理解できない。
溶液の性質溶液における固体および気体の溶 解度や希薄溶液の性質、コロイド の性質を理解でき、応用問題を含 めた計算問題を解くことができる 。溶液における固体および気体の溶 解度や希薄溶液の性質、コロイド の性質を理解でき、基礎的な計算 問題を解くことができる。溶液における固体および気体の溶 解度や希薄溶液の性質、コロイド の性質を理解できない。
化学反応と熱熱化学方程式を正しく記述するこ とができ、ヘスの法則や結合エネ ルギーを用いた反応熱の計算問題 を解くことができる。熱化学方程式の記述方法を理解す ることができ、基礎的なヘスの法 則や結合エネルギーを用いた反応 熱の計算問題を解くことができる 。熱化学方程式の記述方法を理解す ることができない。
化学反応の速さと平衡反応速度を変化させる要因を理解 し、活性化状態を経る反応のしく みと関連付けられるとともに、化 学平衡の概念と平衡移動の法則の 工業的な利用法を正しく説明でき る。反応速度を変化させる要因と活性 化状態を経る反応のしくみを個別 に理解でき、化学平衡の概念と平 衡移動の法則を説明できるが、工 業的な利用法の理解は不十分であ る。反応速度を変化させる要因と活性 化状態を経る反応のしくみを理解 できず、化学平衡の概念と平衡移 動の法則も説明ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年生の化学Ⅰで学んだ人間生活と化学との関わり、化学が物質を対象とする学問であること、物質はどのように成り立っているのか、物質を構成する元素や原子の構造と化学結合、そして化学反応式の記述法と物質量の計算法、物質の変化を量的に表す方法を基礎として、酸化還元反応と電池・電気分解、気体の性質、溶液の性質、化学反応と熱、化学反応の速さと平衡に関して学習し、基礎的な化学全般の理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義とグループワーク、演習を組み合わせた学習を行う。適宜、課題や小テスト、化学実験を行うことで学習効果を高める。学習内容は大きく4部から構成されており、「酸化還元反応」の単元では物質の変化をどのように表わすのかについて学習し、「物質の状態と変化」、「溶液の性質」では物質の状態について学ぶ。さらに、「化学反応と熱・光」では化学反応とエネルギーの関係性について学習し、「化学反応の速さ」、「化学平衡」、「電解質水溶液の平衡」では化学反応の速さと平衡についてどのように表すのかについて学ぶ。
【事前学習】 授業前に前回の授業内容を振り返りながら新たに学習する単元を教科書で予習する。
【事後学習】 授業後に年度初めに購入した問題集を解き、授業内容の復習を行う。
注意点:
2年生では、1年生で学んだ個々の原子、分子の理解から、原子、分子の集団のとしての振る舞いを学習することになる。1年生の知識を用いて学習を進めるので、1年生のときに自分が理解不足と思った点については、できるだけ早く正確に理解するよう努めること。化学は物質を対象とした学問であることから、上級学年で学習する各専門分野とも密接に関わってくる。1年生に引き続き、化学は知識の積み重ねによるところが大きいため、正しく理解し、知識として定着させることで、専門分野の学習に活かすことができる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ・授業の進め方・授業を受けるにあたっての注意点を理解する。
2週 酸化と還元
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・酸化、還元の概念を説明できる。
3週 酸化数の計算
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・酸化数の計算ができることと半反応の式の構築ができる。
4週 酸化・還元反応の式の計算
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・酸化剤・還元剤を組み合わせた式の計算ができる。
5週 金属の酸化還元反応と電池のしくみ・実用電池
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・イオン化傾向について説明できる。
・金属の反応性についてイオン化傾向をもとに説明できる。
・電池の内部で起きている化学反応を理解し、化学反応式半反応式を記述できる。
・ダニエル電池を例に、一次電池について説明できる。
・鉛蓄電池を例に、二次電池について説明できる。
6週 化学実験Ⅰ
(講義・演習・グループワーク)
・鉛蓄電池について実験を通して理解できる。
7週 電気分解
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・電気分解の概念とファラデーの法則を理解し、関連する計算ができる。
・電気分解の技術利用例を説明できる。
8週 前期中間試験 ・試験を通して学習を深める。
2ndQ
9週 物質の状態変化
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・物質の状態変化と圧力の概念を説明できる。
10週 気体の状態方程式
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を理解し、関連する計算ができる。
・気体の状態方程式を理解し、気体の性質に関する計算ができる。
11週 溶液の性質
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・希薄溶液の性質を説明できる。
12週 コロイド
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・コロイドの概念と性質を説明できる。
13週 化学実験Ⅱ
(講義・演習・グループワーク)
・コロイドに関する実験を通してコロイドに関する性質を理解できる。
14週 固体の結晶と構造
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・結晶格子のモデルを理解し、各結晶格子に関する計算ができる。
15週 前期期末試験 ・試験を通して学習を深める。
16週 前期の総括
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・前期の授業を振り返り、各人の理解度を把握する。
後期
3rdQ
1週 化学反応と熱
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・化学反応における反応熱を理解し、生活で用いている熱との関係を説明できる。
2週 ヘスの法則
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・化学変換を通したエネルギーを計算し、エネルギー問題を俯瞰して説明できる。
3週 光エネルギー
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・光のエネルギーについて説明できる。
4週 化学反応の速さⅠ
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・反応の速さの考え方を説明できる。
5週 化学反応の速さⅡ
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・反応のしくみを理解し、エネルギー的な観点から明確に説明できる。
6週 化学平衡Ⅰ
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・化学平衡の概念を説明できる。
7週 化学平衡Ⅱ
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・ルシャトリエの原理を説明できる。
8週 後期中間試験 ・試験を通して学習を深める。
4thQ
9週 電離平衡
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・電離平衡を理解し、化学的観点からの水溶液中の平衡について説明できる。
10週 水の電離平衡とpH
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・水の電離平衡を用いてpHを計算できる。
11週 塩と化学平衡
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・緩衝液の作用を説明できる。
12週 金属イオンの分離と確認
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・金属イオンの分離と確認する原理と手法を説明できる。
13週 化学実験Ⅲ
(講義・演習・グループワーク)
・無機イオンの実験を通して、金属イオンの分離と確認する原理と手法を深く学ぶ。
14週 薬品の工業的製法について
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・化学薬品の工業的な製法について説明できる。
15週 後期期末試験 ・試験を通して学習を深める。
16週 一年間の総括
(講義・演習・Think・Pair・Share)
・一年間の授業を振り返り、各人の理解度を把握する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80005015100
基礎的能力80005015100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000