微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0036 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 書名:新微分積分 II  著者:齋藤純一他  出版社:大日本図書
担当教員 田嶋 和明,森 祥仁,浅野 喜敬

到達目標

2変数関数について、偏微分および重積分の基本的な計算ができる。
微分方程式の概念を理解し、簡単な微分方程式を解くことができる。
指数関数、対数関数、三角関数の多項式近似や級数展開を理解し、オイラーの公式が使えるようになる。
教科書の問と練習問題の 60% が解ける水準を目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
初等関数の多項式近似や級数展開を理解する。近似や展開を十分理解し教科書の練習問題が解ける。近似や展開をある程度理解し教科書の問が解ける。近似や展開を理解できず教科書の問が解けない。
2変数関数の偏微分・重積分の計算ができる。偏微分・重積分を十分理解し教科書の練習問題が解ける。偏微分・重積分をある程度理解し教科書の問が解ける。偏微分・重積分を理解できず教科書の問が解けない。
微分方程式の概念を理解して解くことができる。微分方程式を十分理解し教科書の練習問題が解ける。微分方程式をある程度理解し教科書の問が解ける。微分方程式を理解できず教科書の問が解けない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE A1 数学・自然科学を理解し、使いこなせる基礎能力

教育方法等

概要:
まず級数と関数の展開および多項式近似を学ぶ。次に多変数関数(主として2変数関数)の微分 (偏微分) および積分 (重積分) について、基本的な計算と簡単な応用を扱う。1階の変数分離形、1階線形、2階の定数係数線形微分方程式を扱う。
授業の進め方・方法:
専門科目で必要となる多変数関数の微積分の学習を優先させるため、証明はより直観的な説明におきかえ、具体的な計算例を重視する。また、2年生までに学んだ知識について、必要に応じて復習したり、高い見地からまとめ直すことも試みる。予習については、事前に教科書を読み問題を解いてみること。復習については授業内容の確認をし授業でやった問題を必ず解くこと。
注意点:
本科目は大学 1年の数学に相当し、内容的には高度と言える。しかし、授業では証明等の理論的な側面よりは具体例、数値例を重視するので、2年次までの数学が身に付いていれば決して難しくはない。必要に応じて復習しながら、とにかく自分の手を動かすこと (書いて計算する、文章に書く、等) を心掛けて欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 関数の展開 1次近似、2次近似を理解する。
2週 関数の展開
n次近似を理解する。数列の極限が求められる。
3週 関数の展開 無限級数の収束、発散を理解し和を求められる。簡単なべき級数の和を求められる。
4週 関数の展開
マクローリン展開、テイラー展開を理解する。オイラーの公式を理解する。
5週 関数の展開 練習問題を解く。
6週 偏微分
2変数関数について理解する。グラフ、極限値を求められる。
7週 偏微分 偏導関数が求められる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 偏微分 全微分が求められる。接平面の方程式が求められる。合成関数の微分法ができる。
10週 偏微分 合成関数の微分法ができる。練習問題を解く。
11週 偏微分 高次偏導関数が計算できる。
12週 偏微分 極値が計算できる。
13週 偏微分 陰関数の微分法について理解する。
14週 偏微分 条件付き極値が求められる。
15週 偏微分 包絡線の方程式が求められる。練習問題を解く。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 2重積分 2重積分の定義が分かる。長方形領域の累次積分が計算できる。
2週 2重積分 長方形領域でない場合に2重積分が計算できる。積分順序の変更ができる。
3週 2重積分 立体の体積が計算できる。練習問題を解く。
4週 2重積分 極座標による2重積分の計算ができる。
5週 2重積分 変数変換により2重積分が計算できる。広義積分が計算できる。
6週 2重積分 広義積分が計算できる。曲面積が計算できる。
7週 2重積分 重心の座標が求められる。練習問題を解く。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 1階微分方程式 微分方程式の意味、解が分かる。
10週 1階微分方程式 変数分離形が解ける。同次形が解ける。
11週 1階微分方程式 1階線形微分方程式が解ける。練習問題を解く。
12週 2階微分方程式 線形独立を理解する。定数係数斉次線形微分方程式が解ける。
13週 2階微分方程式 定数係数非斉次線形微分方程式が解ける。
14週 2階微分方程式 連立微分方程式、オイラーの微分方程式が解ける。
15週 2階微分方程式 線形でない2階微分方程式が解ける。練習問題を解く。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力800000080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000