到達目標
死生学として「死」について考えた後に、このことを踏まえて、一つの映像作品を鑑賞することでコミュニケーション論(人間と人間が深く交わるコミュニケーションとは何か?)のようなものを展開し、理想的コミュニケーションについて学生諸君が考えるための機会を提供したい。
死刑制度の是非について、主体的に考え、学生諸君一人一人が自分なりの結論に近づく、あるいは、近づけなくとも考え続けるための様々な材料を提供したい。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
意欲・態度 | 積極的に発言・応答できる。 | 積極的ではないが、与えられたテーマについて、発言・応答する姿勢が感じられる。 | 消極的であり、テーマについて考えようとする姿勢が皆無である。 |
関心 | 疑問に思ったことについて主体的に探究する様子が具体的にうかがえる。 | 問いかけに対して、受動的ではあるが、探究しようとする。 | あらゆる問いかけに対し拒絶的であり、無関心である。 |
思考 | レポート等の表現において、明確に言語化し、ユニークな思考過程を示すことができる。 | レポート等の表現において、授業を踏まえた思考過程を示すことができる。 | 言語化が困難であり、表現すべき場においても意欲をみせない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
人文科学ないし近現代文学作品が、科学技術をどのように捉えてきたかをひとつの思考対象とし、文学作品、映像作品などをいくつかの視点から考察します。
授業の進め方・方法:
授業で順番に文学作品や映像作品を提示していきます。各自その中のどれかひとつを選んでレポートの提出をしていただきます。選択については人数の均等配分等はせず、各自自由に選んでいただいて結構ですが、できれば同じ素材を選んだ人同士でディスカッションし、自分のアプローチが他の人とどう違っているかが明確になるように書き、自分がその素材のどこをどう面白がって受け止めたかを表現していただきたいと思います。
注意点:
工学系ではやや馴染みの薄い思考方法などを用いて文学作品などにアプローチしていきます。可能であれば早めにそこに慣れていただければと思います。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
・この授業について(ガイダンス) |
これからの展開について理解する。
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2週 |
夏目漱石:吾輩は猫である |
輸入対象としての西洋のサイエンス、テクノロジーが『吾輩は猫である』でどのような距離感で描かれているのか、確認する。
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3週 |
夏目漱石:三四郎 |
西洋と日本の対照が半ば善悪を伴って判断、描写され、しかもそれが必ずしも断定されず、アンビバレントな価値判断が描かれていることに着目する。
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4週 |
夏目漱石の科学観、倫理観 |
科学や科学的なものへの関心を持っていたにもかかわらず、科学への疑問も持ち、相対的な態度をとった漱石を考察する。
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5週 |
カレル・チャペック:ロボット (R.U.R.) |
1920年に発表されたチャペック『ロボット』で「ロボット」という言葉が創られて100年が経過した。この戯曲が提示したロボットの問題点を、今日私たちも継続して問題点として意識し続けていることを確認し、かつ戯曲の背後にある隠喩、人型ロボットにおける人とは誰のことか、という問題に着目する。ロボットは王なのか、それともロボットは奴隷なのか。
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6週 |
"Metropolis" 1927 |
男のロボット、女のロボット
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7週 |
"2001: A Space Odyssey" 1968 『猿の惑星』シリーズ |
『猿の惑星』の隠喩、時代は猿、だった頃。
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8週 |
"Bladerunner" 1982 "Space Camp" 1986 |
生命体にはあらざる生命体の意識。意識は定義可能だろうか。定義の可不可にかかわらず、私たちが意識のあるなしを了解できるのはなぜだろうか。
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4thQ |
9週 |
身代わりとしての人形 |
身代わりとしての人形、差別と人形、層を構成する社会における科学技術について考察し、人型ロボットがどこまで人に近づくことが求められるのか、思考実験してみる。
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10週 |
私たちは生まれてこないほうが良かったのか? |
そして生まれてこない方が良かったのは私たちだけなのか?21世紀における終末思想とサイエンスについて考察する。
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11週 |
宮崎駿:風の谷のナウシカ 1994 |
予言的言辞と巨神兵。人造生命が悪として描かれたり善として描かれたりすることの意義を考察する。
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12週 |
宇宙研究と映画産業 "Frau im Mond" 1929 "Contact" 1997 "October Sky" 1999とWernher von Braun |
何よりもまずお金を! Hermann Oberthによる宇宙開発黎明期と勃興期の映画産業との関係、そしてその後の宇宙開発資本と映像産業の関係、日本の興亡について考察する。
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13週 |
"Good Bye, Lenin!"2003 とSigmund Werner Paul Jähn |
学問の自由?政治と学問の切っても切れない関係。東西冷戦前後と宇宙開発の関連の描かれ方を考察する。
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14週 |
モンタージュとしての人造生命像、アイコンとなった人造生命像 |
特定の作者による、その作者の創造のみに属する人造生命ではなく、いわば作者から独立し、多くの作者の想像力を喚起し、新たな創造をインスパイアしてきたイメージ、例えばフランケンシュタインの怪物などについて考察する。
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15週 |
物語を紡ぐこと。語りと騙り。 |
物語を紡ぐ行為は人間の根源的な欲求によるのだろうか?人間が意図と目的を持って作った何かが、自らの欲求で物語を紡ぐことがあるのだろうか。
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16週 |
総括 |
レポートを振り返り、今後考え続けていくべきポイントを整理する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 平常点 | レポート | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 20 | 80 | 0 | 0 | 0 | 100 | 200 |
基礎的能力 | 0 | 20 | 80 | 0 | 0 | 0 | 100 | 200 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |