化学特論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学特論
科目番号 0051 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 有機化学 発行所:東京化学同人
担当教員 佐藤 徹雄

到達目標

(目的)
体系的に化学について学ぶことで身近な現象や身の回りの物質の性質を説明できるようになる
(目標)
原子・分子の性質を用いて身の回りの物質の性質、身近な現象を説明できる
金属、セラミック、有機材料について性質とその応用例を説明できる
熱力学を用い、化学反応の制御手法を提案できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原子・分子からマクロへ原子の電子配置、分子の形状から物質の性質を説明できる。原子の電子配置、分子の形状から物質の性質を説明できるが、論理的な誤りがある。原子の電子配置、分子の形状と物質の性質を関連付けることができない。
金属、セラミック、有機材料の性質金属、セラミック、有機材料の性質について身近な製品を例に説明できる。金属、セラミック、有機材料の性質について説明できるが、製品への応用との関連付けが不十分である。金属、セラミック、有機材料の性質について説明できない。
熱力学熱力学の法則を用いて、化学反応の制御を行う手法について説明し、環境問題など身近な問題への応用例を挙げることができる。熱力学の法則を用いて、化学反応の制御を行う手法について説明できる。熱力学の法則を用いて、化学反応の制御を行う手法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
産業界を支えるテクノロジーは全て材料となる物質に支えられています。故に物質について、その性質を原子・分子のミクロレベルから理解することは新しいテクノロジーの提案・開発につながります。
本授業では、前半では一般科目の化学で学んだ内容を発展させながら原子の結合の仕方で金属、半導体、セラミック、高分子、電池など様々な物質が作られる原理とその性質を体系的に学びます。また、後半では熱力学を通して物質の作り方について学ぶことで、講義修了時にエンジニアに必要な化学全般の知識とその使い方を習得します。
一般科目の化学では単に暗記で終わっていた知識に肉付けを行うことで、化学分野での研究に必要な背景が身につきます。また各論を学ぶ前に俯瞰的に化学を学ぶことで、これから学ぶ各論を自分で関連づけられるようになります。
授業の進め方・方法:
本授業では授業前半は教員による講義を通じて知識の獲得を行い、授業後半は四人一組でジグソー法、ピアインストラクション、ポスターツアーなどのグループワークにより受講者が知識を活用し議論する構成になっているため積極的な授業参加が求められます。
授業後半では文献をwebで調査する活動を行います。端末は自身のPC、タブレットを持参して構いませんが、各グループに一台ずつタブレット端末を準備しています。

予習:授業トピックについて動画などのweb教材を用いた事前学習を行う。
復習:授業トピックについてレポートなどの事後課題を行う。
注意点:
毎回の講義においてシャトルカードを提出する。シャトルカードには毎回の授業の評価と改善希望点を記入する。講師と共に、良い授業を作るため忌憚無い意見をフィードバックして下さい。この講義の主役は学習者である君達です。

授業への質問はシャトルカードに書いてくれれば回答します。
また、オフィスアワーに直接質問に来ること、メールでの質問どちらも歓迎します。
オフィスアワー 金曜日16:10~17:10、月曜日4校時
メール:sekido@sendai-nct.ac.jp

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「ガイダンス」
「気体の研究と原子・分子仮説〜アボガドロはどうやって原子を見つけたか?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
原子・分子の存在がどのような発見を通してなされたか説明できる
アボガドロ数、モルを使った計算ができる
2週 「原子核と電子の発見〜Bohrモデルは万能?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
原子核・電子がどのような発見を通してなされたか説明できる
Bohrモデルで扱えること、扱えないことを分類して説明できる
3週 「原子モデルの変遷〜なぜ量子モデルが必要か?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
Schrödinger方程式の解釈を説明できる
Bohrモデルと量子モデルの違いを説明できる
4週 「原子の集合の仕方〜金属・共有・イオン結合の違いは?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
イオン化傾向、電子親和力について半閉殻から説明できる
ルイス構造を用いて結合比を予測できる
5週 「金属結合〜金属光沢とは何か?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
金属結合と延性、展性、金属光沢を関連づけて説明できる
6週 「金属と合金〜金属の結晶は何によって決まるのか?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
結晶構造とイオンの大きさについて説明できる
7週 「半導体とLED〜青色LEDはなぜ凄い?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
バンド理論を用いて半導体とは何か説明できる
2原子で作る半導体(閃亜鉛鉱型)の組み合わせを予想できる
8週 「振り返り」
Think・Pair・Share、ジグソー法
1週から7週の内容について、演習問題を解き解説することができる
2ndQ
9週 「分子の形と相互作用〜氷はなぜ水に浮くのか?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
分子間に働く相互作用を分類し説明できる
分子の集合の仕方から物質の性質を説明できる
10週 「配位化学〜ルビーとサファイアは同じ物質〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
分子間力から熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の性質を説明できる
官能基と主鎖の構造から高分子の性質を予測できる
11週 「高分子〜プラスチックは硬い?柔らかい?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
分子間力から熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の性質を説明できる
官能基と主鎖の構造から高分子の性質を予測できる
12週 「電気化学と電池〜電池はいつ出来た?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
酸化・還元とは何か説明できる
電池の仕組みを説明できる
13週 「熱力学の基礎〜エントロピーとは何か?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
エントロピー、エンタルピーが状態量であることを説明できる
熱力学第一、第二法則を説明できる
14週 「化学平衡〜排気ガスをキレイにするには?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
ルシャトリエの原理を用い反応を制御する条件を提案できる
化学平衡について説明できる
15週 「振り返り」
Think・Pair・Share、ジグソー法
9週から14週の内容について、演習問題を解き解説することができる
16週 「反応速度論〜古い物質の年代鑑定はどうする?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
化学変化と反応物の濃度を関連付けて説明できる
触媒の役割を説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度レポート提出合計
総合評価割合0002080100
基礎的能力00004040
専門的能力00004040
分野横断的能力000000
授業への参加状況00020020