到達目標
本講義は1840 年のアヘン戦争勃発から 1972 年の日中国交正常化までの日中文化交流史を論ずる。国境を越えた日中知識人の文化交流活動を、様々な視点(歴史、文学、芸術、映画など)から多角的に考える。また現在、自分の既存認識と異なる思考様式と出会うとき、どのような姿勢で他者を考え、どのような自分を再発見できるのか。こうした思考を通じて、異文化理解の力を身につけることを本授業の最終目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | テキストを正確に解読し、多角的に考える。 | テキストを正確に解読できる。 | テキストを正確に解読できない。 |
評価項目2 | 日中知識人の交流活動について十分に理解できる。 | 日中知識人の交流活動についてほぼ理解できる。 | 日中知識人の交流活動について理解できない。 |
評価項目3 | 日中文化交流史の流れについて十分に理解できる。 | 日中文化交流史の流れについてほぼ理解できる。 | 日中文化交流史の流れについて理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
「山川異域、風月同天」というように、日中両国の文化交流は長い歴史を持って深い絆を育んできた。似通った文化基盤を持つ日中知識人が、特に近代の紛争と対立の中で、どのような文化交流活動を行っており、どのように隣国を考えてきたのか。これらの問題意識に基づいて、本講義は1840 年のアヘン戦争勃発から 1972 年の日中国交正常化までの日中文化交流史を論ずる。国境を越えた日中知識人の文化交流活動を、様々な視点(歴史、文学、芸術、映画など)から多角的に考える。また現在、自分の既存認識と異なる思考様式と出会うとき、どのような姿勢で他者を考え、どのような自分を再発見できるのか。こうした思考を通じて、異文化理解の力を身につけることを本授業の最終目標とする。
授業の進め方・方法:
講義担当者が作成した資料に基づいて講義を進める。なお、講義の内容によって映像資料・史料を追加する場合もある。受講者はそれらの内容を丁寧に読んで理解を深めてほしい。また、評価については、期末レポートと授業への参加度で評価する。
注意点:
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、コース選択 |
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2週 |
幕末の日本人が見た二つの上海 |
「千歳丸」随員が書いた上海見聞録の内容について理解できる。
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3週 |
清代駐日公使館員の文化交流活動 |
楊守敬の日本訪書活動について理解できる。
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4週 |
清仏戦争期の日本人の清国渡航 |
漢学者・岡千仭の清国渡航について理解できる。
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5週 |
日清戦争後の中国人の日本留学 |
魯迅「藤野先生」の内容について理解できる。
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6週 |
お雇い日本人教習と京師大学堂 |
服部宇之吉の教育活動について理解できる。
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7週 |
ドキュメンタリー鑑賞 |
ドキュメンタリーの内容について理解できる。
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8週 |
中国革命の先覚者と日本人の支援者 |
孫文と宮崎滔天、梅屋庄吉の交流活動について理解できる
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2ndQ |
9週 |
日本の社会運動家が見た中国の辛亥革命 |
北一輝の辛亥革命体験について理解できる。
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10週 |
中国の五・四運動と日本の知識人 |
北京大学学生訪日団と吉野作造の関係について理解できる。
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11週 |
中国画家が見た大正ロマン |
豊子愷と竹久夢二の『夢二画集』の関係について理解できる。
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12週 |
日本の文豪たちの中国訪問 |
内山書店を窓口にした谷崎潤一郎の交流活動について理解できる。
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13週 |
戦時下の日中映画交渉 |
『木蘭従軍』の背景と内容について理解できる。
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14週 |
日中国交正常化前の芸術交流 |
京劇・梅蘭芳の三回目の日本公演について理解できる。
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15週 |
期末レポート |
レポートの作成
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16週 |
レポートの返却と要点の解説 |
授業のまとめ
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 期末のレポート | 授業への参加度 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 20 | 50 |
専門的能力 | 20 | 10 | 30 |
分野横断的能力 | 10 | 10 | 20 |