到達目標
慣れ親しんだ思考方法とは異なる思考方法があることを知り、面倒でもその思考方法に馴染み、時間上・歴史上に異なる社会、地理上に異なる人間の有りようを理解しようとする態度を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 構造の概念を大づかみにできる | 構造らしきものがある、ということが受け入れられる | 「構造」に意義を見出すことができない |
評価項目2 | 親族研究の基礎用語が使える | 親族研究の基礎用語を理解できる | 婚姻関係が集団にとって意味するところが理解できない |
評価項目3 | 指差する行為、思考が社会の様々な局面で意味するところに着目できる | 個別の差異が単独で持つ意味を示されれば、個別の重要性は理解できる | 差異に鈍感 |
評価項目4 | 自然科学が取り扱わないフィールド、ないし自然科学では取り扱えないフィールドにおいても、人間一般にとって重要な事柄が存在があることを理解し、関心を持って取り組むことができる。 | 自然科学が取り扱わないフィールドにおいても、人間一般にとって重要な事柄が存在し、関心を持つに値することがあることを感じられる。 | 自然科学が取り扱わないフィールド、ないし自然科学では取り扱えないフィールドにおいても、人間一般にとって重要な事柄が存在し、関心を持つに値することがある、ということが理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
異文化を価値評価の観点からだけではなく、受容する手段としての構造主義を、その成立事情、思想としての意義について総論的な理解をし、その上で、構造主義なくしては成立しなかったかもしれない応用分野について扱う。
授業の進め方・方法:
普段勉強している分野からは離れた分野についての、馴染みのない思考スタイルは、どこが重要で、なぜそれが重要なのか、理解が難しいものであるけれども、授業担当者は何を面白がってそういったこと扱っているのかが伝わるよう、努力したい。
対面授業を実施するが、履修登録者に対しては遠隔配信も同時に行う。
注意点:
適宜、練習問題、考察のきっかけとなるような問題を、可能であれば身近な話題に絡めて提起するので、面倒くさがらずに思考して欲しい。最終的には受講者同士でディスカッションした上で、その成果を盛り込んだ解答を求めます。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
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2週 |
ソシュールの言語学 |
言語の恣意性、示差性が人間存在にとって意味することが理解できる。
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3週 |
レヴィ=ストロースらによるインセストタブー分析 |
人間にとっての交換が意味するところが理解できる。
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4週 |
平行イトコ婚と交叉イトコ婚 |
単純な婚姻規則が繰り返された時に生じる現象を理解できる。
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5週 |
レヴィ=ストロースの神話分析 |
レヴィ=ストロースの神話分析によって、価値が、「聖典」「オリジナル」としてのテクストから、テクストを解読・分析する行為へと移った事情を理解する。
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6週 |
構造主義によるトーテム分析 |
トーテムがどのような構造で成立しているのか、構造主義の視点から理解する。
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7週 |
象徴 |
象徴の塊のダイナミズムについて、考察できる。
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8週 |
聖俗循環 − ハレという現象 |
構造主義を通時的、あるいは空間的に適用する手段としての、聖俗3項について学ぶ。
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2ndQ |
9週 |
通過儀礼 – ヒトの一生は旅か? |
ヒトの人生を貫く通過儀礼を、聖俗の概念との関連で考察する。
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10週 |
世直し運動、終末思想、災害ユートピアと聖俗循環 |
聖俗循環のバリエーションとしての終末思想の具体例について検討する。
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11週 |
刑罰の歴史 |
西洋中世の刑罰の歴史に触れ、刑罰を科すことが共同体内外に引いた境界線の意味するところについて理解できる。
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12週 |
刑罰の歴史と差別 |
どのような記号上の操作によって、スティグマが取り除かれるのか、差別の恣意性などについて理解できるようになる。
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13週 |
貨幣 |
貨幣とその象徴的な機能について理解する。
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14週 |
異常 |
異常が創出される仕組みを理解する。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 10 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 0 | 0 | 10 | 0 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |