微分積分Ⅲ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 微分積分Ⅲ
科目番号 0142 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 名取キャンパス一般科目 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 書名:新微分積分 II  著者:齋藤純一他  出版社:大日本図書
担当教員 徳能 康

到達目標

2変数関数について、偏微分および重積分の基本的な計算ができる。
微分方程式の概念を理解し、簡単な微分方程式を解くことができる。
指数関数、対数関数、三角関数の多項式近似や級数展開を理解し、オイラーの公式が使えるようになる。
教科書の問と練習問題の 60% が解ける水準を目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
初等関数の多項式近似や級数展開を理解する。近似や展開を十分理解しレベルの高い問題が解ける。近似や展開をある程度理解し基本的問題が解ける。近似や展開を理解できず基本的な問題が解けない。
2変数関数の偏微分・重積分の計算ができる。偏微分重積分を十分理解し高レベル問題が解ける。偏微分・重積分をある程度理解し基本問題が解ける。偏微分・重積分を理解できず基本的問題が解けない。
微分方程式の概念を理解して解くことができる。微分方程式を十分理解しレベルの高い問題が解ける。微分方程式をある程度理解し基本的問題が解ける。微分方程式を理解できず基本的な問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期では、まず関数の展開を学ぶ。次に多変数関数(主として2変数関数)の微分 (偏微分) および積分 (重積分) について、基本的な計算と簡単な応用を扱う。後期では、微分方程式を扱う。微分方程式は時刻とともに変化する現象を記述する数学的道具として重要である。色々な例を題材に、典型的なタイプの解法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
専門科目で必要となる多変数関数の微積分の学習を優先させるため、証明はより直観的な説明におきかえ、具体的な計算例を重視する。また、2年生までに学んだ知識について、必要に応じて復習したり、高い見地からまとめ直すことも試みる。予習については、事前に教科書を読み問題を解いてみること。復習については授業内容の確認をすること。
注意点:
本科目は大学 1年の数学に相当し、内容的には高度と言える。しかし、授業では証明等の理論的な側面よりは具体例、数値例を重視するので、2年次までの数学が身に付いていれば決して難しくはない。必要に応じて復習しながら、とにかく自分の手を動かすこと (書いて計算する、文章に書く、等) を心掛けて欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 関数の展開
多項式による近似について理解する。
2週 関数の展開
数列の極限と級数について理解する。
3週 関数の展開
べき級数とマクロ―リン展開について理解する。
4週 偏微分法
2変数関数について理解する。偏導関数を求めることができる。
5週 偏微分法
接平面を求めることができ、多変数の合成関数の微分ができる。
6週 偏微分の応用
第2次偏微分係数を用いて、2変数関数の極値を求めることができる。
7週 偏微分の応用 陰関数の微分法や条件つき極値問題など、いろいろな応用を理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 2重積分 2重積分の定義を理解する。2重積分を累次積分に直して値を計算することができる。
10週 2重積分 累次積分の計算、積分順序の変更ができる。
11週 変数の変換と重積分 極座標変換、変数変換によって2重積分の値を計算できる。
12週 変数の変換と重積分 広義積分、曲面積が計算できる。
13週 前期期末試験
14週 変数の変換と重積分 広義積分の応用、重心が計算できる。
15週
16週
後期
3rdQ
1週 1階微分方程式 微分方程式の意味、基本的な用語や記号を理解する。
2週 1階微分方程式 基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。
3週 1階微分方程式 基本的な1階線形微分方程式を解くことができる。
4週 2階微分方程式 関数の線形独立性と、線形微分方程式の基本的な性質を理解する。
5週 2階微分方程式 定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。
6週 2階微分方程式 定数係数2階非斉次線形微分方程式を解くことができる。
7週 2階微分方程式 連立微分方程式、線形でない2階微分方程式が解ける。
8週 後期中間試験
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000