語彙力増強を目的とし、教材の文章で使われている表現のうち、抽象概念を表す名詞、抽象的な動作を表す動詞を含め、難解すぎる語彙は対象外とするが、基礎的な語彙、表現が自分が使える道具になるよう、記憶していくことを目標とする。これと並行して、簡潔でダイナミックかつ平易なヘミングウェイの『老人と海』のテキストをプリント配布し、翻訳も参照しながら一定以上のスピードで、年間を通して読み進めていく。
概要:
言語の受容能力は、日常においては表現に対する反応スピードと一定の関係が認められるので、反応スピードを短縮することを目的とし、一定の短時間に限定し、その間の反応回数を増やすことで記憶トレーニングを実施します。瞬間に反応できる情報量が多いと、超えなければならない学習上の段差、ギャップのようなものの大きさを小さくすることができます。このことを意識することによって学習上の注意点が見えると、様々な分野の学習にも応用できるようになると思います。
授業の進め方・方法:
毎回の授業の前半は上記指定教科書を用います。後半でヘミングウェイのテキストを確認し、最後に上記指定教科書で出てくる語彙を記憶する時間を設け、確認のための口頭テストを実施します。口頭テストの対象にした語彙は定期試験でも出題するので、授業のたびに復習し、定期試験前には再度記憶の定着を図ってください。ヘミングウェイのテキストは、複数翻訳がありますから、自力で予習をしておくとともに、様々な翻訳等も十分参考にして準備してください。翻訳は上手に使えば大いに勉強の役にたちます。
注意点:
語学力にはすでにかなり個人差が生じていることが予想されますが、実用語学は、滑らかな右肩上がりではなく、努力の効果は段階的にしか実感できないことが多いですが、どの段階であれ、その時点で覚えたことがその時点での実力となります。そこを拠り所に、訓練を続けて欲しいと思います。
なお、下記授業計画はACADEMIC初級のテキストについてのみ記し、ヘミングウェイについては特に記しません。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
What is social business?(1) |
経済、社会関連の表現を覚える。
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2週 |
What is social business?(2) |
経済、社会関連の表現を覚える。
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3週 |
What is social business?(3) |
経済、社会関連の表現を覚える。
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4週 |
Crisis management in organizations(1) |
企業経営、営業活動などに関連する語彙に親しむ。
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5週 |
Crisis management in organizations(2) |
企業経営、営業活動の危機管理に関連する語彙に親しむ。
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6週 |
Problems with intellectual property |
Copy right, copy leftに関わる概念と語彙を覚える。
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7週 |
What can be patented?(1) |
特許権に関わる概念と語彙を覚える。
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8週 |
What can be patented?(2) 中間試験 |
特許権に関わる概念と語彙を覚える。
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2ndQ |
9週 |
What is accurate thinking?(1)〜(2) |
元祖ビジネス書ナポレオン・ヒルの文章を眺めてみる。
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10週 |
What is accurate thinking?(3) |
元祖ビジネス書ナポレオン・ヒルの文章を眺めてみる。
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11週 |
Multiple intelligences(1) |
教育論の英語に触れ、表現を覚える。
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12週 |
Multiple intelligences(2) |
教育論の英語に触れ、表現を覚える。
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13週 |
How to transcend your body or illness |
イギリス経験主義哲学の祖フランシス・ベーコンのイドラ概念と関連づけ、ALSに罹患した教師の健康論を読む。
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14週 |
How to transcend your body or illness |
ALSに罹患した教師の健康論をヒントに、涵養可能かつ評価可能な人間の能力の範囲を広く捉える議論を読む。
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15週 |
前期末試験 |
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16週 |
試験の解説と復習 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
Freud's thoughts about war(1) |
フロイトの視点から第一次世界大戦を考察する文章を読む。
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2週 |
Freud's thoughts about war(1) |
フロイトの視点から第一次世界大戦を考察する文章を読む。
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3週 |
Freud's thoughts about war(2) |
フロイトの視点から第一次世界大戦から第二次世界大戦への時期を考察する文章を読む。
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4週 |
Freud's thoughts about war(2) |
フロイトの視点から第一次世界大戦から第二次世界大戦への時期を考察する文章を読む。
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5週 |
Freud's thoughts about war(3) |
フロイトとアインシュタインの戦争観を考察する。
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6週 |
Freud's thoughts about war(3) |
フロイトとアインシュタインの戦争観を考察する。
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7週 |
Shall we choose death?(1) |
近年読まれることの少なくなったBertrand Russelの戦争論を読み、哲学者の用いる一般読者に宛てた語彙に習熟する。
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8週 |
Shall we choose death?(1) |
近年読まれることの少なくなったBertrand Russelの戦争論を読み、哲学者の用いる一般読者に宛てた語彙に習熟する。
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4thQ |
9週 |
Shall we choose death?(2) |
近年読まれることの少なくなったBertrand Russelの戦争論を読み、哲学者の用いる一般読者に宛てた語彙に習熟する。
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10週 |
Shall we choose death?(2) |
近年読まれることの少なくなったBertrand Russelの戦争論を読み、哲学者の用いる一般読者に宛てた語彙に習熟する。
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11週 |
Shall we choose death?(3) |
近年読まれることの少なくなったBertrand Russelの戦争論を読み、哲学者の用いる一般読者に宛てた語彙に習熟する。
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12週 |
Shall we choose death?(3) |
近年読まれることの少なくなったBertrand Russelの戦争論を読み、哲学者の用いる一般読者に宛てた語彙に習熟する。
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13週 |
Anne's diary(1) |
アンネ・フランクについて書かれた伝記の語彙に習熟する。
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14週 |
Anne's diary(2) |
アンネ・フランクについて書かれた伝記、およびその中で英訳されたアンネの日記から語彙を学ぶ。
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15週 |
後期末試験 |
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16週 |
試験の解説と復習 |
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