工作実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 工作実習Ⅰ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 書名:機械工作要論     著者:大西久治ほか     発行所:理工学社
担当教員 高橋 学,奥村 真彦

到達目標

 各種工作法の技能及び技術を習得するとともに、技術者として望ましい態度や習慣を身に付けることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 授業では実際に機械を操作し、作品を製作することによって、加工技術及びその科学的根拠、各種材料の特性、図面と工作の関係などを総合的に修得する。実習は、仕上・測定、旋盤、木型・鋳造、溶接、数値制御(NC)機械の5つの分科について行う。5分科を通して、ボール盤関連基本作業、帯鋸盤作業、コンターマシン作業、旋盤基本作業、ガス・アーク溶接の基本作業、グラインダー作業等、各種工作機械とその付属部品及び各種測定器と工具について構造、名称及びその使用方法を習得する。また、作業における安全意識の啓発を図る。
授業の進め方・方法:
注意点:
参考書は関連図書を図書館に多く揃えてある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実習のこころえ 実習の目標と心構え、レポートの作成の仕方
2週 仕上・測定 (測定機器の取り扱い方) [中田] ノギス、マイクロメータ、ハイトゲージの取り扱い及び測定法
3週 仕上・測定 (機械加工) 【文鎮台座の製作】
フライス盤主要部の構造と機能、基本操作
4週 仕上・測定 (機械加工) フライス盤による平面切削、高速帯鋸盤基本作業
5週 仕上・測定 (手仕上げ) けがき、ボール盤による穴あけ、ねじ立て工具によるねじ切り
6週 仕上・測定 (手仕上げ) やすりによる手仕上げ作業
7週 レポート作成資料調査 レポート作成のための資料を調査できる
8週 旋盤 (基本操作) [青木] 旋盤主要部の構造、機能と基本操作
2ndQ
9週 旋盤 (機械加工) 【文鎮つまみの製作】
非鉄金属(黄銅)の端面削り、段付削り、溝入れ
10週 旋盤 (機械加工) 突っ切り、ねじ立て工具によるねじ切り(おねじ)
11週 旋盤 (機械加工) 【鋼材の加工】
炭素鋼(S45C)の端面削り、穴あけ
12週 旋盤 (機械加工) センタ作業による外丸削り
13週 木型・鋳造 (鋳型製作) [加藤] 【卓上万力鋳物の製作】
鋳型の構造、砂型製作練習
14週 木型・鋳造 (鋳型製作) 卓上万力の砂型製作、溶解準備
15週 木型・鋳造 (溶解作業) 高周波誘導電気炉による鋳鉄の溶解、鋳込み
16週 レポート作成資料調査 レポート作成のための資料を調査できる
後期
3rdQ
1週 木型・鋳造 (鋳仕上げ) 鋳仕上げ(卓上万力鋳物の完成)
【Vブロック木型の製作】
けがき作業
2週 木型・鋳造 (木型製作) Vブロック木型の加工、仕上げ
3週 溶接 (切断作業) [菅原] 【金属材料の切断】
ガス切断器等を用いた材料の切断
4週 溶接 (ガス溶接) 【ガス溶接の基本作業】
ガス溶接で用いるガス、装置、ガス溶接棒の扱い方
5週 溶接 (ガス溶接とアーク溶接) ガス溶接による下向き突合せ溶接作業
【アーク溶接基本作業】
アーク溶接の原理、装置、器具の扱い
6週 溶接 (アーク溶接) アーク溶接による下向き突合せ溶接作業
7週 溶接 (各種溶接) 【各種溶接機による溶接作業】
TIG溶接、炭酸ガスアーク溶接、スポット溶接の基本作業
8週 校外研修 地元企業での工場見学
4thQ
9週 NC機械 (NCの特徴) [高橋(裕)] 【ネームプレートの製作】
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理
10週 NC機械 (プログラム作成法) NCの方式、プログラミングの流れ、ネームプレートの図面作成
11週 NC機械 (プログラム作成) プログラミング作業
12週 NC機械 (シミュレーション) NCデータのシミュレーション作業
13週 NC機械 (NC機械加工) 各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作、実機加工
14週 レポート作成資料調査 レポート作成のための資料を調査できる
15週 危険予知トレーニング (KYT) 災害防止と安全確保を目的とした危険予知訓練
16週 総復習 実習内容について理解を深めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。2前13,前14
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。1前14
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。1
鋳物の欠陥について説明できる。1前15
溶接法を分類できる。2後3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。2後4,後5
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。2後5,後6
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。1後7
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。1前8
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。1前8
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。1前3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。1前5
切削工具材料の条件と種類を説明できる。1
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。1
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。1
材料Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。1前15
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。1前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。1前1
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。1前6,前11
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。1前2
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。1前2
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。1前2
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。1前5
やすりを用いて平面仕上げができる。1前6
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。1前5
ガス溶接で用いるガス、装置、ガス溶接棒の扱いかたがわかる。3後3
ガス溶接の基本作業ができる。3後3,後5
ガス切断の基本作業ができる。3後3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3後5,後6
アーク溶接の基本作業ができる。3後5,後6,後7
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。1前7
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。1前8,前9,前10,前11
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。1前3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。1前3,前4
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。1前5
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。2後9
少なくとも一つのNC工作機械について、プログラミングができる。2後11
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。2後12,後13
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。1前7,前16,後14
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。1前7,前16,後14

評価割合

実習レポート作品機械操作態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合12030150000300
基礎的能力401050000100
専門的能力401050000100
分野横断的能力401050000100