到達目標
・脆性・延性材料について、破壊規準を理解するとともに圧力容器等の設計に応用できる。
・破壊力学的パラメータの意義を理解し、き裂材の基本的解析ができる。脆性破壊防止や材料選択などへ応用できるようになる。
・疲労破壊やクリープ変形・破壊において、試験法や損傷に影響する重要因子の理解できることや、寿命評価等ができるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | | | |
評価項目2 | | | |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械要素・構造物の安全性・健全性を評価・確保するための手段を提供するのが材料強度学である。このため、産業界においては習得しておくことが強く求められる必須の科目でもある。
まず、基礎的材料強度学的試験法,降伏・破壊強度の評価手法,さらにこれらの特性値の機器・構造物への適用法を学習する。次いで、強度特性に大きな影響を及ぼすき裂や欠陥について学び、き裂の力学である破壊力学の基礎と工学的応用について習得する。さらに、現実の損傷・破壊原因として脆性破壊、疲労破壊、クリープ変形・破壊を取り上げ、それぞれの破壊現象、その防止法について習得する。
授業の進め方・方法:
本講義においては、材料強度学に関する基礎的原理や事項を学ぶとともに、特に、その応用を重要視し、基礎的事項をどのように適用するかについて重点を置く。このため、基礎的事項の説明の後、応用を目的とした演習問題に取り組むことにより、内容の理解とともに実用的な応用法を理解する。5回程度の演習を予定している。
注意点:
本講義は、3年、4年時に学んだ材料力学と関連する科目である。適宜、必要に応じて材料力学の内容を復習すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
機械要素・構造物の損傷・破壊の原因がわかる.
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2週 |
一軸引張強度試験 |
試験法と評価パラメータを理解する.
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3週 |
破壊規準と応用―1 |
脆性破壊と延性破壊について破壊規準を理解する.
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4週 |
破壊規準と応用―2 |
破壊規準を構造物の設計へ応用する.(演習問題)
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5週 |
き裂の意義 |
破壊強度に及ぼすき裂の影響を認識できる.
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6週 |
破壊力学ー1 |
き裂端応力との関係で応力拡大係数の意義を理解.
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7週 |
破壊力学-2 |
破壊靱性値の意味を理解できる.
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8週 |
破壊力学-3、中間試験 |
簡易なき裂部材の破壊解析ができる.(演習問題)
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2ndQ |
9週 |
フラクトグラフィー |
脆性・延性破壊、疲労破壊の破面と特徴がわかる.
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10週 |
非破壊評価技術 |
超音波法や電位差法等の原理が理解できる.
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11週 |
疲労破壊―1 |
試験法と疲労強度特性の評価法がわかる.
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12週 |
疲労破壊―2 |
疲労現象の重要な影響因子が理解できる.(演習問題)
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13週 |
疲労破壊―3 |
疲労き裂進展速度試験・評価法がわかる.(演習問題)
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14週 |
クリープ変形・破壊―1 |
試験法とクリープ強度特性の評価法がわかる.
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15週 |
クリープ変形・破壊―2 |
加速試験法と寿命評価法が理解できる.
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16週 |
まとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 材料 | 引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。 | 4 | 前2 |
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。 | 4 | 前7 |
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 4 | 前13 |
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 | 4 | 前15 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |