到達目標
機械設計における各種の力学の応用手法を理解し説明できること。
機械的構造を理解し、機械部材・要素の設計ができること。
設計・CAD製図を通し、設計部品の組み合わせによる機械的構造を正しく理解できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
与えられたスペックを満たすための性能・強度計算をして設計書を作成できること | 設計書の内容(設計方針・ 丁寧さ・正確さ・修正経過等)が極めて良好なもので、なおかつ単元毎の提出期限を厳守している | 設計書の内容が良好なもので、なおかつ期限を守り提出している | 設計書が未提出または、設計書の内容に著しい不備がある |
その設計書に基づき、CADによりJIS製図規格に準じた図面の作成ができること | 製作図について、内容(設計書との対応・形状構造の独自性・操作や保守と言った機能性・JIS製図規約に沿った表現表記・製作に必要な寸法記入等)が極めて良好なもので、なおかつ提出期限を厳守している | 作成する図面について、その内容が設計書の内容に準じており、製作図として容認されるもので、なおかつ期限を守り提出している | 図面の未提出、図面の内容が設計書の内容に全く準じていない、または、著しい不備がある |
機械設計に関する各種の力学の応用手法と、機械部材・要素の機械的構造における役割を理解すること | 機械設計に関する各種の力学の応用手法を扱う課題に取り組み、計算結果やスケッチにより、機械部材・要素の機械的構造における役割を説明できること。 | 機械設計に関する各種の力学の応用手法を扱う課題に対して、その解決に向けた取り組みを計算結果やスケッチにより示せること。 | 機械設計に関する各種の力学の応用手法を扱う課題に対して、その解決につながる取り組みができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学科到達目標 1 機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
学科到達目標 3 社会的課題の解決に向けて自ら考え取り組むための高いエンジニアリングデザイン能力を身に付けること。
学校教育目標 2 創造的で高度な実践的技術者の養成
JABEE 設計・企画・デザインする能力 D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力
教育方法等
概要:
種々の機械の構造や動作原理に関わる設計および製図を行う。材料力学や熱力学等の専門科目で学んだ理論や解析法について具体的な適用例を取り扱い、機械的構造や機構に対する理解を深めると共に、設計課題に対して柔軟に対応し解決できる応用力を身につける。
授業の進め方・方法:
これまでに学習してきた各力学の知識に基づいて、機械要素、運動機構、内燃機関を題材とした各種の設計検討について解説する。
その応用として各自で具体的な機械仕様に応じた設計検討と計算書の作成とCADを用いた作図を行なう。
注意点:
・これまでに習得した知識を活用し、設計計画においては創造力を発揮すること。
・図面作成計画を立て、提出物は期限に遅れないようにすること。
・1~3年次の設計製図の復習を心掛けること。
・設計は主に教室、CAD製図は専攻科棟3階の機械CAD室で行う。
なお、機械CAD室を使用できる時間には限りがあるので、CADによる作図は能率よく進めること。
・普段の予習や復習が大切であり、設計計算やCAD製図の取組では自学自習の時間を有効に使うこと。
・復習では課題で取り組んだ内容を教科書の内容と重ねて確認して、授業内容の理解を深めること。
・予習としては、材料力学や工業力学の分野を中心に、
次回の授業内容と達成目標に関連する応力計算や
モーメント計算の手法を予め見直しをして授業に臨むこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 設計製図の概要 |
設計計画を立案できる。 専門科目と機械設計に関わる事項の関係を理解できる。
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2週 |
ジャッキの設計 |
ねじ部に働く力とトルクを計算できる。 ハンドル棒に作用する曲げ応力を計算できる。
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3週 |
〃 |
アーム長さ、各部材に働く力について理解し、計算できる。
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4週 |
歯車減速機の設計 |
モジュールと歯数の関係から速度伝達比を計算できる。 軸、歯車の強度について検討し、計算できる。
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5週 |
運動機構の設計 |
機構の働きを理解し、その応用について説明できる。
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6週 |
内燃機関の性能試算 |
設計諸元に対応する行程容積・作動ガスの温度と圧力と性能値を計算できる。
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7週 |
ピストンの設計 |
内燃機関において必要とされる構造や機構を理解できる。
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8週 |
〃 |
内燃機関の主運動部分の形状と荷重の作用を理解できる。
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2ndQ |
9週 |
連接棒の設計 |
強度計算により、設計諸元に対応する主運動部分の形状を決定できる。
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10週 |
クランク軸の設計 |
強度計算により、設計諸元に対応する主運動部分の形状を決定できる。
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11週 |
機械部品の作図 |
CADを利用して、各自の設計値に基づいた部品形状を作図できる。
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12週 |
〃 |
〃
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13週 |
〃 |
〃
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14週 |
〃 |
〃
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15週 |
機械構造の作図 |
CADを利用して、設計検討に応じた内燃機関の構造を作図できる。
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16週 |
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設計書、図面を提出できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 製図 | 図面の役割と種類を適用できる。 | 4 | 前1 |
製図用具を正しく使うことができる。 | 4 | 前1,前7 |
線の種類と用途を説明できる。 | 4 | 前1,前7 |
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14 |
図形を正しく描くことができる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14 |
図形に寸法を記入することができる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14 |
部品のスケッチ図を書くことができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5 |
CADシステムの役割と構成を説明できる。 | 4 | 前1,前11 |
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14 |
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。 | 4 | 前2,前4,前5 |
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。 | 4 | 前6,前7,前8,前9,前10 |
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプなどの部品図と組立図を作成できる。 | 2 | 前11,前12,前13,前14 |
機械設計 | 機械設計の方法を理解できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10 |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前7,前8,前9,前10 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 前2 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 前2 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 前4 |
評価割合
| レポート | 設計計算書 | 構造図・組立図 | | | | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 35 | 35 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 15 | 15 | 15 | 0 | 0 | 0 | 45 |
専門的能力 | 10 | 15 | 15 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 5 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 15 |