エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 0166 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 書名:プリント
担当教員 石川 信幸

到達目標

熱の基本法則、熱的諸量の求め方、伝熱現象などについて理解し、熱機器を設計・製造・使用する際に必要な能力を養うことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々のエネルギー形態間の変換の基礎を理解し、応用機器等に関連付けて区別できる。種々のエネルギー形態間の変換を区別できる。種々のエネルギー形態間の変換を区別できない。
評価項目2エネルギー資源とその有効な利用に関する問題を理解し、問題の解決に関わる提案ができる。エネルギー資源とその有効な利用に関する問題を理解できる。エネルギー資源とその有効な利用に関する問題を理解できない。
評価項目3伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。伝熱の基本形態を理解できる。伝熱の基本形態が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学科到達目標 1  機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
学科到達目標 3 社会的課題の解決に向けて自ら考え取り組むための高いエンジニアリングデザイン能力を身に付けること。
学校教育目標 2 創造的で高度な実践的技術者の養成
JABEE 設計・企画・デザインする能力 D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力

教育方法等

概要:
伝熱と熱エネルギーの変換に関する工学の理論や現象・社会との関係について解説する。授業を通して、伝熱に関わる現象の解析を行うための知識や、エネルギ供給と環境との調和について認識を深め、持続可能なエネルギ供給社会システムの提案に寄与できる素養を身に付ける。
授業の進め方・方法:
伝熱現象に関わる実例と理論解析の解説、及び、エネルギーの相互変換に関して特に熱エネルギー変換とその評価を取り上げた解説をプリント資料を用いて進める。また、単元毎には関連事項の例題や演習課題を行う。自学自習による予習や復習を重ねて、基礎となる専門分野の知識や解決能力を修得する。
注意点:
本科目は数学や物理学の基礎分野から続くものであり、その基礎分野の復習は十分に行い理解を深めておくこと。
また、4年次の熱力学に関する知識が前提となるのでよく復習しておくこと。
授業ノートの内容とテキストの説明を読み合わせて、現象の理解に努めること。
次回の授業内容と達成目標、テキスト内容を確認し、復習を重視して自学自習を進めること。
復習では授業ノートの内容とテキストの説明を読み合わせて現象の理解に努めること。
演習は特に重要な項目を扱うので、理解のもとに解き進めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 エネルギー変換と環境保全
伝熱の基礎
一次元定常熱伝導
熱エネルギーと環境保全の関連を理解できる。
温度、伝熱の基本形態、無次元数について理解できる。
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。
2週 多層平板の伝熱
対流熱伝達・熱通過
多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。
自然対流と強制対流、層流と乱流を説明できる。
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。
3週 放射伝熱 黒体の定義を説明できる。
単色放射射率および全放射射率を説明できる。
プランクの法則、ウィーンの変位則、ステファン・ボルツマンの法則を理解できる。
4週 エネルギーの形態とエネルギー変換 種々のエネルギー形態間における変換の基礎を理解できる。
5週 従来型の熱エネルギーとその資源 利用可能な化石エネルギ-とその埋蔵量を理解できる。
6週 ガスサイクルと熱効率 熱機関の熱効率、及び冷凍機・ヒートポンプの成績係数を計算できる。
7週 省エネルギー技術 エネルギー変換の高効率化技術を理解できる。
8週 期末試験
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学の第一法則を説明できる。3後4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3後6
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3後6
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3後6
熱力学の第二法則を説明できる。3後6,後7
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3後6
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3後6
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後6
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。4後7
サイクルをT-s線図で表現できる。4後6
熱の有効エネルギーを説明できる。3後7
伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。4後1,後2,後3
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。4後1
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。4後1
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。4後2
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。4後2
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。3後2
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。3後2
黒体の定義を説明できる。3後3
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。3後3
単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。3後3

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力3500015050
専門的能力3500015050
分野横断的能力0000000