化学工学概論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学概論
科目番号 0167 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 書名:化学工学演習 著者:藤田重文 編 発行所:東京化学同人
担当教員 松下 洋介

到達目標

・ 化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について理解し、各種の計算ができること。
・ 流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を理解していること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
単位単位を考えることによって計算式を立てることができる基本単位,組立単位を理解している基本単位のみ理解している
収支物質収支・熱収支を計算できる物質収支を計算できるフローシートを作成できる
流動ベルヌーイの式を理解できる管内の速度分布を経験式により算出することができるレイノルズ数を計算できる
伝熱熱交換器の性能を評価できる熱貫流を計算することができるフーリエの法則を理解する
蒸留マッケーブ・シール法により蒸留塔の計算ができる蒸留塔の物質収支を計算できる蒸留塔内の物質の移動を理解できる

学科の到達目標項目との関係

学科到達目標 1  機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
学科到達目標 2  未来社会を担う電気・材料分野を融合した新機械工学分野に対する応用力を備えること。
学校教育目標 2 創造的で高度な実践的技術者の養成
JABEE 設計・企画・デザインする能力 D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力

教育方法等

概要:
化学工業は工業で使用される装置・機械・プラントの設計・建設・運転の技術とその基礎をなす学問である。
機械工学技術者として化学プロセス要素を身につけるため伝熱工学の基礎を十分理解し、蒸留、乾燥等を理解することである。
流体の流動、伝熱、蒸留、ガス吸収、抽出、調湿、乾燥、ろ過、粉砕について講義する。
また、物質収支、エネルギー収支、平衡関係、移動論、経済収支を基本にして、機械類のシステム設計についても講義する。
授業の進め方・方法:
化学プロセス要素を身につけるため伝熱工学の基礎と、蒸留、乾燥等の工業操作を理解について、教科書と資料を使って解説する。
各項目の理解度を確認するため、演習を随時行う。
受講に際し、予習として受講する週の授業とその1つ前の週の授のつながりを把握しておくこと。また、授業を受講した後、来週に向けて復習すること。
注意点:
演習には多くの計算が含まれるため、関数電卓を持参すること。
また、流体、熱の流れが基礎になるので、関連科目の理解を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 総論 Chemical Engineering の定義が説明できる。
2週 化学機器材料 化学プロセスの要素が説明できる。
3週 化学機器材料 化学機器の説明ができる。
4週 流体の輸送と計算 管内を流れる流体、管内流体のエネルギー収支、流体の摩擦が説明できる。
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。
5週 伝熱 損失ヘッド、管路輸送、熱交換器熱収支、伝導伝熱。
6週 伝熱 熱伝導による熱流量、熱交換器内の熱流量について説明できる。
7週 蒸気 熱貫流率と熱伝達率、自然対流による伝熱、放射伝熱について説明できる。
8週 蒸留 蒸留の原理を理解し、単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。
2ndQ
9週 蒸留 蒸留の計算についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。
10週 ガス吸収 吸収装置、気体の溶解度、操作線、吸収塔の寸法が説明できる。
11週 抽出 液平衡、単抽出、多段抽出の説明。基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率などの関係する計算ができる。
12週 ガスの湿度・調湿 湿度線図、調湿の操作図、調湿操作の説明ができる。
13週 乾燥 乾燥特性曲線、連続乾燥、装置長さの計算ができる。
14週 ろ過 ろ過、洗浄、真空回転円筒型ろ過器の説明。
粉砕、沈降、ろ過、集じん方法について理解し、必要な計算ができる。
15週 粉砕 粉粒体の分級、粒度、粒度分布、比表面積の説明。分級や粒径分布について理解している。
16週 前期期末試験の返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。2
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。2
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。3
黒体の定義を説明できる。2
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。2
単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。2
化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
分級や粒径分布について理解している。4前15
粉砕、沈降、ろ過、集じん方法について理解し、必要な計算ができる。4前14
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。4
熱伝導による熱流量について説明できる。4
熱交換器内の熱流量について説明できる。4
放射伝熱について説明できる。4
蒸発装置について説明できる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。4

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000