半導体工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書はなし / 教材として NHK ビデオ「電子立国日本の自叙伝」
担当教員 櫻庭 弘,高村 潔

到達目標

半導体集積回路、半導体デバイスのマーケットが指数関数的に拡大していることを理解すること。また、その拡大のきっかけは、20年ごとに起こるイノベーションであることを理解すること。そのイノベーションがどのようなものであったか技術的に説明できること。
今後、どのようなイノベーションが期待されてるいるのか技術的に予測できるようになること。
NAND型フラッシュメモリーのマーケットが拡大した理由を技術的に説明できること
バイポーラトランジスタとMOSFETのメリット・デメリットが相補関係にあるこを説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体デバイスのイノベーションが20年周期で起きていることを説明できるどのような半導体デバイスがどこで、どのように役にたっているのか、10例を具体的に述べることができる半導体デバイスが世の中のどこにやくだっているか説明できない
評価項目2NANDフラッシュのマーケットが拡大した理由を技術的に説明できるNANDフラッシュの動作原理を説明できるフラッシュメモリの動作原理が説明できない
評価項目3バイポーラトランジスタとMOSFETのメリット・デメリットが相補関係にあることを説明できるバイポーラトランジスタとMOSFETのメリット・デメリットを述べることができるトランジスタの動作原理が説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1. 電気工学の基礎と技術の習得により、多岐に亘る応用分野を互いに関連づけながら総合的に支え発展させると共に、技術者として社会に貢献する人材の養成を目標とする。
JABEE D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力
資格 3 基本情報技術者試験
資格 4 JABEE

教育方法等

概要:
半導体集積回路がかつてなぜ産業の米といわれたのか、それからなぜ衰退したのか、そしてこれから何をしなければならないのか、技術的な観点、マーケットの拡大の観点から学んでいく
授業の進め方・方法:
ビデオを見て、技術的なキーワードを調査する方法。
グループによる調査、討論、検討。
解説ビデオの製作などによって知識を深つつ、考え方を研ぎ澄ます。
事前学習(予習):毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと
事後学習(復習):毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体集積回路(1) Siの採掘から、半導体集積回路になるまでの製造工程を説明できる
2週 半導体集積回路(2) 真空管からトランジスタ、トランジスタからDRAM・CPU、DRAMCPUからフラッシュメモリと、半導体のマーケットサイズは置き換えによってさらに発展したことを説明できる
3週 半導体集積回路(3) 電卓戦争が半導体集積回路の発展に寄与したことを説明できる
4週 半導体集積回路(4) メモリーとマイクロプロセッサーの発展が半導体集積回路の発展を支えたことを説明できる
5週 NAND型フラッシュメモリー 現在の半導体産業は、NAND型フラッシュメモリーによって支えられていることを説明できる
6週 MOSFETの動作原理と特性 MOSFETの動作原理と特性をひらたく専門用語を用いずに説明できる
7週 バイポーラトランジスタの動作原理と特性 バイポーラトランジスタの動作原理と特性をひらたく専門用語を用いずに説明できる
8週 MOSFETとバイポーラトランジスタの比較 MOSFETとバイポーラトランジスタのメリットとデメリットが相補関係になっていることを説明できる
2ndQ
9週 MOSFETとバイポーラトランジスタを超えるトランジスタとは MOSFETとバイポーラトランジスタのメリットを生かしデメリットを克服するトランジスタを考案できる
10週 SGTのさらなるメリット SGTのメリットを集積回路の微細化の観点より説明できる
11週 SGTのさらなるメリット その2 SGTのメリットを量子力学的な観点から説明できる
12週 フラッシュメモリーの構造と動作原理 フラッシュメモリの構造と動作原理を説明できる
13週 フラッシュメモリーの発展 フラッシュメモリの微細化、コストダウンの観点からNAND型が発明された経緯を説明できる
14週 SGTNAND型フラッシュメモリー SGTNAND型フラッシュメモリーの構造と動作原理について説明できる
15週 まとめ
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前15
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
電子工学原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000301700300
基礎的能力04000600100
専門的能力04000600100
分野横断的能力020030500100