電気工学基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 電気工学基礎
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 わかりやすい電気基礎   著者:高橋 寛・増田英二   発行所:コロナ社
担当教員 山田 洋

到達目標

・ 抵抗、コイル、コンデンサ素子における電圧と電流の関係を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
・ キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
・ 電流による磁界を説明でき、各種法則を用いて磁界の計算ができる。
・ 静電界における電荷、電界、電位等を説明でき、それらを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1オームの法則,キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,鳳-テブナンの定理を駆使して,複雑な直並列回路の合成抵抗,電圧,電流を自由自在に計算することができる。オームの法則,キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,鳳-テブナンの定理を駆使して,簡単な直並列回路の合成抵抗,電圧,電流を計算することができる。 オームの法則,キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,鳳-テブナンの定理を駆使して,簡単な直並列回路の合成抵抗,電圧,電流を計算することができない。
評価項目2アンペアの法則,フレミングの法則,ファラデーの法則,磁気回路の基礎を理解し,それらを駆使して電流と磁気に関する計算ができる。アンペアの法則,フレミングの法則,ファラデーの法則,磁気回路の基礎を理解できる。アンペアの法則,フレミングの法則,ファラデーの法則,磁気回路の基礎を理解できない。
評価項目3静電界における電荷,電界,電位,静電容量の基礎を理解し,それらを自在に計算することができる。 静電界における電荷,電界,電位,静電容量の基礎を理解できる。静電界における電荷,電界,電位,静電容量の基礎を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気の勉強の仕方、考え方、法則を学ぶ過程で、電気とはいったい何か、何の役に立つのかを学ぶ。発見→驚き→なぜ→勉強→対話→理解→発見→驚き・・のプロセスを通して電気工学を学ぶ楽しさを知る。
電気および電気工学の役割を説明できるようになる。磁気、静電気に関する現象を説明できるとともに、直流回路に関する電流、電圧、抵抗を計算できるようになること。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書の内容に沿って授業を行う。
前の週に授業概要を説明するので予習し、授業に備えておくこと。グループワークを通じて相互理解を深める。
教科書の例題や問題は授業の内容理解のため各自自力で解く努力を惜しまないこと。
注意点:
専門科目を学ぶための最初の一歩。初めての専門科目であることから、授業を聞く、ノートに板書を写すだけ、という受動的な勉強では不十分。少なくとも授業前日には教科書を読み授業概要と不明点の把握する(予習)、授業を受けた後はノートと教科書の確認と問題を解く(復習)ことに努めること。
自学自修のポイントは、教科書の例題を理解し、練習問題、研究問題を自分で解けるようになること。解けないときは、教科書と授業ノートを再確認し、自分の理解が深めるための自分専用のノートを作成することを勧める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の受け方、勉強の仕方が理解できる。
2週 電荷、電流と電圧 電荷、電流と電圧が理解できる。
3週 オームの法則、電圧降下 オームの法則、電圧降下が理解できる。
4週 直流回路の計算 直流回路の計算が理解できる。
5週 直並列回路、ホイートストンブリッジ 直並列回路、ホイートストンブリッジが理解できる。
6週 倍率器、分流器 倍率器、分流器が理解できる。
7週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則が理解できる。
8週 前期前半の理解度確認+中間試験 合格点以上を取得し、理解度をチェックできる。
2ndQ
9週 前期前半の振り返り 中間試験内容が理解できる。
10週 重ね合わせの理 重ね合わせの理が理解できる。
11週 鳳-テブナンの定理 鳳-テブナンの定理が理解できる。
12週 抵抗の性質 抵抗の性質が理解できる。
13週 電力と電力量、電流の発熱作用 電力と電力量、電流の発熱作用が理解できる。
14週 電流の化学作用、電池 電流の化学作用、電池が理解できる。
15週 前期後半の振り返り 期末試験の準備ができる。
16週 前期後半の振り返り 期末試験内容が理解できる。
後期
3rdQ
1週 電流と磁気(磁気現象と磁界) 電流と磁気(磁気現象と磁界)が理解できる。
2週 磁力線と磁束、磁束密度 磁力線と磁束、磁束密度が理解できる。
3週 電流の磁気作用(アンペールの法則、電流と磁界) 電流の磁気作用(アンペールの法則、電流と磁界)が理解できる。
4週 電流の磁気作用(ソレノイドコイル中の磁界) 電流の磁気作用(ソレノイドコイル中の磁界)が理解できる。
5週 磁気回路と鉄の磁化 磁気回路と鉄の磁化が理解できる。
6週 磁界中の電流に働く力 磁界中の電流に働く力が理解できる。
7週 電磁誘導作用 電磁誘導作用が理解できる。
8週 後期前半の理解度確認+中間試験 合格点以上を取得し、理解度をチェックできる。
4thQ
9週 後期前半の振り返り 中間試験内容が理解できる。
10週 静電気(静電現象と電界) 静電気(静電現象と電界)が理解できる。
11週 電気力線と電束、電束密度 電気力線と電束、電束密度が理解できる。
12週 コンデンサの構造と静電容量 コンデンサの構造と静電容量が理解できる。
13週 コンデンサの接続 コンデンサの接続が理解できる。
14週 コンデンサに蓄えられるエネルギー コンデンサに蓄えられるエネルギーが理解できる。
15週 コンデンサの種類と用途 コンデンサの種類と用途が理解できる。
16週 後期後半の振り返り 期末試験内容が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。2
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。2
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。1
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。1
磁気エネルギーを説明できる。2
電力電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。1
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。2
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。1
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度その他合計
総合評価割合9000100100
基礎的能力600010070
専門的能力30000030
分野横断的能力000000