到達目標
安全な機械を設計するためには,使用する部材の強度やその負荷状態,熱による膨張など,様々な角度からの検討が必要になる。
ここでは,工業力学,材料力学,流体力学,熱力学の入門的事項を学び,典型的な例題を通して,ものつくりに必要となる構造や部材の強さの概念を身に付ける。
これらの分野で取り扱う専門用語に慣れることにより,実際的な問題に対して,これらの力学的な考え方を適用できるようになることが目標である。
また,機械材料の基礎事項として,材料の弾性変形,塑性変形などについても取り扱う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ものづくりに必要となる構造や部材の強さの概念について理解し,他の機械に応用できる | ものつくりに必要となる構造や強さの概念について説明できる。 | ものつくりに必要となる構造や強さの概念について理解できない。 |
評価項目2 | ものつくりに関わる流体や熱,材料の概念について理解し,他の機械に応用できる。 | ものつくりに関わる流体や熱,材料の概念について説明できる。 | ものつくりに関わる流体や熱,材料の概念について理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 1. 電気工学の基礎と技術の習得により、多岐に亘る応用分野を互いに関連づけながら総合的に支え発展させると共に、技術者として社会に貢献する人材の養成を目標とする。
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力
資格 1 電気主任技術者
資格 3 基本情報技術者試験
資格 4 JABEE
教育方法等
概要:
本科目は講義と演習が主体になる。
授業の進め方・方法:
講義では力学的な概念に慣れるために典型的な例題を取り扱い,その問題がどのような状況で発生するか,どのようなもの,機械と関連しているかを,できるだけ具体的に示しながら進める。演習は、講義で説明した問題に関連したものを扱う。
事前学習:毎回の授業前までに,授業で行う内容と到達目標を理解して整理しておくこと。
事後学習:毎回の授業後に,授業で学んだことを振り返り,今後の授業・演習へ生かす方法を考えること。
注意点:
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 工業力学: 力のつり合い,質点の運動
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力のモーメント,ニュートンの力学法則,などの概念を理解し説明できる。
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2週 |
剛体の運動 |
剛体の直線運動,剛体の回転運動,固有振動数,などの概念を理解し説明できる。
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3週 |
振動問題 |
単振動,固有振動数,などの概念を理解し説明できる。
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4週 |
材料力学: 荷重,応力,ひずみ |
引張りと圧縮応力,せん断応力,それらのひずみ,などの概念を理解し説明できる。
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5週 |
応力とひずみ,熱応力 |
せん断力,熱応力,などの概念を理解し説明できる。
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6週 |
曲げ,ねじり,応力集中,座屈 |
曲げモーメント,曲げ応力,応力集中,座屈,などの概念を理解し説明できる。
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7週 |
水力学: 流体の性質,静水力学 |
座屈強度,圧縮強度の概念を理解し,寸法を算出できる.
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8週 |
中間試験(実施しない)
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2ndQ |
9週 |
動水力学 |
流れの表し方,保存則と動水力学への応用,エネルギー損失,などの概念を理解し説明できる。
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10週 |
流体抵抗 |
物体の抗力と抗力係数,2次元物体まわりの流れと抗力,などの概念を理解し説明できる。
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11週 |
熱力学: 温度と熱,圧力と仕事 |
熱量,比熱,潜熱,仕事,などの概念を理解し説明できる。
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12週 |
熱力学第一法則,熱力学第二法則とエントロピー |
エネルギー保存則,第二法則,可逆・不可逆変化,エントロピー,などの概念を理解し説明できる。
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13週 |
完全ガスと蒸気,熱機関 |
完全ガスの状態式,エントロピー,蒸気,カルノーサイクル,などの概念を理解し説明できる。
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14週 |
機械材料: 鉄鋼材料,非鉄金属材料 |
構造用鋼,工具用鋼,耐熱耐食用鋼,非鉄金属,などの概念を理解し説明できる。
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15週 |
高分子材料,セラミックス材料,複合材料 |
プラスチック,エラストマー,セラミクス材料,などの概念を理解し説明できる。
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16週 |
期末試験(実施しない) |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| レポート | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 50 |
専門的能力 | 25 | 25 |
分野横断的能力 | 25 | 25 |